パチンコ日報

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規則改正でも粗利が変わらず、ユーザーの消費金額が下がれば、来店動機のチャンス


今回の出玉規制強化の一つに、従来パチンコとパチスロでは1日営業に相当するパチンコの10時間試験とパチスロの6000ゲーム試験で差があった出玉性能が是正されたことが挙げられる。

旧規則ではパチンコの10時間試験で出玉の上限は打ち玉に対して2倍までだった。
・遊技機規則別表第四(1)ロ(ニ)
「遊技機の試射試験を十時間行った場合において、獲得する遊技球の総数が発射させた遊技球の総数の二分の一を超え、かつ、二倍に満たないものであること」 

 一方のパチスロは6000ゲームでは、1.5倍までだった。
・遊技機規則別表第五(1)ロ(ト)
「設定ごと及び規定数ごとに、(ホ)規定する試験を六千回行った場合において、獲得する遊技メダル等の総数が、投入した遊技メダル等の総数の一・五倍に満たないものであること」
 
同じ1日営業試験で出玉の上限がパチンコは2倍だったのに対して、パチスロは1.5倍だった。この差があったこと自体がおかしな話だ。これを新規則ではパチンコの上限が133%、パチスロが126%、とする他、パチンコでは新たに中時間試験(4時間)が設けられ、出玉上限が150%、パチスロは1600ゲームでの出玉上限が150%と同等になった。

従来からあった1時間試験でもパチンコ、パチスロの上限が旧規則では、それぞれ300%だったものが、新規則ではいずれも220%に抑えられた。

一方、中時間試験の新規則ではパチンコ、パチスロ共に従来はなかった下限40%が加わり、消費金額が抑えられることが最大の特徴でもある。業界の関心事は出玉規制ばかりに目が向けられがちだが、ユーザーにとっては遊びやすくなることは見逃せない。
 
中時間試験での消費金額はどのように変化するかを試算すると次のようになる。
■パチンコ4時間試験下限40%
4時間打ち込み24000玉×0.4=9600玉
24000-9600=差玉14400
14400玉×4円=57600円

旧基準下限なし
24000玉×4円=96000円

■パチスロ1600ゲーム試験下限40%
4時間打ち込み4800枚×0.4=1920枚
4800-1920=差玉2880
2880枚×20円=57600円

旧基準下限なし
4800枚×20円=96000円

つまり、旧規則では4時間打って一回も大当たりしなければ計算上は96000円負けることもあるが、新規則では57600円以上は負けないということだ。つまり、ユーザーの消費金額は従来の6割程度に抑えられることになる。
 
分かりやすい数字で説明すると、1万円かかっていたものが、6000円程度で遊べるというイメージだ。これは店側にすると玉単価、コイン単価共に下がることになる。従来と同じ売り上げに持っていくためには、今よりも30~40%お客さんを増やさなければならないことになる。それでなくても、右肩下がりで遊技人口が減少している時に、今以上にお客を増やすことは無理と思われがちだが、見方を変えるとそうでもない。
 
「今、遊技人口が減っている原因は、消費金額が大きくなったことが挙げられます。消費金額が下がる分、参加しやすくなる。これをいかにアピールして遊技客を戻すか。消費金額が下がることを業界挙げてアピールすることです」(パチスロメーカー関係者)

次にパチンコ、パチスロの出玉性能を金額換算で、新旧比較すると次のようになる。

パチンコ
■長時間(10時間試験上限)
旧規則上限200%
100×60×10=60000玉
60000玉×2=120000玉
120000-60000=差玉60000
60000×4円=240000円

新規則上限133%
60000玉×1.33=79800玉
79800-60000=差玉19800
19800玉×4円=79200円

■中時間(4時間)
旧規則上限なし
100×60×4=24000玉
24000×4円=96000円

新規則150%
24000玉×1.5=36000玉
36000玉-24000玉=差玉12000
12000玉×4円=48000円

■短時間(1時間)
旧規則上限300%
100×60=6000玉
6000×3=18000玉
18000玉-6000玉=差玉12000
12000玉×4円=48000円

新規則上限220%
6000×2.2=13200玉
13200玉-6000玉=差玉7200
7200玉×4円=28800円

パチスロ
■長時間(17500ゲーム上限)
旧規則120%
175000ゲーム×3枚=イン枚数52500枚
52500枚×1.2=63000枚
63000-52500=差枚数10500
10500枚×20円=210000円

新規則115%
52500枚×1.15=60375枚
60375枚-52500枚=差枚数7875
7875×20円=157500円

■中時間(6000ゲーム)
旧規則150%
6000×3=18000枚
18000×1.5=27000枚
27000-18000=差枚数9000枚
9000枚×20円=180000円

新規則126%
18000×1.26=22680枚
22680枚-18000枚=差枚数4680枚
4680枚×20円=93600円

■短中時間(1600ゲーム)
旧基準上限なし
1600×3=4800枚
4800枚×20円=96000円

新基準150%
4800×1.5=7200枚
7200-4800=差枚数2400
2400×20円=48000円

■短時間(400ゲーム)
旧規則300%
400×3枚=1200枚
1200×3=3600
3600枚-1200枚=差枚数2400枚
2400枚×20円=48000円

新基準220%
1200×2.2=2640枚
2640枚-1200枚=差枚数1440
1440枚×20円=28800円

金額換算では、長時間試験では約3割、短・中時間では5~6割ダウンの出玉性能となっている。ホールが恐れるのは出玉性能ダウンによる客離れ、売り上げダウンだろう。
 
しかし、出玉性能が落ちるということは、景品出庫額も下がるということで、売り上げが下がっても景品出庫額が下がれば残る粗利は変わらないということだ。
 
ざっくりとしたイメージだが、例えば、旧規則で1日の売り上げが1100万円に対して景品出庫額が1000万円とすれば粗利は100万円だ。
 
新規則になって売り上げが800万円に下がったとして、景品出庫額が700万円であれば、粗利は同じ100万円だ。
 
粗利が同じであれば規則改正を恐れるのではなく、ユーザーの消費金額が下がり、来店動機のチャンスとして捉えるべきだろう。


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パチンコ税大賛成の意味


訪日外国人旅行者らから税金を徴収する「出国税」構想が浮上している。安倍政権が掲げる「観光立国」実現に必要な財源を確保する狙いがある。徴収した税金は海外での観光プロモーションなどに充てる計画で、観光庁が検討を進めている。

2016年は訪日外国人数が約2400万人、日本人出国者数は約1700万人で、仮に1人1000円を徴収したとすると約400億円の財源が確保できる。制度設計はこれからだが、こうした財源を海外での観光プロモーション強化や、出入国管理のシステム高度化などに使うことを想定している。

この記事を読んだ業界関係者がこう話す。

「出国税では400億円の財源にしかならない。それならパチンコ税の方が、財源的にはるかに大きい。また、この話が復活するのではないか」

パチンコ税のおさらいをしよう。

2014年2月、自民党の「時代に適した風営法を求める議員連盟」(保岡興治会長=通称風営法改正議連)が、換金するときに客から1%の「パチンコ税」を徴収して、年間2000億円の税収確保を目論む案を提出したことがある。

時代背景としては、安倍首相が打ち出した成長戦略の柱の一つとして、法人税減税問題があった。全国平均で34.62%の法人税を2015年度から段階的に引き下げ、数年間で20%台まで引き下げることで政府・与党が合意した。

日本の法人税は、外国に比べて高い。実際に、法人税の高さがネックとなり海外へ拠点を移す企業もある。それが、産業の空洞化を招く一因にもなっている。シンガポールは17%で海外の企業誘致に積極的に乗り出している。このままでは新興国にも国際競争力で負ける。

法人税の負担が軽くなれば企業には手元資金が増える。製品の価格競争も強化され、企業が元気になって、経済を活性化するのが法人税減税の狙いだ。

しかし、この法人税減税によって、経済が活性化するかは疑問視されている。日本の法人数は約250万社。そのうちの約73%(180万社)が赤字法人だ。法人税を減税しても3割弱の黒字法人にしか効果がない。

さらに、一番の問題は、減税分の財源確保ができていないことだ。1%の引き下げでも5000億円弱の減収となり、政府が目指す「数年かけて20%台」の引き下げとなれば数兆円もの穴が空く。

そこで新たな財源として、風営法改正議連が提案したのがパチンコ税だった。

パチンコ税を実施するには「換金免許制度」を創設して、店での換金を認め、店が一定割合を地方税として納付。景品交換所も公益法人として位置づけ、一定の手数料を取って、国や地方自治体が徴収する案だった。

これは基本的にパチンコの換金を正式に認めることなので、断ち切れた経緯があるが、時代は刻々と変化している。

IRカジノも2023年ごろには開業する。これを機に出玉規制を強化してパチンコを弱体化させる目論見も感じられる。それなら、いっそのこと換金合法化の道を模索すべきだろう。青天井のギャンブルはカジノで、勝っても5万円以下のミニカジノはパチンコで。いつまでも風営法の遊技といっていることに無理もある。

「パチンコ税は大いに賛成。パチンコ税を作らないと国はパチンコを守ってはくれない。体に害があると言われながら、たばこ税や酒税などの税金で守られている業界があるように、税金が安定して入る業界を国は潰さない。しっかり税金を払えば、緩和もある」(ホール経営者)

今回の風営法改正はダメージが大きい。それによって業界淘汰は一気に加速する。生き残ったホールが、パチンコ税を納めるパチンコ業法の中で仕切り直す、ということもありや、なしや、と。



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これからのホールに求められる便利さの追求


コンビニは家の近くで24時間営業していて、いつでも買えることがウリだが、本当にコンビニが便利になったのは、公共料金が振り込めるようになったり、銀行ATMが設置されたり、宅配便を受け付けてくれるようになってからだ。

人が集まるところには便利さが求められわけだが、パチンコホールも人が集まるという意味では、パチンコホールが世間から必要とされるには、これからは便利さを追求していくことが、パチンコホールが生き残る道でもある。

パチンコは娯楽産業であり、サービス産業でもある。それを踏まえて、「勝った、負けた」の世界から頭をもう少し切り替えてみる必要がある。

以前にも紹介したことがある東京都町田市の「でんかのヤマグチ」という家電販売店の経営方針に、これからのホール企業が世間から必要とされるヒントがある。

ヤマグチは地域密着営業を掲げ、地域に愛されるために生活上困っていることを何でもサポートしている。町の電気屋なのにイベントでは野菜を安く販売したり、バス旅行を開催したりしているが、ガッチリ固定客を掴んでいるからだ。

また、ヤマグチは家電を決して安売りはしない。
例えばテレビの販売価格だが同一メーカーの同一商品で以下の違いがある。

コジマ=12万7800円

ヤマダ=11万6280円

ヨドバシ=11万6000円

ヤマグチ=26万8000円

なんと価格は倍以上の差がある。しかしヤマグチは売れている。

どうして売れているのか?

この地域のお年寄りは、ヤマグチでしか買わない人が多いのだ。これが本当の地域密着の成果である。

ヤマグチの経営理念に「トンデ行きます」というのがある。お客さんから電話があれば、すぐに飛んでいくということだ。

「電球1個から配達してくれて、何でもやってくれるからトータルしたら高くはない」と常連客は話すように、お年寄りにとって痒いところに手が届くサービスをしてくれるから、価格だけでは置き換えられない。

パチンコ客は今や中高年が主流となっている。平日、昼間の図書館は定年退職して暇を潰している高齢者で一杯だ。そういう人たちの受け皿になることもパチンコホールの使命だろう。そのためにも少ない年金でも通える経営をしなければいけない。

それ以上に、パチンコ以外でパチンコ客に役立つサービスをすることが、これからのホールがやらなければならないことだ。

パチンコホールへ行くと「便利」。これがキーワードだ。60歳以上の顧客を対象にバス旅行を実施しているホールもある。格安で野菜を販売しているホールもある。

コンビニのようにホールにしかできない「便利」を提供できるようになれば、ホールの存在意義もぐっと増す。



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本部の指示通りに動くことがローコスト経営の道?


ホームグラウンドで打っていると「元店長さんですか?」と声を掛けられた、という。

昔からの日報の読者なら元店長のホームグラウンドが分かれば、比較的見つけやすい。ヒントはオロナミンCの白いキャップである。

声を掛けてきた人もそのホールをホームグラウンドにしていて、オロCキャップの人を見かけたらいつか、声を掛けようと思っていた、という。

話し掛けてきた人は、6年前に業界から離れたホール店長だった。

36歳で店長に就任、6年間の店長経験をした後、業界を離れ今は親せきが経営する飲食店で店長として働いている。

前職を止めた理由は「給料に不満はなかったが、上のエリア長になっても仕事が面白くない」ことを挙げている。エリア長に上がれるタイミングで辞めている。

転職する場合、給料が前職より下がるのが一般的だ。当然給料は下がっているが、家族サービスできる時間が増えたことの方に満足している。

「1パチが主体になっている現状を考えると、これから業界は大きく飛躍することはありません。むしろ、高騰する機械代の手当てが大変になるばかりです。機械代を抑えるにはグループ化してそこで機械を回すことも必要になってきます。1円で稼働を上げるためには閉めてはいけません。業績を伸ばす考えよりも、現状維持がやっとでしょう」

パチンコ業界を離れた本当の理由は、業界に骨を埋める決心ができていなかったからだ。エリア長になっても仕事が面白くないから、と言っていたが、店長の仕事も面白味がなかった、という。

「本部の指示通りに動くのが店長の仕事でした。1円、4円のスタートもロケーションによって決まっていました。だから、自分がやった、という達成感がないんです。店長の仕事はおカネと施設と人の管理です。本部の指示通りにできる人間がいればいいわけです」

仕事の達成感がないというが、実はここが、ローコスト経営ができる肝でもある。

昔から同業他社の研究も行っていたが、あるホールの社訓ともなっている「利益を減らしても客は飛ばすな」を忠実に守っている。
稼働重視がいかに重要であるかを今各ホールは感じ取っているはずだ。稼働のない中で利益を取ってしまうことが、現状の客離れを招いている。そんなことは分かっていても、支払いは待ってくれない。

ホール組合の総会でスローガンとして「高コスト体質からの脱却」を念仏のように掲げているが、本当に脱却したいのか、と思ってしまう。1パチが主流になって久しいのに、スローガンだけで終わっているから業界は縮小の一途を辿る。



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全館禁煙パチンコ専門で再スタートしたプローバの挑戦 後編


1年かけての再オープンプロジェクトがスタートする。中野社長が総責任者に任命したのは橋本店長だった。通常、新店計画は営業部・店舗開発が担当していたが、今回は敢えて現場を一番よく知っている橋本店長をトップに立て、その下に部長や課長が補佐する形でプロジェクトが進んだ。

「3年前に異動で呉に来た時、店の閉店は既定路線でした。それで、それまでの延命措置を講じてきました。椅子は背もたれもないぐらい古くて硬い椅子でしたが、これをうちのチェーン店で外した背もたれのある椅子に替えたりしました。それだけのことでも喜ばれましたが、スタッフとお客様の距離がものすごく近いことに気づき、延命よりも建て替えを考えるようになっていました」(橋本店長)

橋本店長は1年目で数字を作れる組織を作り、2年目で結果を出し、3年目で行動に移す計画を立てていた。実際、2年目で売上、粗利、販管費の部門で表彰されるまでになった。3年目で行動に移そうとした矢先に天井崩落事故が起きたため、急きょ建替えの提案書を提出した。

「従来はこれだけの粗利が欲しいから、これだけの投資をする。そのためにはどれだけの規模にするか、どれだけの売り上げにするか。短期でどう回収するかばかりを考えていました。その考え方では主役のお客様が抜けていることに気づきました」(中野社長)

パチンコ業界全体に自社の利益を最優先する考え方が蔓延しているといっても過言ではない。売り上げを求めるばかりに、高射幸性の遊技機を大量導入しては、お客の懐を疲弊させて来た。主役のお客が置き去りにされている。

中野社長が橋本店長に求めたのは具体的な客層だった。誰に何を売るのか? 従来の不特定多数ではなく、客層を限定する考え方を求めた。

橋本店長が出した結論は「高齢者の女性が喜び、過ごしやすい店」だった。健康にも気を使っている人たちに長く過ごしてもらうためには、全館禁煙とした。高齢者や障害者にも対応できるように社員は、ユニバーサルマナー検定2級の実践研修を受講した。若者はターゲットにしていないのでパチスロは併設せずに、パチンコ専門店とした。

総台数は248台。貸し玉料金は4円、1円、025円。損益分岐は従来の11割営業から14割営業へ転向。パチスロがないために一物一価の壁もなくスムーズに移行できた。

低射幸性営業に舵を切るに際し、コストの見直しも徹底的に図った。従来は台当たり200万円かかっていた建築コストを半分の100万円まで下げた。直接目に触れることもない各台計数機などは中古品を導入してコストダウンを図った。反面、椅子は業界初の低反発シートを採用。お年寄りが長時間座っても疲れない。




7月1日、「プローバ呉店」としてグランドオープンした。待ちに待った1年以上の再オープンにお客さんの方から「あんた元気にしとったん?」と従業員にハグする光景があちこちで見られた。

低射幸性時代に合わせて回収は通常の倍以上の長期に変更した。お年寄り相手に無理な営業はご法度だ。同社では損益分岐点を押し上げる機械代については、2013年から機械代は粗利の20%までと決めている。

パチンコ業界初の高齢者をターゲットにしたプローバ呉店は、高齢化が進む地方での一つの形ともいえる。パチンコは短期で回収できて大儲けできる商売という時代はとっくの昔に終わっている。オーナーは大儲けした時代が忘れられないが、オーナーの考え方を改めることが低射幸性時代のホール経営の第一歩と言える。


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