パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

チケットショップを買う気満々のホールオーナー

キャッシュレス、チケットレスの流れの中で金券ショップに逆風が吹き荒れている。トドメを刺したのは、金券ショップの主力商品だった新幹線の回数券が2022年3月に終了したことだ。

出張族は金券ショップで新幹線チケットを安く買って、正規の料金を会社に請求。その差額で飲み代の足しにする、というささやかな楽しみがなくなった。金券ショップにしても新幹線の回数券は収益の大きな柱だっただけに痛手である。

商品券は新幹線の回数券に比べて利益率は0.1%、と低く、100万円分仕入れて完売しても利益は1000円ほど。これではうま味がない。

まさに金券ショップはオワコン状態と言っても過言ではないのだが、その状況でホールオーナーへチケットショップの買収話が舞い込んできた。オーナーは意外にも「赤字になっていないのなら買ってもいい」と乗り気なのだ。元手もランニングコストもほとんどかからない、というのがオーナーの見立てである。

前述の通り、新幹線の回数券廃止や、コンサート・イベントの電子チケット化など、紙のチケットの必要が減少している。これにより、物理的なチケットを扱うビジネスモデルは当然ながら縮小の方向に向かっている。

さらにJRの「スマートEX」やイベント主催者による公式販売プラットフォームの普及により、正規の販売ルートが強化され、チケットショップの中間的な役割が弱まっている。

将来的に見ても、現在の「チケットを安く仕入れて高く売る」ビジネスモデルは、需要の減少と電子化の流れで、これまでの規模を維持するのは困難な状況だ。

チケットショップ側からは「昔はパッキーカードがよく売れた。パチンコ用のギフトカードがあれば売れる」とオーナーを焚きつける。

パッキーカードは高額の1万円券が全国共通で使えるために、瞬く間に偽造の餌食になった。偽造が横行して手の施しようがなくなったNTTのテレホンカードの技術を応用していたので、いとも簡単に破られた。

偽造には二通りあって使用済みのカードを改ざんする方法と、組織的に印刷会社から生カードを盗み出し、暗号化アルゴリズムを組み込んだソフトウェア開発し、カードのデータ構造に従ったエンコードを行う。生カードに対して「有効なデータ」を書き込めば真正偽造カードの出来上がりだ。こうしたカードが金券ショップに持ち込まれて換金されていた。

少し本題からそれてしまったが、今はチケットショップよりも、商品買取業の方が隆盛を極めている。個人や企業から不要になった商品や資産を買い取り、それを再販売するビジネスだ。チケットショップと相通じるところがあるが、リサイクルやサステナビリティの観点からも重要な役割を果たしている。

買取店は、仕入れ価格と販売価格の差額が主な収益源だ。できるだけ安く仕入れて、クリーニングや修理をするなど付加価値をつけて高く売ることで生まれる差額が儲けとなる。

やるならこっちでしょ。


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日本語の正しい読みと「ぱちんこ」という言葉

「別棟」と書いて「べつむね」と読むのが正しいのだが、最近の若者は「べっとう」と読む者が少なくない。このことに気づいたある会社の社長が、社員の漢字の読解力を試すために、係長以上の役職者を対象に漢字の読み方のテスト50問を実施した。

この会社は飲食業を主に営んでいるが、ホールを1店舗だけ経営していることもあり、社長は言葉の正しい使い方に関心を持っていた。そして、実施したテストの結果に愕然とすることとなった。

その中で、「春夏秋冬(しゅんかしゅうとう)」を「はる・なつ・あき・ふゆ」と書いた社員がいたのだ。社長はこの結果に驚きを隠せなかった。役職者でありながら、このレベルの誤読をするとは思いもよらなかったのである。

そこで社長は、社員の語彙力向上のための対策を考え、日本語に精通している国語学者に手紙を書き、「自己啓発の参考資料を作ってほしい」と相談を持ちかけたのだ。この手紙をきっかけに、国語学者と直接会って話を聞く機会を得ることができた。

その席で、思わぬ話題が持ち上がった。パチンコに関する話が、先生の方から次の様に出たのだ。

「風営法では『ぱちんこ』とひらがなで表記されていますが、それはなぜかご存知ですか?」

その問いに、社長は答えに窮した。

パチンコの起源は西洋のコリントゲームとされ、「パチン」と弾く擬音から「パチンコ」と呼ばれるようになった、と一般的にはいわれている。しかし、なぜ法律上は「ぱちんこ」とひらがな表記されているのかは知らなかった。

国語学者によると、法律では外来語を使わない方針があるため、和製外来語の一つである「パチンコ」はひらがな表記となった可能性が高いという。また、ひらがな表記にすることで、日本語らしさを強調する意図も考えられる。さらに、「ぱちんこ」という表記を用いることで、風営法に基づく特定の遊技機を明確に定義する目的もあるとのことだった。

パチンコ業界では「パチンコ」とカタカナ表記が一般的であるが、法律におけるひらがな表記の意味を知ることができたことで、社長は新たな学びを得た気がした。

しかし、国語学者はさらに衝撃的な見解を述べた。

「パチンコという言葉はいずれ廃れるかもしれません」

驚いた社長は、その理由を尋ねた。

「学生にパチンコの説明を求めても、見たこともやったこともない学生が増えていて、説明できない人が多いのです」

国語辞典の改訂では、時代とともに消えていく言葉がある。三省堂の国語辞典第八版(2021年12月発売)では、「スペースシャトル」「コギャル」「マイナスイオン」「派手婚」「MD」「赤外線通信」など、一時的に流行した言葉が削除された。

パチンコの場合は一時的な流行ではなく、戦後から庶民の娯楽として定着してきた歴史があるが、若者にとっては過去のものになりつつあるのかもしれない。

昔の国語辞典では「チューリップ」という項目を引くと、花以外に「パチンコ台に付いている機能」と説明が加えられていた。しかし、現在ではその説明は削除されている。

このことから、国語学者は業界人に対して「パチンコ」という言葉を大事にしなければならないと指摘した。

「例えば、業界では『1パチ』『4パチ』という略語がよく使われます。しかし、これを『1円パチンコ』『4円パチンコ』と省略せずに表記することを勧めます。初心者には『1パチ』といわれても何のことか分かりませんし、何より『パチンコ』という言葉自体がなくなっていく危険があります」

実際に、若者の間では「パチンコ屋」とは言わず、「パチ屋」と呼ぶことが一般的になってきている。こうした省略が定着すると、「パチンコ」という言葉自体が次第に使われなくなる可能性がある。

社長は、この話を聞いて考えさせられた。

言葉は時代とともに変化していく。しかし、パチンコ業界に携わる者として、業界用語をただ省略するのではなく、正しい言葉を使い続けることの重要性を改めて感じた。

日本語の正しい使い方を学ぶつもりが、業界の未来について考えさせられる機会となったのである。



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床を有機ELでホールを演出するという夢

中国・河北省邯鄲市には、足元がガラス張りになっているスリル満点の吊り橋がある。海抜1180メートルという高さから見下ろす風景だけでも足がすくむが、この橋にはさらに衝撃的な仕掛けがある。橋を歩くと、足元のガラスにヒビが入っていくのだ。実はこれは液晶ディスプレイに映し出された演出で、人体を感知するセンサーと連動して、割れるような映像が流れる仕組みになっている。実際に割れているわけではないが、そのリアルさに大の大人も思わず悲鳴を上げるほどだ。まさに“恐怖を楽しむ”ためのアトラクションである。



このユニークな仕掛けからヒントを得て、「ホールの床に液晶ディスプレイを導入できないか?」と考えたホールがあった。ホールの床には、よく見ると機種ごとのコーナー案内を示すフィルムが貼られている場合がある。それを静的なものではなく、動的に、さらには視覚的に訴求力のある形に変えられないか。つまり、床そのものを“演出媒体”として活用するというアイデアだ。

そこで着目されたのが「有機ELフィルムディスプレイ」だった。これは液晶ディスプレイと異なり、自ら発光する有機物を使った表示技術で、非常に薄く、軽量でありながら高い色再現性を持ち、省電力性にも優れるという特徴を持つ。また、フィルム状であるため、曲げたり丸めたりすることも可能な“フレキシブルディスプレイ”として、次世代の表示デバイスとして注目を集めている。ポスターの様に気軽に壁に貼ることもできる。

これをホール内の主だった動線やコーナー導線に沿って設置すれば、来店客の目を惹きつけ、誘導効果も期待できる。例えば、「新台入替」の告知が床でアニメーションとして流れたり、特定のコーナーへ歩くと光の演出が追従したりと、さまざまな可能性が広がる。

実際、500台規模のホールで導入を試算したところ、費用は約2億8000万円。決して安くはないが、話題性も抜群で、施工後にはパチンコ業界のみならず、テレビなどメディアで大きく報道されることも見込まれていた。

しかし、この革新的な計画は最終的に断念されることとなる。理由はコストではなく、「有機ELの寿命」と「メンテナンス性」にあった。

有機ELは理論上、1日8時間の使用で約10年程度の耐用年数とされているが、パチンコホールでは稼働時間がさらに長くなることが多く、劣化が加速する恐れがある。また、ホールでは毎日の床清掃が欠かせないが、有機ELフィルムは傷や水分に弱く、通常の清掃作業に耐えられないという問題も浮上した。

結果として、この挑戦的な取り組みは「計画止まり」となってしまったが、それでも業界における未来の店舗演出のヒントとして、多くの人にインパクトを与えたのは間違いない。技術の進化とコストの低下が進めば、いつの日かこのようなビジュアル演出が実現する日が来るかもしれない。



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ホール客同士の結婚を機にお見合いパチンコ大会を開催

東北のとある町――山々に囲まれた田園風景の中で営業を続けているホールがある。かつては新台の入れ替えに活気づいたこのホールも、今では体力的にも中古しか入れ替えられない状況に陥っている。長年通ってくれる常連たちに支えられながら、地元密着型の営業を続けていた。

そんなホールに、ある日ひとりの若い女性が通い始めた。いつも打つのは決まってジャグラー。ふらっとやって来ては静かにジャグラーを打ち、当たりが出ても大きなリアクションをするでもなく、黙々とレバーを叩いて帰っていく。年配客が多い店内で、紅一点は嫌でも目立っていた。

地元の常連たちは見知らぬ顔には敏感だ。特に情報通として知られるおばあちゃんが、店長に「あの子、こないだ亡くなった〇〇さんの娘さんだよ」とぽつりと教えた。

〇〇さんはホールの常連客だった。数カ月前、心筋梗塞で急逝したのだった。まだ60にも満たなかった。

おばあちゃんは誰とでも自然に仲良くなれる特技を持っていて、何気ない会話から彼女の素性を少しずつ聞き出していった。

「高校を卒業して東京で就職して、結婚もしたけど離婚して戻ってきたんだって。戻ってきた矢先にお父さんが亡くなってね…。ジャグラーを打つことがお父さんの供養なんだって」

実家は地域でも名の知れたコメ農家。従業員も2人雇っており、それなりの規模だという。ただ、父親の死と自らの離婚というダブルパンチで、彼女の心は大きく傷ついていた。そんな中で彼女が選んだ“心のよりどころ”が、父親が生前通っていたこのホールであり、そして父が好きだったジャグラーだった。

しかし、この話はここで終わらない。

情報通のおばあちゃんにはもう一つの顔があった。実は昔、仲人協会に勤めていたことがあり、結婚相手を紹介するのが得意だったのだ。ある日、おばあちゃんはひらめいた。

「同じ常連で、農家の跡取り息子がいるじゃない。あの子、真面目でええ子だし、ちょうどいいじゃない」

おばあちゃんの行動は早かった。気が付けばお見合いから数カ月後には結婚が決まった。

ホールの店長も2人の出会いの場の責任者だったということで結婚式に招かれた。

ここで、おばあちゃんの仲人魂に火が付いた。

常連客の中にはコメ農家の跡取りも少なくない。彼らは出会いの場がなく、結婚相手が見つかりにくい。そこで、おばあちゃんはさらなる仕掛けを提案する。

開店前のホールを使って、「お見合いパチンコ大会」の開催だった。

ホールはこの提案に乗った。

大会は2か月に1度。参加する女性たちは、おばあちゃんの人脈で集められ、パチンコ初体験がほとんど。使用台は甘デジで、釘は楽しいと感じてもらえるように細心の配慮がなされていた。

そして勝敗の決め方も一風変わっていた。ただ出玉数で競うのではなく、「総出玉数の下1桁が7なら優勝、1なら準優勝」というユニークなルールだ。見た目の出玉だけでは分からないドキドキ感が、大会の雰囲気を盛り上げる。

もちろん全員が結ばれるわけではない。カップルを組んだ相手とは別の人と付き合いが始まることもある。参加した女性の何人かは常連になり、パチンコの楽しさに目覚めていった。そして、ホールの稼働もほんの少し上向いた。

ホールの地域コミュニティーとしての新しい形とも言える。


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パチンコファンはオンラインカジノに興味なし!? 現場で見えた意外な実情

オンラインカジノの実態を取材している編集者が、ある疑問を抱いていた。それは「オンラインカジノは、パチンコ・スロットファンの間でどれほど浸透しているのか?」ということだ。

というのも、パチンコ・スロットは「遊技」と定義されているものの、実態としてはギャンブルに近く、世間的には“日本版ミニカジノ”と見なされることも少なくない。

だとすれば、同じギャンブル系の娯楽であるオンラインカジノも、すでにパチンコユーザーの間にそれなりに受け入れられているのではないか――そんな仮説を立てた。

検証のために、都内のホールで、20~40代のユーザーを中心に声を掛け、インタビューを試みた。対象者はホールから出てきた、いかにも“やっていそうな”層を選び、60人あまりに話を聞いた。

最初の質問はシンプルに、「オンラインカジノをやったことがありますか?」というもの。ところが、返ってきた答えは驚くべきものだった。「やったことがある」と答えた人は、まさかのゼロ。まったくの皆無だったのだ。

途中で気づいた。この聞き方では、「違法なことをやったことがあるか?」と尋ねているのと同じになってしまっている。相手も警戒するのは当然だ。そこで、質問内容を「オンラインカジノに興味はありますか?」に変更してみた。

しかし、結果は変わらなかった。興味があると答えた人もゼロ。まさかの“関心すらない”という現実に、仮説はあっさりと崩れた。

理由を聞いてみると、興味深い意見がいくつかあった。

「オンラインカジノって信用できないんですよ。絶対に運営側が操作してるでしょ」

「勝ってもちゃんとお金がもらえるか不安。そもそも日本じゃ違法って言われてるし…」

こうした声から浮かび上がってきたのは、「ギャンブルの健全性」に対する意識だ。決してパチンコ業界が全面的に信用されているわけではないが、実店舗があり、換金の仕組みも社会的に“黙認”されている点で、オンラインカジノよりはまだ安心できる、というのがユーザーの本音だろう。

また、もう一つ印象的だったのは、「自制の効きやすさ」に対する評価である。パチンコは営業時間が決まっており、負ける金額にもある程度の限度がある。ところがオンラインカジノは、24時間いつでもどこでもアクセスできる。そのため、際限なくおカネを注ぎ込んでしまうリスクがある。

「ギャンブル依存症問題を考える会」が依存症に悩む当事者やその家族を対象に実施したアンケートでも、公営ギャンブルの借金額が平均820万円だったのに対し、オンラインカジノ利用者の借金額は平均2053万円と2倍以上だった。

こうした背景を踏まえると、少なくとも今回インタビューに応じたパチンコユーザーたちは、「ギャンブルに溺れること」には一定のブレーキをかけているようにも見える。もしかすると、彼らは本質的には“真のギャンブラー”ではないのかもしれない。

「ギャンブルは好きだが、信用と制御が効かないものには手を出さない」

そんな現代のパチンコユーザー像が、現場の声から浮かび上がってきた。



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