選考委員は作家、弁護士、大学教授らで構成されていて、2012年の大賞には東京電力、市民賞にはワタミ、ありえないで賞にはゼンショーが受賞している。
2013年の大賞には、市民賞から昇格したワタミフードサービスに決定しているが、ワタミとゼンショーといえば、今や求人難で店舗を閉鎖せざるを得ない状態にまで追い込まれているのは、周知の事実だ。
ワタミの企業理念集の中に「365日24時間、死ぬまで働け」というのがある。この言葉の意味はそんな気持ちで働いて欲しい、という意味合いがあった。
ブラック企業の代表格になり、過労死などの誤解を招くからとの理由から、5月の改訂版では急きょ、これを削除した。
最近の若者はアルバイトといえどもブラック企業などの情報収集には熱心なため、ブラック企業の汚名を付けられている会社をわざわざ選択しない。
ワタミやゼンショーの影響もあってか、東京や大阪の飲食店はアルバイトを募集しても人が集まらないので、どんどん時給が上がって行っているのが実情だ。
「昔は短期で高額を稼ぎたいので、時給の高いところを選ぶ人もいましたが、今の若い人は時給では仕事を選ばない傾向があります。時給よりも働きやすさを重視しています。職場の雰囲気がよくないとアルバイトが取れなくなってきています。掲示板の発達でそこで働いている人の生の声も拾えるので、募集で表面だけを取り作ってもすぐに見抜かれています」(リクルート関係者)
募集してもなかなか人が集まらなくなると、従業員の質の低下を招いてくる。
ワタミ好きだった業界関係者はこう話す。
「最近、ワタミへ行って外れっぱなし。注文してもなかなか来ない。髪の毛が入っていても従業員が謝り方も知らない」
こんなことが二度三度と続けば、その店には行かなくなる。
以前もパチンコ業界はブラック企業が少ない、というエントリーを書いたことがある。
ホールの企業理念を集約してみるこうなる。
遊びという文化を提供して、地域の人々に活力と安らぎを与え、地域から愛され、お客さんの笑顔があふれる店作りを目指す。
この理念が実践できなければ、それは地域から見放される、ということになる。
パチンコ業界はブラック企業が少ない、という理由でいえば、パチンコホールは元々社会をドロップアウトした弱者に手を差し伸べてきた歴史があった。
一般社会では受け入れてもらえない人が、採用してもらったことで会社へ恩返しをしたい、と持っている能力を最大限に発揮することもある。
ブラック企業が少ないことに業界は自信を持つべきだろう。

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