パチンコ日報

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選ぶことは捨てること

前回、マーケティングとイノベーションについて少しだけお伝えしました。

マーケティングでは、既存顧客マーケティングと新規開拓マーケティングの2つを同時に実施していく必要があり、業界に不足している取組みは後者の新規開拓マーケティングになります。

今回は、既存顧客マーケティングの罠について、注意しておくべき点に触れたいと思います。

結論から申し上げると、今日のタイトルの『選ぶことは捨てること』で、企業にとって効率の良いお客様をターゲットとして選択した場合、それ以外のお客様を捨てているという厳しい認識が必要です。

美容室など、自店のターゲット顧客を35歳以上の主婦という設定をするというのは、選ぶことになり、そのお客様を対象にサービス内容を充実させていきます。

ランチェスター戦略で言えば、セグメントとターゲティングをして、そこに力を集中して競合他社よりも、対象としたお客様に差別化価値の高いサービスを提供して選ばれるという戦略になります。

この場合、当然ですが対象としたお客様には顧客満足度の高いサービスになっていきますが、同時に『それ以外のお客様は捨てている』という認識が必要で、これが既存顧客マーケティングの注意点になります。

自店は対象としていないお客様がいたとしても、美容室の規模であれば競合他社がそれらのお客様を対象にしているので、業界からお客様を捨てているということにはなりませんが、美容室であったとしても、全ての美容室が効率の良いお客様だけをターゲットとしたら、非効率なお客様を業界から離反させてしまうことになります。

パチンコ業界だけでなく、業界全体からファンが減少したケースというのは、代替産業や外部環境の変化、人口動態の変化という時代の流れも大きな影響を及ぼします。

しかし、自分たちの努力でファンの離反を防げる部分を内部環境の変化として進化しなければ、大きな外部環境の変化に対応できないのは当然です。

既存顧客の中でも効率の良いお客様だけを対象に営業して、非効率なお客様を離反させているという『選ぶことは捨てること』を真摯に受け止め、【選ぶことはしているが、離反させない】という方向性が必要です。

これは、全てのお客様をターゲットにするという白黒思考ではなく、強化するものはしっかりと選ぶが、それ以外の部分では比率を考えて離反回避の取組みを行うという、それぞれのお客様を想定してお店の営業を考えるというものです。

ターゲティングは切り口や分け方が重要で、射幸性の高さに偏れば、射幸性をそこまで求めていないお客様が好む機種が無くなっていくので、そのようなお客様は離反し、現在のように射幸性が低下すれば、射幸性の高さを嗜好したお客様も離反するという悪循環が起こります。

例えば、繰り返しコラムで書いているものとして、今のホールプロモーションは機種の複雑化に対応したものになっておらず、ライトユーザーや機種に詳しくないお客様が『分からない状態』を無視し続ければ、ヘビーユーザーや機種に詳しいお客様以外を捨てているという営業状態になります。

この場合、ターゲティングの切り口は、「機種の詳しさ&来店回数」というものになります。

『選ぶことは捨てること』で、機種に詳しくないライトユーザーのお客様を捨てないようにする取組みは、ヘビーユーザーやコアユーザーが現在好んで下さる傾向の機種を強化しながらも、同時に実践することは可能です。

『選ぶこと』しか見ていないと、捨てているということに気付けなくなり、そのお客様が支えていて下さったものをお店から無くし、離反させてしまうことになります。

現在も来店して下さる有難いお客様を『選ぶこと』で見失わないようにしないと、今後もどんどん離反は増えていきます。



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マーケティングとイノベーション

前回、年末年始の連休前施策として、マーケティングの4Pと4C視点での見直しから、ライトユーザーの方々がリピートして下さるお店への転換について触れました。

これは、『ファンを減らさない』ことと同時に、『ファンを増やす』ための取組みで、とにかくお店がこの2点を目指せる環境になっているかを見直すものです。

パチンコ業界は、既存顧客マーケティングの中で、ボリュームゾーンのお客様を中心に進んできています。

遊技機もお店の施策も、基本はボリュームゾーンのお客様に支持されることが、投資効率が良くなるので当然と言えば当然ですが、この考え方で危険なことは、ボリュームゾーン以外のお客様を結果的にはないがしろにしているというものです。

事実として、ヘビーユーザー化という表現がされますが、正しいヘビーユーザー化というのは、参加人口が減少していない状態で、ライトユーザーの遊技機に対する知識が高まるのと同時に、来店回数が増えるというものです。

現在のヘビーユーザー化は、ライトユーザーのお客様が離反して、ヘビーユーザーのお客様の比率が上がっただけの状態です。

ヘビーユーザーという言葉は人によって解釈が異なりますが、パチンコやスロットで遊ぶことを本当に好きでいてくれるコアユーザーと言ったほうが良いかもしれません。

マーケティングでは、既存顧客マーケティングと新規開拓マーケティングの2つを同時に実施していく必要がありますが、業界に不足している取組みは後者の新規開拓マーケティングになります。

新規開拓マーケティングは、異業種でも難しいもので簡単に出来るものではありません。
しかし、既存顧客を離反させずに、新規のお客様を増やしていく取組みが為されなければ、どんな商品やサービスも衰退していきます。

永谷園のお茶漬けはロングヒット商品ですが、長年の間、既存顧客マーケティングと新規開拓マーケティングを、イノベーションしながら実施しています。

今日のテーマは『マーケティングとイノベーション』ですが、この2つはドラッカーがマネジメントの中心にしているものです。

これを詳しく説明をするのはマネジメントにお任せしますが、マーケティングは新たな顧客創造で、イノベーションは新たな価値創造です。

既存の商品やサービスの価値で、それを知らない新たな顧客を増やしていく顧客創造をしながらも、常に新たな価値創造を行う自己変革で、更に新たな顧客を増やしていくという両輪です。

イノベーションは、商品やサービスを新たに開発するものと誤解されやすいのですが、同じ商品やサービスでも、別の価値となる切り口や利用方法もイノベーションです。

例えば、このコラムで繰り返し書いてきた、パチンコ1種2種のライトミドルの機種(小当り確率が甘いもの)は、機種性能としては短時間で出玉を獲得するスピードが速いのが特徴です。

「短時間出玉スピード」という切り口を、お客様視点で「短時間でも楽しめる」という表現もイノベーションの視点になります。

何がマーケティングで、何がイノベーションかという学術的なものはさておき、『既存顧客マーケティング&新規開拓マーケティング』を実践するには、『商品やサービスのイノベーション&新たな価値創造(価値提案)のイノベーション』が必要です。

商品に関してはメーカー様の努力によりますが、これは既存顧客マーケティングに偏らないようにホール様も声を上げることも、来年以降は重要なポイントだと思います。

この両輪の取組みで、既存顧客を離反させないことと、更に新規ファンを増やしていくことに挑戦していくのが、2022年2月1日以降から本格的に行う必要がある課題です。



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年3回の連休前施策

前回、マーケティングの4Pと4Cの見直しについて書きました。

物販であれば新商品や既存商品を売るために、4Pと4Cの視点で考えて施策を練ります。
ホール営業においては、“台とお客様のつながり”を作るために、今現在の施策で効果が高いものや改善する必要があるものを定期的に見直していきます。

見直すというのは、日々実施するものになりますが、大きなタイミングとしては『年3回の連休前』は欠かせないものになります。

コロナ禍から現在においては、特にコロナ休眠ユーザーの方々や、来店頻度が減って機種レパートリーが減っている方々に、4Pと4Cの視点で“台とお客様のつながり”を強化していく必要があります。

パチンコやスロットの商売の根幹は、常に“台とお客様とのつながり”にあります。
過去のファン3000万人時代から25年のうちに710万人まで減少しています。
社会的な外部環境による離反もありますが、内部環境としての離反は「好みの機種が無くなった」という理由が最大のものになります。

「好みの機種」の中身もさまざまで、射幸性が高めの機種が好きだった方々もいますが、そもそも高射幸性とは関係ない機種を遊技されていたお客様の離反が私たちにとっては大きな問題であり、解決しなければならない重要な課題です。

パチンコやスロットのファンとして離反しないようにするには、「好みの機種が探せる」「好みの機種と出会える」ということをサポートし続けるのと、新たにファンになってもらうには、『ビギナー⇒ライトユーザー⇒コアユーザー』となって頂くための取組みを店内施策として準備しておくことになります。

ちなみに、離反はビギナーの方やライトユーザーの方々が先行するのは当然のことです。

年3回の連休は、『年末年始・GW・お盆』となりますが、今年の年末年始に関しては、コロナによって休眠していたユーザーの方々や、来店回数が減少しているライトユーザーの方々が来店していくださるチャンスです。

これらの方々がお店に来た時の状況として考えられることは、「久しぶりに遊びに来たら、好きな機種が無くなっている」「知らない機種ばかりになっている」という仮説が立ちます。

このような状況のお客様が、店舗内で好みの機種と出会えることが出来れば、再度リピートして下さる機会になり、逆に「なんかよくわからなくてつまらない」という状況になれば、せっかくの来店機会が最後になり、そのまま離反してしまいます。

4Pと4Cの見直しの中でも、特に重要なことが【プロモーション】になりますが、プロモーションは、プロダクト(商品・機種)をカスタマーバリュー(顧客価値)に変換して、それをお客様に伝える手段になります。

プロモーションに対応する4Cはコミュニケーションで、コミュニケーションのゴールは「この機種、面白そう」「自分の好みに合いそう」という気持ちから「打ってみよう!」という状態で、これを目指したプロモーションになっているかを見直す必要があります。

年末年始、久しぶりのお客様が来店する機会を、リピートにつなげられるか、それとも離反させてしまうか。
今年は特に重要な年になるので、今からの見直しと準備が大切です。



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完全撤去に向けて、4Pと4Cの見直しを!

2022年1月31日の完全撤去まで、残り3か月を切りました。

この3か月で外していく機種に関しては、基本的に『ファンついていて長く使用してきた機種』となります。

再三、撤去離反という、『好きな機種が無くなり、次の好きな機種が見つからない状態を回避すること』の重要性と、撤去離反回避を行う方法についてはコラムで書いてきました。

更には、既存のお客様の離反を防ぐだけでなく、新たなファンを増やす努力についても、前回のコラムでお伝えしてきました。

残り3か月で撤去される機種で遊技されているお客様は、コアなファンの方々ですが、さまざまな機種に対して全ての人が詳しいわけではありません。

好みの機種を中心に遊技して、あまり他の機種のレパートリーが多くない方も存在しています。

過去の例だと、毎日来店しておりCR海物語3Rの時代から海ファンだったお客様が、海物語の新しいラインナップについていけなくて離反したケースがあります。

離反せずに1円パチンコを選択したお客様も多くいますが、コアなファンでも『好きな機種が見つからない』ことで、離反するキッカケが常に存在しています。

現在、最終的に撤去される残った機種を好んで遊技して下さるお客様の中で、上記のように『コアなファンだけど、新規則の機種に詳しくなく、レパートリーが少ない』というお客様に向けて、“次の好きな機種が見つけられる”為の取組みは最終段階として急務です。

店内のプロモーションの見直しと、個別のお客様が好きな機種を見つけられるスタッフさんのサポート体制を、どのような内容で実施するかが重要です。

「どのような内容で?」を考えるとき、≪マーケティングの4Pと4C≫という古典的な手法ですが、基本に戻って見直すためにはとても有効なフレームワークがあります。

私がインストラクターをしているランチェスター戦略でも、差別化とその価値を見直すときには活用しており、これは上場企業などが商品を販売するときに、今現在でも活用しているものになります。

新規則になる以前から、パチンコもスロットも多種多様なスペックと、複雑な大当りフローへと変化しています。
その中からお客様は“自分の好みに合う機種を探さなければならない”状態です。
これは、お客様にお任せして良いものではありません。

上場企業や誰もが知っている大きな会社でも、【商品を買って頂く努力】をしているわけで、パチンコ業界であれば、繰り返しになりますが『好きな機種を見つけてもらう努力』になります。

マーケティングの4Pと4Cは、ネットで検索すれば詳しく説明されているので、そちらを参照して頂きたいのですが、ホール様がどのように捉えるかをお伝えさせて頂きます。

4Pは売り手視点の『商品(製品)・価格・販売促進・流通方法』で、4Cは顧客視点の『顧客価値・顧客の負担・コミュニケーション・手に入れる利便性』となります。

これは、
機種(商品)⇒お客様にとってどんな価値があるのか?
遊技に関する投資(価格)⇒どのような価値に対して、どれくらいの投資が必要か?
店内販促(販売促進)⇒どのようなコミュニケーション方法(ツールやスタッフとの会話)で、顧客価値を伝えるのか?
好みの機種との出会い(流通方法)⇒出来る限り簡単に出会えるか?
という視点で見直していきます。

詳しく知ってもらう必要は無く、「この機種は面白そう!」「自分に合いそう!」という遊技動機の喚起を目指します。
自店の取組みは、お客様が商品とつながれるものになっているか?

参加人口減や外部環境の影響はさておき、自店のお客様を離反させない努力は日本全国、それぞれの皆様のお店での取組みになります。

残りの期間で、まずは全てのお客様が次の好みの機種を見つけてもらう。
そして、次のステップでファンを増やす取組みを行う。

是非とも、皆様のお店のお客様が、引き続きパチンコやスロットを楽しめる環境を目指して欲しいと思います。



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ファンの離反回避と新規獲得

公営ギャンブルの競馬・競輪・競艇・オートのファンが増える、もしくは減るというプロセスは、パチンコホールのファン増やファン減と基本的には同じ流れです。

これは、麻雀・将棋・囲碁・オセロ・・・・など、他の娯楽も同じです。

まず、ファンが増える流れというのは、人口の自然減とファン離反以上に、ファンが増えているという状況で、ファンが減る流れは自然減と離反よりもファンが増えていない状況です。

それぞれの娯楽を楽しむ絶対数は上記になりますが、全体売上や総客数という側面で見ると、来店回数や参加回数を掛けて判断することになります。

ファン増で一番良い流れは、ファンの絶対数が増えて、更に一人当たりの来店や参加回数が増える傾向です。

店舗型施設でこれを果たしているのが、ブームが長く続いているサウナが上げられます。
サウナ人口が増えているだけでなく、はじめは初心者だった人がサウナに行くうちに更に好きになり、徐々にサウナ利用回数が増えてライトユーザーになり、その中から更にハマってヘビーユーザーになる流れとなります。

もちろん、ブームの噂を聞いたり、友人に誘われて行っても好きになれないという人もいますが、自然減と離反を大きく上回る好循環となっています。

サウナが大好きな友人に聞いた話では、本人はブームが来る以前から大ファンでしたが、やはりブームが起こるとサウナ施設の方々も更にファンを増やすための努力をするので、初心者のお客様がハマっていくための取組みがとても進化したとのことでした。

自らの商売で、お客様に楽しんでもらい、更には人生の一部分として、継続した楽しみにしてもらうことは、サウナや公営ギャンブル、将棋などの娯楽だけでなく、パチンコやスロットも同様と言えます。

ここでパチンコ業界を考えてみると、さまざまな外的要因はありますが、根本的にお店でこれまで努力してきたものが、『ファンを増やすものになっているか?』を真摯に省みることが必要になります。

もちろん、お店だけの問題や課題だけでなく、メーカーさんの課題もあると思いますが、自分の商売であるホール営業として、『出来ていること』『出来ていないこと』『見直すこと』から考える必要があります。

サウナはブームのキッカケがあり、それが火付け役となった流れはありますが、さまざまなサウナ施設の人たちが、サウナに対する思いや、サウナを楽しむファンに対する思いを好ましい方向へ高めたからこそ、ブームが長く続いているものだと感じます。

『具体的に何をすれば?』ということは、過去のコラムにも書いてきたのですが、日本全国の日々努力をしているホールの皆様が、ファン離反回避とファン増への取組みを考え、そして挑戦していくことが、商売はサウナと異なっていても、『ビギナー⇒ライトユーザー⇒ヘビーユーザー』となるお客様が増える可能性は高まるものになっていきます。




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