パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

どっこい生きている1パチなしの単店


とあるホール取材で業界誌の駆け出し記者時代にタイムスリップしたかのような感覚になった。

ホールの建物は2階に寮があるタイプで、90年代初頭のものだ。そんな古い建物の事務所にセーター姿のオーナーがいた。

総台数は300台クラス。当時としては標準的なもの。

取材に行ったのは平日3時。スロットコーナーには活気がある。いい意味で予想外だった。

「都会に比べてこの地区は遊ぶ場所がホールぐらいなのでお客さんの減り方はまだまし。お客さんは農業、漁業、土木関係者なので雨の日は朝から稼働がいいけど、農繁期になると稼働は下がる。今はコロナ前の8割まで回復している。戻って来ない2割はお年寄りと会社からパチンコを止められている人たちなのでもう諦めている」とオーナーが話し始めた。

独立して13年。その前は兄弟でホールを運営していて、兄が社長、本人は専務という立場だった、というから業界歴は30年以上になる。

このホールのパチンココーナーに1パチはない。お客さんからも「なぜ1パチを置かないのか」と聞かれることもあったが、オーナーの「1パチは嫌い」の一点張りで4円だけで営業を続けている。

「子供のころから1円なんて見たこともない。1円をやるならゲームセンターになり、その分、経営がしんどくなる」とポリシーを貫く。

4円だけでパチンココーナーを運営しているが、さすがにパチンコの稼働は厳しいものがあるが、それをスロットコーナーがカバーしている。

スロットに依存しているということは完全に6号機に移行した時の不安もよぎる。

「凱旋は6台あって撤去日に撤去したけど、この地区は元々ジャグラーが強い。5号機ジャグラーが完全撤去になった時は営業方法も変更することを考えている。今は内税で50枚払い出しで5.6枚交換だけども、ジャグラーも全台6号機になる時は、外税で47枚払い出しで5枚交換にすることも検討しています」

チェーン店のように機械の使いまわしができない単店は機械代が重くのしかかる。特に未だに続く抱き合わせ販売では単店は苦しめられる。欲しい台が欲しい台数買えない。

メーカーも販売台数が限られているためにどうしても購買力のある大手が優先される。

そんな状況でも単店が生き残れているのはこの地区に大手ホールがないこと。娯楽がパチンコ以外にないことなどが挙げられる。何よりオーナー自ら毎日事務所に出てお客さんの顔を見ながら重要な仕事は自分でこなしているからだ。

コロナ休業中は内装を改装するなど余力があるところも見せた。



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店長に大幅な権限委譲で増収増益の手法をホールに応用してみたら…


大手ディスカウント店で8年勤務していたが、家庭の事情で田舎にUターンすることになったAさん。最初は農機具の販売店へ就職したが、仕事が自分の性には合わないので、再就職したのがホールだった。

田舎の単店でオーナーに気に入られ、店長に昇進するのにさほどの時間はかからなかった。

オーナーはなぜ気に入ったのか、というとAさんの才能というかやる気だった。

店長になる前、Aさんは自分のアイデアを店長に色々相談していたが、何事も否定から入る店長でことごとく却下された。

そこで、Aさんは店長をすっ飛ばしてオーナーに直接稟議書を上げるようにしたところ、気に入られた。稼働が下がろうとも打つ策もなく、部下の企画は否定するだけの店長を降格して、Aさんが店長に昇格した。

ホール業務の中でも大手ディスカウント店で培った8年の経験は生かされた。前職は値段設定は本部が指示するのではなく、店長の裁量に任される範囲が広かった。さらに各売り場も権限が現場に委譲され、契約社員でも売り場を任され、値付けやレイアウトまで行う。

従って、同じチェーン店なのに、同じ商品の値段に差があることは不思議なことではなかった。

これが現場のモチベーションとなり増収増益を続けている。その代わりパワハラはある企業風土だが、自分の実力で昇進することはできた。

Aさんは店長になっても事務所にいることはなかった。

常に表周りをして、お客さんとのコミュニケーションをとると共に、お客さんの声は吸い上げて実行した。

心掛けたのは稼働のいい機種は稼働がいいから、利益を抜くのではなく、敢えて割数を上げ、薄利多売を貫いた。

「勝ったらまた行きたくなるじゃないですか。勝つ体験を増やすことが必要です」(Aさん)というように、週1回しか来なかったお客さんが週2回来るようになった。

来店客数は3カ月で2割もアップした。

店長に任命された時、Aさんはパチンコのことを勉強するために、ネットで関連サイトを片っ端から調べた。その時ぶち当たったのがパチンコ日報だった。

「日報で勉強になったのは元店長とトミナガさんの記事でした。これらは過去記事を全部読み返しました。時代にそぐわず使えない手法も中にはありましたが、勉強になりました」(Aさん)

軌道に乗りかけた時にコロナだ。

緊急事態宣言では休業も余儀なくされた。しかし、営業再開後は年配客の比率が高かったため客の戻りが芳しくない。Aさんの力でもどうにもならず、一時休業することとなった。

職を失ったAさんは古巣に復帰することを考えている。



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二物二価、パチンコ35玉交換でアウト稼働がアップ


大阪は11月1日からパチンコは25.5玉~38.3玉、スロットは5.1枚~7.7枚の範囲でホールが選択できる10.2割分岐営業が可能となった。

従前はパチンコ28玉~42玉、メダルは5.6枚~8.4枚交換の11.2割分岐営業だったわけだから、より等価に近い交換率が選択できることになった。

大遊協関係者は「二物二価」という言葉を嫌うが、パチンコ専用、スロット専用景品の2種類を取り揃えることで実質二物二価が可能になった。

パチンコ、スロット専用の景品を取り揃える二物二価


マルハンや11月22日に大阪府堺市にグランドオープンしたラクエンplus(1827台)は10.2割分岐営業で高価交換営業に走っているが、意外なことに二物二価に舵を切ったホールは今のところ(11月26日現在)少数派だ。
二物二価は大阪府警のお墨付きがないので、様子見のホールが多い中、二物二価に踏み切ったホールへ突撃取材した。

11月5日からパチンコは従来の28玉から35玉交換、スロットは5.6枚から5.1枚交換へ変更した。

パチンコは回す営業を心掛け、スロットは抑制された射幸性をカバーするためにより等価に近づけた営業戦略を取った。

交換率変更から3週間が過ぎた時点で、どのような変化が見られたのか?

「コロナ前は勝負に来ているお客さんが多かったんですが、コロナ禍では遊びたい、というお客さんの方が増えてきた。つまり、ローリスク、ローリターンを求めるお客さんが増えていた。交換率を35玉に変更してからは『回っている』という声が増えましたね。以前の1000円スタートが16~18回だったのに対して、今は21~22回は回りますから、回っていることを実感できる、と思います。遊べるので遊技時間は15~20%は確実にアップしています。週1回しか来なかったお客さんが週2~3回来店するようになったのも大きな変化です」(店長)

稼働時間が延びる分、玉単価は若干下がるが売り上げは微増というところだ。しかし、アウト稼働で見ると安定してきている。

35玉交換ということは14割分岐営業ができる、ということだ。

「30玉は最初から除外で、33玉か35玉かで随分悩みました。25玉に対しての33玉だったので、28玉に対しては35玉の方が正解なんではなかろうか、と。実際、やってみて35玉の方が良かったと思っています。14割分岐の方がメリハリの効いた営業ができます。開けるときは開けることができます。等価では出過ぎたらビビりますが、35玉なので出過ぎても恐れることはなくなりますしね」

パチンコ、スロット共にスペック的にハイリターンが望めない状況で、客のローリスクを考えるのなら、売り上げの上がらない1円パチンコよりも35玉交換の方が間違いなくアウトは上がる。




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自主規制と規制緩和


遊技通信に以下の記事があった。

全日遊連は11月18日、都内新橋の第一ホテル東京で全国理事会を開催し、理事会後の記者会見で阿部恭久理事長が、ホール4団体で10月19日から運用を始めた旧規則機の取扱いに関する21世紀会決議を順守していないホールの通報・確認システムの状況を報告した。
 
それによると、16日正午までに寄せられた通報件数は347件で、うち198件が重複していたほか、趣旨から外れている通報が19件あり、実質的な対応案件は130件だった。

うち、28件は誓約書の未提出ホールに関する通報。誓約確認機関が通報内容の真偽を対象ホールに確認する対応件数は102件で、そのうちすでに通報内容を対象店舗に送った件数は53件あり、それに対する回答がないのが9件、返信があって現地確認が終わっているのが20件あるという。

報告によると、さらにそのうちの3件が撤去対象機を設置中。残り49件については送付手続き中となっている。なお、現時点における誓約書の未提出ホールは全国で35店舗。

引用以上終わり。

パチンコ業界で100%足並みを揃えることは並大抵のことではない。直近では緊急事態宣言下で休業要請に応じないホールがメディアの餌食となったが、今回もそれを裏付ける結果となっている。

21世紀会は旧規則機の撤去については強い意志で臨んだ。応じないホールには中古書類を発給しないとか、メーカーは新台を販売しないとかの罰則規定を設けたが、それでも応じないホールが出た。

業界として一番撤去させたい機種が残っているホールがあるとすれば、そのホールに客が群がるのは当然の帰結だ。

周辺の競合ホール関係者はこう憤る。

「朝から高稼働で外した方がバカを見た。ふざけるなといいたい! 次はどんなことがあっても誓約書は出さない」

通報システムに通報が寄せられているということは、当然、警察の方にも同様の通報は行っているものと思われる。

厳密にいえば業界内の自主規制である。高射幸性の撤去対象機種も含めて1年延期になった。設置してそのまま営業しても風営法違反をしているわけではないので、警察も取り締まることはできない。

21世紀会としては自主的に高射幸機を100%撤去して、次のステップである規制緩和に望みをつなげたかったはずだ。

例えば、パチンコの1回の大当たりの出玉は従来の2400個から1500個に抑えられた。少ない出玉では脱等価の流れも大阪では大手を中心に高価交換の動きに戻ろうとしている。

そうならないためにも1回の出玉をせめて2000個に緩和してもらいたい。

上層部は業界の将来のことを考えての決議だが、ホール現場は日々の営業のことで手一杯で、「そんなことを上で勝手に決めるな!」との思いもあるのだろうが、長い目で業界の得を考えなければならない。



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幻のIR? そして誰もいなくなった


カジノ関連エントリーは未掲載分が11本も溜まっている。随分前に書いたものがほとんどで、時事性、緊急性を優先したためにカジノ関連を後回しにしたら、11本も溜まってしまった次第だ。

せっかく書いたものを無駄にはしたくないのが本音。でも、この11本が日の目を見ない危機が訪れようとしている。もっともパチンコ日報の読者は、元々カジノ関連ネタは関心が薄いのだが…。

あれだけ日本進出に食指を動かしていた海外のオペレーターは、世界を襲うコロナ禍で客足が遠のき、本体が大赤字で新たな投資どころではない。お隣、韓国のカジノは大半が外国人専用なので、海外からの観光客が来ない現状では開店休業状態が続いている。これはラスベガスとて同じことだ。

シンクタンク関係者がカジノ推進派議員の話として、こう打ち明ける。

「今は海外カジノオペレーターからの接触はゼロ。このままコロナが長引けば全部撤退するのではないかと思っている節もありますね。日本人にもカジノにおカネを落としてもらわなければならない。日本経済が落ち込んでいて、果たして利益が上げられるのか。世界的に経済情勢が変わる中で、日本の条件が悪い。高い納付金と税金がネックになり、日本に進出することにうま味がない。それなら投資先を成長が望める東南アジアで、中国に近い国へ変更した方がいい。例えばインドネシアとか。本命と言われる大阪も危ない。東京に比べるとやはり商圏が小さい。今、日本に前のめりになっているオペレーターはいない」

IR誘致に積極的な横浜市だが、その是非を問う住民投票の実施を求めている市民らの団体は11月4日、住民投票の請求に必要な6万人を大幅に上回る、およそ15万6000人の署名が集まったことを明らかにした。

市民団体は13日に、署名を選挙管理委員会に提出して、必要数に達していると確認されれば、年明けにも市長が住民投票を行うための条例案を市議会に提出することになる。

横浜市の林文子市長は、IR誘致を推進する立場を変えていないが、その一方で、仮に住民投票が行われれば、結果を尊重するという考えを示している。

コロナ禍によって経済成長戦略の国策として推し進められてきたIRに対しても、黄色信号が点り始めている。

そして、IRが宙に浮いたままで、ギャンブル依存対策だけが粛々と進められることになるのだろうか?




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