彼女がスロット好きになったのは、偶然の出会いから始まった。
最初にホールへ足を踏み入れたのは、意外にも「トイレ」を借りるためだった。外出中に急に催してしまい、目に留まったのが駅前にあるパチンコ店。自分が抱いていたイメージとは異なり、外観はどこかスタイリッシュで清潔感があり、抵抗感なく中へ入ることができたという。
実際に中へ入ってみると、店舗内も清掃が行き届いており、目的だったトイレは驚くほどきれいだった。静かな音楽が流れ、空調も心地よい。まるでホテルのような空間に「パチンコ店ってこんな感じだったっけ?」と目を見張った。
用を済ませて店を出ようとしたそのとき、床にコインが2枚落ちているのを見つけた。何気なく手に取ったA子さんは、「せっかくだし1枚だけ使ってみよう」と思い立ち、空いていた台に座った。
打ち方も分からないまま、見よう見まねでレバーを叩いてみた。すると2枚目を入れてレバーを叩いた瞬間、何やら台が光り出した。隣に座っていたおじさんが「お姉ちゃん、それ当たりだよ」と声をかけてきて、なんとコインを1枚手渡し、親切にやり方を教えてくれた。
その台が「ジャグラー」だった。初心者にも分かりやすく、光れば当たり、というシンプルなゲーム性。これが、A子さんとスロットの運命的な出会いとなった。
その後も彼女はジャグラーを打つようになったが、AT機には手を出さない。理由は「演出が多すぎて何が起きているのか分からないから」。複雑な仕様よりも、シンプルで分かりやすいジャグラーが性に合った。
遊技スタイルも実に堅実。打つのは20スロコーナーが基本で、1回大当たりを引いたら、深追いせずにやめていた。そのため、大勝ちもなければ大負けもない。最初の頃は“連チャン”という概念すら知らなかったほどで、「1回当たったら満足して帰る」というスタイルだった。
ただ、後にネットで情報を調べて連チャン性や設定などを学び、最高で12連チャンしたことがある。
しかし、いまだにAT機やパチンコには手を出さない。特にパチンコは「自分のペースで打てないから苦手」と言う。1分間に100発も自動で発射される仕組みに抵抗があり、「例えば1分に60発ぐらい、自分で発射速度を調整できるなら、打ってみたい」と語る。
この素朴な意見は、スロット・パチンコに興味を持ち始めたライト層のリアルな声でもある。メーカーやホールにとっては「そんな打ち方じゃ売上が下がる」と拒絶したくなるところだろうが、こうした新規層の要望に寄り添わなければ、業界の先細りは止まらない。
たった一度のトイレ利用が、ひとりの女性をホールに導いた。きっかけは偶然でも、そこに好奇心と安心感があったからこそ、A子さんはジャグラー好きとして今もホールに通い続けているのだ。
ちなみにビギナーズラックとなったホールを場所の情報から調べてみると、居場所革命を掲げているホールだということが分かった。
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