一般的なスーパーは物流やレジ運営などを外部に委託することで効率化を図っているが、トライアルはこれに逆行し、多くの業務を内製化している。管理を自社で行うことで、外部委託費を削減しつつ、効率的な管理を実現している。
多くのスーパーが人件費削減のために営業時間を短縮する中、トライアルは24時間営業を維持している。その背景には、独自開発の「スマートカート」の導入がある。このカートはレジ機能を搭載しており、顧客が商品を選びながらその場で計算できる。その結果、レジスタッフの人数を抑え、人件費を20%削減することに成功している。この効率化が、24時間営業の維持を可能にし、真夜中でも買い物をしたい顧客のニーズに応える強みとなっている。
さらに驚かされるのは過疎地への出店だ。都市部の様にライバルとの激しい競争にさらされることもなく、過疎地ではトライアルが唯一の総合スーパーとなり得ると共に、それは地域の生活基盤を支える社会貢献でもあり、企業イメージのアップにもつながる。

また、過疎地では土地の取得や建物の賃料が都市部に比べて安いため、初期投資が抑えられるというメリットがある。
過疎地出店戦略は、物価高や人口減少の中でも収益性を維持する新しいビジネスモデルとして注目される。
この逆張り戦略をパチンコ業界に置き換えた場合、等価交換が主流となった現状において、低価交換が新たな可能性を示すことができるかも知れない。
現在、多くのホーは等価交換を採用している。低価格交換では、スロット営業で設定を入れ、パチンコ営業ではストレスを与えない千円スタートを提供することができる。
等価交換に慣れたユーザーは、低価交換は換金した時に少しがっかりするかも知れないが、その分、勝ち体験を増やすことができる。ユーザーが「勝った」ということを実感することで、集客力を高める効果が期待できる。
では、低価格交換を活用した店舗が成功するには、どのような工夫が必要だろうか。一つは、明確な差別化ポイントを打ち出すことだ。例えば、「○○店は出玉がすごい」という口コミを根拠に、大量出玉をアピールする戦略広告を展開する。得られるポイントを活用した特典や、地元商店と提携したオリジナルの景品導入も考えられる。
これにより、ただ「玉を交換するだけ」の遊技ではなく、地域に密着した景品を提供する店舗として価値を高めることができる。
逆張り戦略にはリスクも伴うが、それを成功に導く鍵は、他店が無視している潜在的ニーズを掘り起こすことだ。トライアルが「安くて便利」というニーズを突いたように、低価交換を採用するホールもまた、「出玉感」や「勝ち体験」といった要素を強調することで、新たな顧客層を取り込む可能性が出てくる。
等価交換が当たり前の時代だからこそ、低価交換という選択肢が逆に考えられる。

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