私が知る限り30年前には間違いなくゲージ設計士がいた。そして彼らは綿密な計算の上でゲージ構成を確立していた。盤面のどの位置に200ビッカース(硬度を示す単位)の釘をどの位置に何本打ち込めば落下してきたパチンコ玉はどれ程の確率で左右に振り分けられるのか。
また玉の落下速度はどの程度のものなのか等々。あらゆる計算をし尽くして一台のゲージが完成するのだという事実を平和さんの工場見学をした時に知って驚いた記憶がある。
素朴な疑問なのだが現在ベース30程度(1分間に戻す玉)にして営業するように、と曖昧かつ根拠が不明な指導がある中で、なぜメーカーさんはヘソ1個返しという台を作るのだろうか。
これは1分間のヘソ入賞が仮に6回だとすると1個×6回でベースは6になる。となると30にするためには盤面最下部にある捨て穴(他入賞口やフロックとも呼ばれる)に玉を入賞させ1分間に最低でも24個返さなければベース30にはならない計算になる。因みに捨て穴の戻しの数は3個だったり4個だったり5個だったりする。
例えばヘソ入賞の戻し個数を昔のように4個にすれば6回入賞するとそこだけでベースは24になる。そして他入賞の戻しを1個にすれば概ね30程度のベースを作れる。さらにはそれを実現させるために設計上で捨て穴の釘幅を現在より狭く位置取れば良いのではないかと私は一人頭をひねるのである。
ひょっとすると無知な私が知らないだけで、検査上での規制などがあるためにそれができないのではないだろうか。いやいやそうではなく大当たり後の一撃出玉を演出するために計算上そうしなくてはならないのか。
いずれも想像の域を脱しないのでいつもそこで私の思考が停止してしまう。
メーカさんはそういった部分に関してホールさんに台のコンセプトとして説明した方が良いのではないだろうか。ホールさんもメーカーさんに質問を投げかけてみてはどうだろうか。果たして今のゲージ構成が行政の指導に適したものになっているのかどうかを今からでも遅くはないからきちんとした方が良いのではないだろうか。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。