「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2024」は、遊技者の声を詳細に集めた一冊である。
この調査では一般の4万人以上を対象にWEBアンケートを実施し、その中からパチンコ・パチスロ経験者1500人を抽出して調査を行っている。これにより、より現実に近い遊技者の声を反映している。
この調査によると、「年1回以上」の遊技参加者の推計人口は約842万人で、前年と比較し上昇した。一般的な資料ではここで終わることが多いが、このプレイヤー調査では、年代別の内訳も明らかにしている。20代の参加者が増加し、60代以上の参加者が減少していることが分かり、客層の変化が見えてくる。また、パチンコよりもパチスロが遊技人口を押し上げることに貢献していることも数値で示されている。
パチンコとパチスロの遊技者の店舗選びの傾向には例年大きな変化はなく、遊技者の9割以上は3店舗までしか訪れない。しかも今回の調査では1店舗のみの遊技者がパチンコ42.6%、パチスロ39.0%と前年比からそれぞれ +7.4%、+6.6%上昇しており、店舗固定化の流れが強まっているように見受けられる。このように、ある店舗に固定客が増えることで「儲かっている店と儲かっていない店」の区分が明確になっている。
利用店舗数の構成パチンコ

利用店舗数の構成パチスロ

>出典:パチンコ・パチスロプレイヤー調査2024
また、4店舗以上を訪れる流動客(イベント中心)の割合は6%前後と少数派にも関わらず、そこに予算を投じるホールが少なくない。イベント集客が業績向上に繋がっているかどうか、費用対効果には疑問が残る。
さらに、パチンコ・パチスロ遊技者の喫煙率は2024年の一般成人の喫煙率19%に対して、約59%と非常に高い数値を示している。
街中で喫煙できる場所が減る中で、パチンコ店は気兼ねなく喫煙できるアドバンテージを持っている。しかし、非喫煙者にとっても快適な環境を提供するためには、完全分煙のアピールが必要である。喫煙・非喫煙遊技者の双方にとって快適な環境を整えることで、非喫煙者が離れていくリスクを減少させることができる。
また、娯楽産業に関するイメージ調査によると、非遊技者がパチンコ・パチスロに対する印象は非常に低いものとなっている。宝くじが48%、競馬が21%、麻雀が14%の好印象に対して、パチンコ・パチスロはわずか4.3%に留まっている。これを逆に見れば、100人中96人はパチンコ・パチスロに対して悪いイメージを持っているということだ。
データ上、ホールは台粗3000円、8割還元で営業しているが、それが伝わらず、お金がかかりすぎるイメージが強いことが影響していると思われる。業界のイメージアップが喫緊の課題であることは明白である。
遊技機データから未来を見通すことは難しいが、遊技者の声を反映した「パチンコ・パチスロプレイヤー調査2024」からは未来を予測し、営業企画を立てるためのエビデンスを得ることができる。この調査を活用することで、業界全体の改善と発展の一助にもなる。
この調査結果を毎年購入しているホールは、遊技者の声を営業に取り入れながら攻めの営業を展開しているようだ。
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