「レッドライオン」を打ってお次は、「うちのポチ」(1990年発売三共)。女性ぱちんこファンを増やすために、こんな可愛い台を開発したのだろうか?と思ったほど。私は今年パチンコ歴34年になりますが、その中でもベスト3に入る可愛さ。勿論「うちのポチ」は数百台あるコレクションの中の1台でもある。
一日の時間も勿体ないため、ポチを早く打つ事に。まずセル(盤面)のベースが白色だったのが凄く印象的だった。先程まで打っていた「レッドライオン」のデザインが凄く暗くドギツク見えるくらい。
私は絵も描けなければ、色使いのセンスも無い人間だが、見ているのは好きな方である。ポチの羽根はなんとお肉。1チャッカーと2チャッカーのデザインも素晴らしい。そして一番印象的だったのがVと描かれてるのが普通だが、ポチの場合は『HAPPY』である。
ここまで見てから打ち出す変態中学生は、まだ12歳。負けてはいるが、意気揚々と打ち出す。役物内を見てもとにかく気になったのはポチの手。手と手の間奥から玉が転がって来るのか?にしてもどうやって?そして羽根が開く!拾う!玉はポチの横に力無く落ちる。
ハズレ。が!一瞬ポチの耳が動いたように見えた。なるほど!タイミングが合えばポチの耳がサポートしてくれて玉が奥に行き、ポチの手と手の間を転がって来るのか!とすぐに気づいたが、そんなに簡単にいく訳でもなく、次々と100円玉がサンドに消えていく…。
惜しいシーンもないまま、気づくとポチの可愛さに騙されて2000円なくなる。しかし1チャッカーにポコポコと入り、羽根が開けば結構な確率で拾う。素人ながらに悪くないと感じていた。
何となく流れを変えたいと思い店外へ。昼前だが家で握ってきたおにぎりを食べる。腹が減っていた訳ではないが、何となくの休憩。このぱちんこ休憩も人生初の事である。打つ事に焦りもなくなり、この何となく取った“間”は、思い出してみると凄く不思議な出来事だった。
楽しむぱちんこから少し勝負師の一面が垣間見えた瞬間だったのかなとも思う。食べ終えても落ち着いており、ロングピースを咥えてはゆっくりとタバコを味わった。
そしてまた店内へと戻り、ポチとの戦いが始まる。そして500円くらい入れたあたりか、1チャッカー入賞して羽根が開き1個拾う。まではちゃんと見えていたのだが、どうゆう訳かその玉がポチの体の脇からVゾーンめがけて斜めに凄いスピードで転がり、V入賞した! 何処できっかけを作って斜めに玉が転がってきたのか理解出来ずにいた私は、1回の大当たりを損した気分になった。でも当たりは当たりだと言い聞かせて、1R目がスタートする。
可愛らしい音と共に羽根が開閉し中に玉が入っていく。でも入って行った玉はポチの体脇に落ちてハズレ穴へ。この台も貯留がないのか!と焦っていたら、6カウントまで静かだったポチが急に暴れるように動く! 良く見るとポチの耳が上がり下がりしている!
なるほど! ここでタイミング良くポチの耳に玉が乗れば!と見守っているとポチの耳の上に乗った玉が奥に行き、手と手の間奥からVゾーンめがけて転がってきた!
「おーっしゃあ!」と自分の想像通りの展開になり、1Rをしのいだだけで凄く攻略した気分になっていた私。多分渾身のドヤ顔だったであろう。そしてポチは貯留がないものの、7カウント目からの耳サポートで安定して継続し、危ないシーンもなく最終8ラウンド。
音楽が変わりVに入らなくてもいいラウンドなので、安心して玉の動きに注目しつつ消化する。完走してみると初めて感じた結構な出玉感だった。そして初めて感じた「このまま勝てる」という変な自信。続行すると予感は的中する。
羽根に拾われたら、ほぼ当たるんじゃないか、と思うくらいVゾーンに玉が吸い込まれていく。勿論、当時何個落としに入って何個拾ってなんて数えてないが、5個拾えば当たるくらいの確率だった記憶がある。
持ち玉も出来てある程度余裕があったので、玉の動きに一喜一憂しながらプレー。ノーパンクで出玉はあっという間にドル箱の8割くらいまでに達した。そしてまた一息つけ一服。勝利目前の余韻に浸る。自分の歴史的快挙の瞬間のタイミングを計りたかった。
一服が良くなかったのか、ポチの機嫌が悪くなった…。玉の動きを楽しんで見ているとVゾーンに当たって外れる事が多くなる。惜しいあたりのハズレが、打ち止めの間近の少年の気持ちを弄ぶ。そしてやっと当たったと思えば、4Rパンク。耳のサポートと拾った玉のタイミングが合わずにパンク。歯車が狂ってきたのか? ここで交換するか? どうしよう。
もう少しで念願の打ち止め。たとえここで全出玉が消滅しても、それはそれで次は別な台を楽しめばいい。でも、こんなに出てるんだからなくなる事はないだろう。自問自答しながら打ち続ける事2時間…。
私は初めて打ち止めを達成した。結局は何度も大当たりするが、パンクを何度も繰り返している時に店員さんがやって来て「お兄ちゃんこれで打ち止めだから終わりね」と優しく言われる。
景品カウンター前のジェットに流してもらい、3000個ちょっとのレシートを一度手渡されて文鎮に。ジッポライターの石みたいなのが入っていた文鎮8枚を貰い交換所へ。
千円札8枚渡されると私は力強くこぶしを握った。でも、出来れば打ち止めは完走して達成したかったな~と少し未練が残った思い出。
これでぱちんこ打てるお金が1万円弱に。しかしこの打ち止めで、自分の中の何かが壊れてしまい、金銭感覚も学生生活も全てが狂い始める。
つづく
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