パチンコ日報

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業界を去り、この世を去る、今に思うこと

パチンコ業界から身を引き、そしてこの世からの引退を間近にしています。



癌と言う病は、日に日にこの身を蝕み、人生のゴールが見えてきました。

最後にお世話になったパチンコ業界に私の手紙を残したく思いましてペンを走らせています。



この機会をお許し頂いた営業1号様に心から感謝申し上げます。

今まで相談相手になってくれて、この機会を仲介してくれた元店長君にも感謝を申し上げたい。



今日元店長君が見舞いに来てくれた。

パチンコ業界の昔話で盛り上がった。

そして元店長君がこの寄稿を一緒に書いてくれた(私の口述をインプットしてくれた)。



今のパチンコ業界と昔を比べると、何時の時代がよき時代だと言えるか。

70歳代以上の業界人はどう回顧するであろう。



フィーバー機が出たときは驚いた。

一番思い出が深いのは、三共フィーバーだった。

そう、あのドラム式です。



でも絵柄は777が揃うタイプではなかった。太陽の絵柄が揃って上のデジタルが7になれば大当たり。若い人は知らないフィーバー機かも知れない。



ヒコーキタイプが出たときも驚いた。

平和のゼロタイガー。

慣れるまで釘調整が大変だった。



初代ゼロタイガーは、羽の規定回数以内にVゾーンに入れば打ち止めまで連続するタイプ。つまり入賞数が10コで、ラウンドが16ラウンド、等の制限が無かったのです。



運がいいと一撃3000発も。

だから初代ゼロタイガーは、寄せ釘とか苦労しました。



1980年前後までが、パチンコ業界にとって一番楽しい時代だったと思います。



新機種が販売される数が少ないから、機械を大切に育てられた。新しい機械が発売されるのを、ホールもお客様も楽しみにしていた時代だった。



ホールとメーカーや代理店との関係も一番よかったのも、その時代だった。皆が対等に付き合えていた。



お客様から頂いたお金で贅沢はしなかったが、良い生活は出来た。

この場を借りてお客様に御礼を申し上げたい。



今のホール業界で頑張っているオーナーの皆様。



私がこの瞬間思うのは、お客様の存在の有り難さです。

元気なときは、ここまで思うこともありませんでした。



あの時にもっと割を上げておけば良かったと思う事もあります。

無駄遣いをしないで、お客様の為にサービスをしておけば良かったと思います。



常連のお年寄りで、先に冥土に行かれた大勢のお客様の顔が目に浮かびます。



私がただ一つ自慢出来るのは、常連のお客様の顔を100名以上思い出せる事です。



それだけホールに毎日数時間でも立ちました。

新装開店1時間後に、本当に出なくて、営業中に釘を開けた事も、いい思い出です。



これまでの人生に後悔が出てきました。



パチンコ遊びをしないオーナーや、お客様を集金機と思っていた組織の皆さんが少なからずいると思います。



そんな皆様は死ぬ時にどう思うのでしょうか?



私は遵法営業をしない時期がありました。

裏物を入れました。業界の空気に飲まれて入れました。それが許される時代でもありました。



脱税はした事はありません。納税が趣味みたいでした。同業者のオーナーでも同じ気持の人もいます。



ただ一時期、裏物を入れた事が、一番の後悔かも知れません。



遺書は既に書いてあります。



今、お客様にありがとうを言いたいのです。その機会がパチンコ日報です。



でも言葉は「ありがとう」しか思い浮かびません。

現役時代に、心底からお客様に「ありがとう」と言ってもらった記憶は無い。



自分はオーナーとして不合格だったと思う。

人生もう一度やり直せるなら、お客様に沢山「ありがとう」と言われたいと思います。



組合で見かける金満オーナーさん、昔可愛がってあげたメーカー関係者さんで今は不義理をしている人、皆さんが元気なうちに、人生を振り返って見てください。



人の人生は、人それぞれだと思っていた私が、人生の終着駅の案内アナウンスを聞いた今、考えに大きな変化がありました。



死ぬときは、何もあの世に持っていけません。



私のホールのお客様は、私のホールに来て楽しい思い出を沢山作ってくれたのだろうか?



あの世にいる常連さんに聞いてみよう。



これから先30年後のパチンコ業界を見たかった。

そうやってこの世を去る業界人の為に、業界の皆さんにお願いがあります。



パチンコが日本を背負う業界になって欲しいのです。

気軽に寄れるホールになって欲しいのです。

それには、昔の様に、ホールも販売店もメーカーも仲良い関係が大切です。



こんな事を言っても、蟻ん子より小さな発言力でしかありません。

でもホールで働くスタッフさんが、少しでもそう思う事で、お客様に少しでも楽しい思いをして頂けると思うのです。

お客様に精一杯優しく接して下さい。



今のファン数は減少しています。

これは高価交換がもたらす弊害だと思います。



機械性能もホール方針も、昔の様に低価交換(40玉など)に戻せば、ファンは増えると思います。



パチンコの醍醐味は、低価交換だと思います。

この先、パチンコ業法が成立する時に、低価交換が認められる様にして欲しいと思います。



死ぬ間際に、こんなに言いたいことがあるなんて、元気な時は思いませんでした。



皆様ありがとうございます。

お元気で。



終わり。



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