そんなある日、彼はアメリカの郊外にあるショッピングモールを訪れた。そして、そこで目を疑うような光景を目の当たりにする。それは、日本ではお馴染みのアミューズメント施設「ラウンドワン」の看板だった。
ラウンドワンは日本ではすでに成熟期を迎えた総合アミューズメント施設だが、ここアメリカでは驚くほどの賑わいを見せていた。店内に入ると、ボーリング場には順番待ちの客が溢れ、ゲームコーナーでは多くの若者がクレーンゲームに熱中していた。カラオケルームでは楽しそうに歌うグループが見受けられ、パーティールームでは子供たちの誕生日会が盛大に開かれていた。
特にアメリカ人はパーティー文化が根付いており、子供の誕生日や友人との集まりを大切にする傾向がある。ラウンドワンはそんな彼らのニーズにぴったりと合致し、ワンストップで遊び尽くせる施設として人気を博していたのだ。
さらに、ラウンドワンのフードエリアでは、すべてカウンターオーダー方式が採用されており、チップを支払う必要がない。これは、特に若者にとって大きな魅力となっていた。近年のアメリカでは食事代の高騰に伴い、ウェイターやウェイトレスに支払うチップが20%近くに達することも珍しくない。そうした中で、チップ不要のラウンドワンは、学生やデート中のカップルにも嬉しい存在となっている。
ゲーセンでは、日本と同様にクレーンゲームが大人気だ。景品として並んでいるのは、日本のアニメキャラクターのぬいぐるみやフィギュア。近年、アメリカでも日本のアニメの人気が高まっており、それに伴いアニメ関連グッズの需要も急増している。
そんな光景を目にしたAさんは、ある確信を抱いた。
「ここにパチンコ台を設置すれば、間違いなく流行るのではないか?」
彼の考えはこうだ。現在のラウンドワンの客層を見ると、日本のアニメに興味を持っている人が多い。日本のアニメとタイアップしたパチンコ台を設置すれば、彼らの興味を引くことができるのではないか。また、アメリカではギャンブルに対する規制が州によって異なるが、ゲーセン内のパチンコであれば、換金を伴わないので合法的に運営できる。
日本のパチンコ店に行ったことがない外国人にとって、パチンコはどのようなゲームなのか理解しにくい。しかし、ラウンドワンのゲームコーナーに試験的にパチンコを導入し、ゲームとしてプレイすることで、自然とその魅力を知ってもらえるはずだ。
そして、彼らが日本へ旅行する際に、「本場のパチンコを体験してみたい!」と思うかも知れない。
実際に、日本のゲーセンの機種が海外で受け入れられる例は増えてきている。例えば、クレーンゲームやメダルゲームなどは、アメリカでも多くのアーケードに導入され、人気を博している。特にクレーンゲームの景品に日本のアニメキャラクターが使われていることから、パチンコも同じように、日本のコンテンツと組み合わせることで受け入れられる可能性が高い。
Aさんは、ラウンドワンの盛況ぶりを目の当たりにして、パチンコの海外進出の可能性を強く感じた。日本のアニメと融合したパチンコ台がアメリカの若者に受け入れられれば、日本のパチンコ文化が世界へと広がる日もそう遠くないのかも知れない。

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