パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

甘く使えないジレンマ


遊技人口が3000万人いた時は4パチ、20スロしかなかった時代である。今の1000万人前後の遊技人口と低貸し主体の営業に当て嵌めると業界は“1/6”に下がったと見方がある。

そのA級戦犯は等価交換であることは何度も指摘してきた通りである。

AKBが初めてパチンコ業界にリリースされた2012年、京楽は大切に使う誓約書までホールにお願いした。甘いスペックをさらに甘く使うことで、これまでパチンコをしたことのない新規ユーザーを開拓する狙いがあったからだ。

ところが、メーカーの願いも虚しく粗利を取る方に走ったホールも少なくなかった。等価交換が主流になってからは薄利多売の概念そのものがなくなっていた。

等価になってからは人気のある機種も不人気機種も同じ割で営業するホールも少なくない。40玉交換時代は不人気機種は割を上げて客を付かせようと努力したが、等価営業しか知らない現場責任者はそんな考えも思いつかない。

高設定を入れて“爆発”でもするとそれこそオーナーから大目玉を喰らうので、高設定を入れられない現場責任者が多い。

オーナーも世代交代で等価営業と共に、稼働重視から粗利重視にシフトして行った。

「ホールさんには色々営業方法についても提案させていただきました。お客さんが飛ぶギリギリのラインとか。でも粗利重視だから何を提案してもダメですね。等価が合った時代もあったが、今はずれている。ホール経営そのものがおかしくなっている」と匙を投げるのはメーカーの営業マンだ。

それでもメーカーは若者をパチンコに振り向かせる開発も怠らない。

「若者受けする版権は、実機に至らなくても毎年版権料は支払っています。今は若者が絶対打ちたくなる版権の機械を開発中です」

その一方で、カジノオペレーターからは遊技機メーカーに対して、パチンコ・パチスロ客が打ちたくなるカジノ用パチンコ、スロットの依頼も来ているとかいないとか。

パチンコ業界に対しては若年層開拓の遊技機、カジノ業界に対しては、パチンコ・パチスロ客を引き込むマシン開発。どっちに転んでもメーカーにかかっているわけだが、パチンコ業界向けには若年層の開拓用の版権を使って波の荒くない機械を開発しようとしているが、AKBの二の舞にならないように。それはホールにかかっている。



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遊技中に失禁した認知症のお客さん


高齢化社会と認知症問題は切っても切り離せない。一昔までは高齢者が自動車免許を持っていることが少なかったので、表立つことはなかったが、頻発するお年寄りが運転する自動車事故は、アクセルとブレーキの踏み間違いによるケースが多く、自動車メーカー各社はその対策車を発売している。

高齢者依存のパチンコ業界もこの認知症問題は身近な出来事になっている。以前のエントリーで認知症のお客さんが自分の打っていた台が分からなくなって、他人の台を打っていた、という事例を取り上げたことがある。

栃木県のホールでもこれと同じことが起こった。農家の仕事は息子さんに任せている80代のおじいちゃんは、昔から毎日のように来る常連さんだ。今でも軽トラを自分で運転してホールに来て1パチを打っている。

客が最初におじいちゃんの異変に気付いた。トイレへ行くのに席を立ち、戻ってきたら自分が打っていた台を忘れ、店内をウロウロすることが増えた。そのことを店長に伝えると、店長は家族に異変を知らせた。

その一件があって、毎日来ていたおじいちゃんが姿を見せなくなった。

2カ月ほど経っておじいちゃんがひょっこりと現れた。息子さんの奥さんを伴って。

奥さんはこの間の事情を店長に話した。

家族も認知症を疑っていて、店長から電話をもらって病院へ連れて行く決心がついた。診察の結果は初期の認知症だった。

医者に大好きなパチンコをさせるべきかどうかを相談した。

医者は「頭の活性化には色々な刺激があった方がいい。家に閉じこもる方が進行も進む。デイサービスでもパチンコやカジノで脳の刺激をしているので行かせなさい」とホール通いを勧めた。

そんな事情で連れてきたが、「ホールで迷惑でなければ遊ばせて欲しい」というお願いだった。

店長はそのお願いを快諾したのは言うまでもない。

軽トラの運転は認知症では危ないので、カギを隠して、奥さんが送り迎えをすることにした。

こうして、再びおじいちゃんはホールに通うようになったが、認知症の進行は続く。1年後、おじいちゃんは自分で軽トラを運転していると思い込んでいるので、帰るときに駐車場で自分の軽トラを探すようになった。

この程度ならさほどの迷惑ではなかったが、遊技中に失禁して布地の椅子までが濡れてしまった。椅子をそっくり替えることにした。

家族はおじいちゃんにオムツを履かせようとするが嫌がるらしい。ホールでも大人用オムツを用意しなければならないか、と思い始めている。

遊技中にお年寄りが倒れて救急車を呼ぶことは珍しいことでもないが、こんな光景はどこのホールでも起きうる。着替えの用意も必要になる時代になって行く。


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山形のホール事情


東北・山形のホールでの出来事。

台数は300台以下の小型店舗は稼働低迷にあえいでいる。稼働のない暇な店になったので、人件費を削減するために、アルバイトの整理を決行することになった。

白羽の矢が立ったのはA君だった。新しい仕事も地元ではそうそう見つからないので、A君は「最低賃金以下でもいいから働かせてください」と上司にお願いした。

最低賃金以下で働かせることは労働基準法違反にもなる。ましてや風俗営業で縛られている業種で法律違反を犯すと営業停止にもなりかねない。

上司は「そんなことはできない」と申し出を断った。

どうしても働きたいA君の熱意にほだされて、折衷案として「週2日勤務でどうか?」ということになった。

「それでもいいので働かせてください」

A君は残りの日をコンビニや運転代行などで働き始めた。昔は運転代行は一種免許でも大丈夫だったが、2004年からタクシーのように2種免許が義務付けられたので、それも取得した。

やがて運転代行が忙しくなったので、それ1本でやることになり、ホールのアルバイトも辞めた。

酒を飲んだ客の車で自宅まで送り届ける車内で出てくる会話は女、バクチ、パチンコなどが相場だった。

A君が代行運転の会社の社長から聞いた話では、昔はホールの駐車場に行くことが多かった、という。

理由はパチンコで勝って、そのおカネで飲み屋に繰り出すケースが多かった、という。4パチで大きく勝てば気が大きくなって飲みに行く、というパターンである。

ところが、最近はホールの駐車場へ向かうことはほとんどなくなったようだ。お客さんが1パチにシフトしてしまったために、大勝ちすることもなく、代行を使ってまで飲みに行くことがなくなったことが原因のようだ。

話は同ホールの常連客のことに替わる。

山形と言えばサクランボが有名だが、常連客のBさん(35)はサクランボ農家の二代目だ。サクランボのシーズンに負けが込むと親に内緒で一箱6000~7000円もする佐藤錦を街道で観光客相手に2000円で販売して、それを軍資金にパチンコをしに来る。

では、サクランボのシーズン以外はどうやって軍資金を作るか?

レンタルビデオ店でアダルトビデオを借りては、コピーガードを外してハードディスクに溜め込み、アダルトビデオの海賊版をせっせと作っている。

それをDVDに焼き直して、飲み屋に10枚1000円で卸している。店はそれを倍の2000円で常連客に販売した。近くにレンタルビデオ店がないために、結構売れたようだが、今はネットで無料裏動画が観られるサイトがあるので、需要はなくなったようだ。

そして、サクランボシーズンは4パチ、オフシーズンは1パチを打つようになったとさ。



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業界復活のキーワードは「パチンコがカッコいい」


パチンコメーカーに基板関係の電子部品を納入しているメーカーの関係者が、地元の同級生が集まった飲み会で、パチンコ業界の話を始めた。

「昔はパチンコメーカー担当の営業はウチでは花形だった。今は売り上げはピーク時の半分にまで落ち込んでいる。買ってくれる量が減っているにも関わらず、『もっと安くしてくれ』と無理な注文を言ってくる。冗談で『部品止めてやろうか』という話になったけど、他でも手当てできる部品なのでそれはできないけど…」

財務部ではシンクタンクからパチンコ業界のレポートを買っている。それによると業界天気予報は「雨」。

業界内では業績が落ち込む理由を「等価交換」、「機械代高騰」、「出玉規制」などを挙げるが、レポートの分析では、ユーザー視点から「パチンコはダサい」ということを指摘している。特に若年層ほどその傾向が強く、カッコいいと思う要素がない。だからパチンコには興味を示さない。

ケータイの流行を見れば参考になる。

ケータイが普及し始めた90年初頭はストレートタイプの機種が主流だったが、99年にNECが二つ折りのNシリーズを発売すると、それがカッコいいとなり爆発的に売れた。2000年代に入ると各社が二つ折りを発売し、あっと言う間にケータイ市場を二つ折りが席巻した。

2007年に発売されたiPhoneをきっかけに時代はスマホ時代に突入。次はiPhoneを持つことがカッコいいとなり、二つ折りケータイはガラケーとも呼ばれ、持つことがカッコ悪くなった。日本人は特にiPhoneを持つことがカッコいい、と思う人が多いのでスマホのシェア率は66%がiPhoneという異常な高さを誇っている。



初期のアンドロイドは性能が劣る中、iPhoneのほうが優れていることもあり、周りがiPhoneを持つようになると、同じものを持ちたがる日本人の特性がiPhone大国へと押し上げていった。

ケータイ市場はストレートタイプ→二つ折り→スマホと進化しているのに、パチンコ業界はフィーバーの登場から40年近くも進化が止まっている。

「業界が儲かっている頃は建物の豪華さや奇抜なデザインを競ったが、建物で集客できる時代ではない。パチンコをやること自体がカッコいいと思われるようにしなければならない。パチンコ復活のキーワードは『カッコいい』。ガラケーからiPhoneのような変化がないと若者には支持されない。今のパチンコ業界は巣鴨の赤いパンツを売るマルジのような商売をしている。年寄り相手の商売から脱却しなければ、若者は寄り付かない」とはこの飲み会に参加していた業界関係者の感想。

さらに飲み会の参加者から「パチンコをやりたくてもおカネがない」というのが一致した意見。この20年間以上、デフレと共にサラリーマンの給料は上がっていない。

「今のパチンコが勝てる、勝てないの前に先立つものがない。1パチでも1000円取り戻すのも大変。1パチで負けても飲み代を我慢しなければなくなる」

サラリーマンの少ない小遣いで、そりゃ、おカネのかかるパチンコは打ちたくても打てない。それが2000万人がパチンコホールから消えた理由だろう。

パチンコ復活のキーワードは「パチンコがカッコいい」。業界はこれをどう料理するかだが、案外パチンコとは門外漢のところから新しい発想は生まれるものだ。



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パチンコ業界と似ているジーンズ業界に学ぶこと


衰退、縮小しているのは何もパチンコ業界だけではない。意外なことにジーンズ業界が若者のジーンズ離れに危機感を募らせているが、これがパチンコ業界の状況と非常に似ている。

日本ジーンズ協議会によると、2000年頃は年間約7500万本で推移していたが2010年には約4500万本まで落ち込んでいる。

日本ジーンズ協議会のメンバーはエドウィン、リーバイス、ビッグジョン、リーなどの1万円以下を扱うメーカー。低価格・高品質をウリにするユニクロや無印良品は加盟していないので、これらの会社の数字は含まれていない。

つまり、この落ち込みはそのまま非加盟のユニクロなどの台頭を意味する数字と思われる。

協議会のメンバーが4パチとすれば、ユニクロ、無印良品はさしずめ1パチといえる。1パチが4パチを駆逐するように、7000円前後のジーンズを販売する協議会メンバーは、半額のユニクロに苦戦を強いられている。

それでも全体的にみるとジーンズの生産量は減少傾向に歯止めがかからない。一番の理由は洋服に最もおカネをかける若い女性がジーンズを履かなくなったことが挙げられる。

消費をリードする若い女性にそっぽを向かれると業界的にはキツイ。オヤジギャルという言葉が流行った90年代は、仕事帰りにホールに立ち寄るOLの姿もあった。そのために、パチンコ屋らしくないお洒落な店舗を競って作った。高松伸、若林広幸ら一流建築家がホールの設計を手掛け、デート用にカップルシートを設けるホールが登場したのもその頃だ。

では、ジーンズ業界はこの難局をどう乗り越えようとしているのか? 

それはIT業界を中心とした服装のカジュアル化に活路を見出そうとしている。アップルの創業者のスティーブ・ジョブズは新製品の発表会はいつもジーンズで登場した。この影響を日本のIT関係社長で受けた筆頭格がホリエモンだった。オフィシャルな場所でもTシャツにジーンズスタイルを押し通した。カジュアルな服装のほうが自由な発想が生まれる、というのが科学的にも証明されているからだ。

「EDWIN」を保有している伊藤忠商事は、2017年からジーンズ着用など服装規定を改定して「脱・スーツデー」と定め、現在は火曜日から金曜日の週4日はジーンズ着用がOKとなっている。ジーンズにジャケットスタイルならビジネスシーンでも違和感はない。

オフィスでのジーンズ着用が一般の会社にも広まれば、ジーンズが売れる。活路をオフィスに求めようとしている。

こうした考えをパチンコ業界がどう料理するかが、復活のカギとなる。パチンコ業界が活路を求めるのは、スマホゲームの若者をどう取り込むかにかかっているともいえる。



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