未婚化が進む背景には、経済的な不安や出会いの減少、価値観の多様化、女性の社会進出などがある。結婚に対するハードルは上がる一方で、「独身のほうが気楽」「自分の時間を優先したい」という意識も根強い。かつてのように「結婚して一人前」という社会通念は完全に薄れてしまった。
しかし、少子化の根本的な要因を突き詰めれば、結婚する人が減っていることに行き着く。国の政策がいくら子育て支援を拡充しても、そもそも結婚する層が減れば出生数は増えない。少子化対策の切り札は、未婚率を下げることにある──。その現実を直視し、あえて「お見合い結婚の復活」に活路を見出そうとしているホール企業がある。
同社は、マッチングアプリやAI婚活が主流の時代にあって、あえて昔ながらの仲人型お見合いシステムを現代風に再構築しようとしている。戦後の日本では、結婚の約7割が見合いだった時期がある。ほとんど付き合いを経ず、写真一枚で結婚が決まり、それでも多くの夫婦が家庭を築いてきた。女性は30歳を過ぎると「売れ残り」、「恥」と見なされる風潮すらあったことから多くの女性が「結婚して家庭を守る」ことを人生の前提にしていた。
同社が注目するのは、お見合い結婚の持つ「合理性」と「持続力」だ。お見合いは最初から結婚を前提とした出会いであり、目的が明確だ。恋愛の駆け引きや時間の浪費が少なく、互いの条件や価値観を冷静に判断できる。加えて、仲人の存在があるため、トラブルを避けやすく、離婚率も比較的低いとされる。生活圏外の相手と出会える可能性もあり、地域や職場に縛られない見合いもが可能になる。
現代版お見合い事業として同社が描く構想は、ホールの地域ネットワークを活かし、信頼性の高い「人と人の縁結び」を行うことだ。マッチングアプリのような匿名性ではなく、身元の確かな参加者が集う「安心の場」を提供する。オンラインと対面を組み合わせたハイブリッド型サービスとして展開すれば、時代に合った形で縁結び文化を再生できるかもしれない。
結婚の形は時代とともに変わる。しかし、人が人を求める根源的な欲求は変わらない。お見合いの復活は、単なる懐古ではなく、合理性と信頼を兼ね備えた新しい婚活モデルになり得る。
温故知新。未婚化社会の出口を探るヒントは、未婚率が低かった半世紀前の日本にあったとも言える。
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