パチンコ日報

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足らない年俸の溝埋めは自販機2台設置

ホールオーナーが一世の時代の話。



裸一貫でホールを立ち上げ、ユニークな店名で店を次々に増やしていった。



そのホール企業の運動会を兼ねた慰労会を取材したことがある。



大勢の社員を前に話したオーナーの言葉が今でも忘れられない。



「店長になる者は、業者と駆け引きして、小遣いを稼ぐぐらいの裁量がなければならない。ただ、その時、それを自分のポケットに仕舞い込むようでは、店長止まり。そのカネを皆のために使うようにならなければ、社長にはなれない」



実際に自分が実践してきたことなんだろう、と思って聞いていた。



なぜ、こんなことを書いているかといったら、最近、都内のホールでこんなことがあったからだ。



ホールの社長は優秀な店長を欲しがっていた。出入りの業者にも「腕のいい店長を探して欲しい」と声を掛けていた。



念願叶って、設備業者が優秀な店長を連れてきた。



この時代に新台を入れないで、行った先々で業績を上げている、ということだった。



何よりもスロットに強いらしい。



理想的な店長だった。



年俸契約の話になった。



ホールの社長は、1年目は750万円、業績を上げれば2年目からは1000万円、という条件を提示した。



この条件に店長は不満だった。



そこで、店長が折衷案として出してきたのが、自動販売機を2台置くことだった。



現在、取引しているベンダーはそのままで、新たに2台。商品はバッティングしないようにする、ということだった。



自動販売機の利益で不足分の給料を補うことが目的だった。



この条件を聞いて社長の熱は一気に冷めた。



恐ろしいことを言い出す。入社後、業者と組んで何をしでかすか分からない、と思ったからだ。



では、自販機2台で店長の懐にはいくらぐらい入ってくるのか?



昔、業界が儲かっていたころは、自販機を1台設置する権利金だけで1000万円といわれた時代があった。



さすがに、今はそんな金額が飛び交うことはないが、売れるホールなら300~400万円は出すケースもある。



現在の自販機の契約は期間ではなく、目標本数方式に移っていて、その本数が売れたところで、契約は満了する。売り上げの20%を権利金として先払いする。



ちなみに1本売れるごとに5円ほどがバックされる。



話を戻そう。



社長はこの店長の器を危険人物と見た。



こんな店長と付き合っている設備業者も切ることを視野に入れている。







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