売り上げ=客数×客単価
客数を分解すると新規客+既存客×来店回数となる。いきなり3割アップというのは無理でも、各分野での1割程度アップぐらいなら何とか目指そうという気にもなってくる。客数を増やしても、来店回数は不満があればアップすることはない。
来店回数とは、リピーターという言葉にも置き換えられる。
スーパーの特売日の日は、買うと納得=顧客満足度を高めることができる。一方、パチンコの特定日は、全員が勝つわけでもなく、7~8割のユーザーは負けるので不満足を生む。負けても納得性がないと次のリピートにはつながらない。
各台計数機の普及で玉積みをするホールは少なくなった。以前なら他の客が次々と玉積みしていれば、「たまたま自分は運が悪かった」と自分自身を納得させることができた。これで誰も玉を積んでいなければ、「この店は出さない」として行かない理由づけになる。
出玉の視覚効果を削ぐ各台計数機の普及によって集客する仕組みが先細ってきていることも事実。4パチが強いホールでは、玉積みに拘り続けるのはそのためでもある。各台計数機でも出玉アピールボックスで、出していることを視覚から脳に刷り込むホールもある。
通常であれば、満足させてリピーターにするのが常套手段だが、ホールは新台入れ替えや特定日、土日の屋台イベントぐらいしかない。
特定日の並びで2桁台の整理券が7万円で売買されるようになったホールは、LINEを使うのも止めただけでなく、ネット戦略も思い切って止めた。特定日の期待値を裏切っていないから、宣伝しなくとも集客はできるようになった。
課題はイベント空白日、特に日曜日に粗利貢献度が高いサラリーマンをターゲットにどう集客するかだ。
不満足要因を一つずつ潰し、単純接触によるザイオンス効果で負けたお客さんを好印象でフォローできる接客がカギとなる。
パチンコを打ちたいと思った時に、真っ先に店名が思い浮かぶ「純粋想起」ができれば、空白日にも強くなる。
ちなみに、純粋想起とは、ブランドの認知度を聴取する際、選択肢やパッケージ画像など何も提示せずに、自由回答で銘柄を挙げさせる質問方法だ。例えば「ビールと言って思いつく銘柄は?」などと質問する。ここで自社のブランドを挙げた人が何%いるかが、認知度となる。
同様にパチンコと言えば「〇〇〇〇」とすぐに思い浮かべられるようにするために必要なことが「Share of Voice (シェアオブボイス)」だ。
直訳すると「声の市場占有率」となるが、競合他社と比較した広告出稿量やメディア露出量を指し、簡単にいえば、競合と比較して自社がどの程度、市場で露出量を確保できているかを確認できる指標だ。露出が髙ければ高いほど効果が高くなる。純粋想起のためには、店内オブジェも決して無駄ではない。

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