パチンコ日報

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「ホスピタリティ」を考える

先日ツィッタ-上でのやり取りで、個人的には考えさせられた投稿があったので、以下に紹介します(若干省略しております)。



「お客様を均等に神様だと思うからサービス業は不幸になる。精神論で組み立てたホスピタリティの上に経費削減で作った利益を重ねるから働く人が不幸になる」



「全てのお客様に最高のホスピタリティと掲げるのは、全員ホームランを打てというのと同じ事。1試合で終わるならまだしも毎日それを継続は出来ない。サービス業に必要なのは精神論ではなく戦略。でも何故か皆さん精神論に偏ってしまう」



「目に付くサービスの部分が重要なのではなく、顧客を長居させる仕組みこそが重要」



ここで別の方が付け加えという形で呟きました。



「ホスピタリティを作るにもコストがかかるという視点を忘れてはいけない。適正規模の人員配置、優秀な人材の確保、適切かつ継続的な教育、これらは全てコストである。それをコスト化したくない企業が、ホスピタリティをある種、宗教化し精神論を語り、従業員に無償での徹底を求める」



私の個人的な考えとしては、「接客」や「ホスピタリティ」は、あくまでマーケティング活動の一部であり、当然ですが、それのみで集客に結び付くと考えられません。



ただ「接客」や「ホスピタリティ」は、身内にも(自店舗の従業員や企業内部)他人にも(お客様や競合他店)、目に見えやすく伝わり易いという一面があるのは確かかと思います。



パチンコ店における「接客」や「ホスピタリティ」は、自店舗商圏やターゲット顧客によって求められるラインが変わりますので、これが正解というものはないと思います。



ですが、競合から目に見えやすい部分の強化と共に、目に見えにくい部分を強化する事が、競争優位に繋がると考えます。





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マルハン千葉北の戦略

あまり旬のネタではないですが、マルハン千葉北店を改めて取り上げてみたいと思います。マルハンの新コンセプト店である同店については様々な意見があります。



概ねまとめると次のような意見でしょうか。



【肯定派】

・さすがマルハン!考えるスケールが違う

・客の動線から、島の形状や設備など様々な点から新たな取り組みをしている

・発想が斬新



【否定派】

・マルハンだから出来るだけ。収益は度外視しているはず

・別に自店の参考になる事は特別にない

・パチンコの本質から外れている



ではマルハン自体はどういった意図をもって千葉北店を出店したのでしょうか。ここからは私の想像で、この千葉北店を戦略的に分析して見たいと思います。



2012年3月期時点で、同社の売上高は2兆791億円、経常利益は521億円、店舗数273店舗と、店舗数こそダイナムより少ないですが、その他の指標を比較しても、間違いなくパチンコ業界のリーディングカンパニーである事に異論はないと思います。



しかし国内市場という指標で見た場合、パチンコ業界は明らかに成熟市場に達しています。ある市場が成熟し、他の方向に進まざるを得なくなった場合に企業が最初に考えるのは、



1.同じ市場に対し別の製品(パチンコ以外の商品又はサービス)を売る事は出来ないか?



2.他の市場に対し既存の製品(パチンコというサービス)を売る事は出来ないか?



これはアンゾフの事業拡大マトリクスを当てはめたものですが、1の戦略に関しては不可能ではないにしても、そもそも同社の強みが発揮出来ません。



2の戦略に関しても中々イメージはしづらいですが、同社は今回ここに切り込んだのではないかと考えます。



リーダー企業の第一の関心事は、市場シェアの更なる確保もありますが、その前に市場規模全体の拡大にあります。



何故なら、その拡大分がそのままリーダー企業の成長に繋がるからです。当然ながらそこにはリスクもあります。しかしそのリスクを吸収出来るのもまた、リーダー企業にしか出来ない事です。



同社に今回そのような意図があったかどうかは分かりませんが、その観点から見ると、今回の千葉北店の取り組みは、パチンコ業界にとって大いに意味ある事だと捉える事も出来ます。



何故なら、そこでのノウハウが蓄積し国内市場全体が拡大すれば、競合他社にとっても多大なるヒントを与えてくれるからです。



つづく



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戦略思考と合コンの共通点

皆様は「戦略」と聞いて何を想像されるでしょうか?



戦争・戦術・戦う場所・方向と色々あると思います。戦略という用語は、戦争で使用されたのが始まりですからそう言ったイメージも当然かもしれません。



ここからは少し質問形式で。



Q 戦略は一体何のために考えるのか?



A あらゆる企業が何らかの目的に向かって進むため



Q では何故目的に向かって進まないといけないのか?



A 進まないと企業として存続出来ないから



Q ではそのために何を考えないといけないのか?



A 相手(当然1人で戦っている訳ではない)



Q その相手とは誰か?



A 顧客と競合(市場と競合)



これらをまとめると、経営戦略の1つの定義として次のように言えます。



「企業目的を達成するために、外部環境を分析し、内部の経営資源を棚卸して、競合に対して持続的な競争優位を確立し、顧客の支持を得るための、企業として進むべき方向を意思決定する事」



長いし面倒臭いと思われる方は「合コン」をイメージして下さい。



この場合、友達が競合で異性が顧客です。



久々に友達と3対3の合コンをしたら、奇跡的に3人ともレベルの高い異性ばかりでした。



当然3人と接触出来れば、ゆっくり時間をかけて考える事が出来ますが、あなたには体も時間も使えるお金も限られています。



あなたはトイレに行き、もう一度自分を客観視します。自分と更には友達の、容姿から経済的余裕まで冷静に分析し、最も可能性の高い1人にターゲットを絞ります。



皆様が普段何気なくやっている事かもしれませんが、これこそが「戦略」です。


つまり戦略とは「何をやるか」と同時に「何をやらないか」を意思決定する事です。




何を今さら分かりきったことを、と思われるかもしれませんが、当事者になった場合、意外と冷静さを失い無謀で根拠のない賭けに出ている場合がビジネスでは多々あります。



機械戦略、販促戦略、人的戦略、出店戦略等々、様々な「戦略」がありますが、先ずは自社や自店舗の経営資源を冷静に分析し、「出来る事」と「出来ない事」を明確にする事が全ての始まりではないでしょうか。



つづく



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接客で「笑顔」が出ないスタッフの方へ

先日ご縁があって、大阪でも結構大きな花火大会発表(主催者発表55万人)のボランティアに参加する機会を頂きました。



内容は有料観覧席(何と8,000円!)を予約されたお客様に対しての入場整理と同時にお弁当とお茶を配るというものです。



ボランティアの集合時間は13時。



花火開始は20時です。



炎天下の中、15時くらいからお客様を入場させ、花火開始まで4時間、休みなしで入場整理とお弁当配りが続きました。



当然、お客様も5時間程度、花火開始まで待つわけです。



「お疲れ様です」



「長時間お待たせいたしました」



「どうぞ、お弁当とお茶です」



この暑い中、お客様が自ら選んだ決断とは言え、ただひたすら「待つ」という行為に対して、目の前のお客様に思いを馳せると、別に指示はされていないのに、何という特別な理由などなく、自然に上記の様な言葉が出てきました。



さて、「接客」です。



パチンコ店でも「接客」の重要性が認識されて、それなりの時間が経過しました。



現状、ホールの「接客研修」ニーズも相変わらず高いように感じます。



そう言う私は、実は「接客」が大の苦手です。



今から15年ほど前になりますが、新卒入社の接客研修で、講師の求める「笑顔」が最後まで出来なくて、同期の皆様に迷惑をかけた事を今でも覚えています。



さらに、「お辞儀」も苦手でした。



「笑顔+お辞儀」となると、もうご想像の通りです。以来、接客研修では断トツの落ちこぼれでした。



別に斜に構えていた訳でもありません。



それが集客にどう関係があるんだといった理屈をこねていた訳でもありません。



やらないのではなく、ただ純粋に「出来ない」のです。



そして、そのような従業員やスタッフは、現状でも意外に多いのではないかと思います。



当時は私も悩みました。



と言うより今でも多分出来ないと思います。



当然ですが「接客」が重要でないと言っているのではありません。



ただスタッフの中には、やらないではなく、出来ない人もいるのだと言うことを接客担当の方々に分かってもらいたいのです。



仮に私が店長なら、接客担当の目を盗んで、出来ないスタッフにこう耳打ちします。



「笑顔ができなくても全く問題ありません。いらっしゃいませ! や有難うございます! が大きな声で言えなくても全く問題ありません。ただ、目の前のお客様に思いを馳せて下さい。今まさに目の前のお客様が、現金サンドに入れている1,000円が、そのまま我々やあなたの給料の源泉になります。そのことをしっかりと認識して下さい



「来店して頂いたお客様を幸せに出来なくても構いません。そのための具体的な行動がとれなくても構いません。ただ、目の前のお客様に思いを馳せて下さい。そうすれば、幸せにする素晴らしい接客は出来なくても、お客様を不快にさせない接客は出来るはずです



ボランティア時の私は、お客様に対し、確かに最高の笑顔でもなければ、最高の声かけでもないかもしれません。



しかし、少なくとも不快にさせない接客は出来たかなと思います。それも無意識に。接客について改めて考えた1日でした。







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店舗運営に経営知識は必要か?

私は経営コンサルタントとしては、新米中の新米です。その為パチンコ業界のセミナーには時間がある限り参加しています。



最近の全体的な流れとして思うのですが、あまりにも「経営知識」が軽く見られている様に感じます。



「知識ばっかりの頭でっかちでは、成果は出せない」



「論理的な考えよりもその時々の直感や感情が大事。お客様に接して感じる事が重要」



「来店して下さった目の前のお客様をいかにハッピーにさせるかが全て」



確かに私は、戦略・マーケティングを専門としているので、どちらかと言うと「頭でっかち」の部類に入ります。



上記のコメントは間違ってはいないのですが、それだけを店長に求めるのは、業界全体を考えた場合、あまりにもミスリードではないかと思います。



人を相手にビジネスをしている以上、確かに論理的帰結のみを基に施策を実行しても、それだけで集客に繋がるとは、さすがに私も思ってはおりません。



が、しかし、1店舗当たりであれだけ大きな金額を動かしている1店長である以上、最低限の経営知識と論理的思考能力は必要だと私は思います。



当然そのような人材教育を既に行っている企業もありますが、まだまだ業界全体では少数に留まっているのではないでしょうか?



何故このような事を言うのかと申しますと、私はパチンコ業界が社会的に「業」として認められる最大のポイントは、業界団体でもなく、株式上場でもなく、産業規模や納税額でもなく(当然重要な要素ですが)、全国1万店舗のパチンコ店の「店長」にあると考えているからです。



「店長」自らが、自分の「業」に対して誇りを持つだけでなく、社会にその必要性を発信する事が出来る。



自分の属する業界がそもそもどういった構造で、超えるべきハードルは何なのかについて、理解し自分なりの考えを持つ。



その上で、パチンコ業界を批判する方々に対しても、正々堂々と日常的に議論する力を身につける。



その様な店長が1人でも2人でも増えていけば、警察行政の手を煩わせることなく、業界も良い方向に変わっていくのではないかと私は考えます。



あまりに理想論かもしれませんが、私はその第1歩が、他業界の方々にも通用する共通言語である「経営知識」を店長の方々が身に付ける事だと確信しています。





つづく





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