これまで運転手が必要だったタクシー業界において、ドライバーを必要としない自動運転技術の導入は、まさに革命的な変化である。この流れが進めば、自動車免許が不要になる未来も見えてくる。
この変革を支えているのは、間違いなく革新的な技術である。そして、技術が進歩する業界は発展し、技術で対応できない業界は衰退の一途をたどることになる。この視点から考えると、パチンコは技術革新から取り残されている代表例と言える。
かつてのパチンコは、職人的な技術を持つ「釘師」の存在によって支えられていた。パチンコの釘調整は、店の収益を左右する重要な要素であり、釘調整の差がホールごとの特徴や遊技の面白さを決めていた。
釘師という職人的人材を育成しなくても済むように、メーカーは釘を極力少なくしているが、それが釘技術の劣化にもつながっている。店長はヘソのアケ、シメに終始し、客からは「回らない」の不満しか聞こえない。
ヘソ釘をちょっと閉めるだけで簡単に利益を取ることができるのがパチンコだ。こんなことを続けていたら、いずれパチンコは消滅していく運命にあるのではないかと危惧される。
一方のスロットはAIを活用した設定管理が可能だ。一般的にホールは、月間の収支計画を立て、その計画に基づいて設定配分を行っている。
まず、予算を上回っていれば高設定を使い、下回っていれば低設定を使う。低稼働のホールでは毎日がベタピンとなる。
次に予算に従って出したいポイント日を設定している。その日に向けて高設定を入れられるように利益を取る。ポイント日はホールによって違うが、新台入替えやイベント日、ゾロ目、年金支給日など。
各ホールには、特定の「推し機種」が存在する。同様に、ジャグラー系をメインにする店もあれば、AT機を中心にする店もある。 高設定をどの機種に振り分けるかは、店舗の方針や客層に応じて決められる。
特定の台が出過ぎた場合には設定を下げる、出なさ過ぎた台には高設定を入れるなど、毎日微調整が行われる。これはデータ分析を活用すれば、最適な設定パターンを考えることが可能だ。
これらの設定管理は、現在は店長や設定担当者が経験と勘で行っているが、AIが学習を重ねれば、より効率的かつ精度の高い設定管理ができるようになる。
お腹が空いていれば何を食べても美味しく感じられる。そんな絶妙の設定配分もAIなら可能にしてくれる。

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