サッカーのワールドカップも佳境を迎えた。普段はサッカーに興味のない人もテレビの前に釘付けになるぐらい、白熱した試合が展開されている。

前回のワールドカップではさほど気づかなかったが、入れ墨をしている選手が多いことに驚かされる。ファッションとはいえ、日本人選手で入れ墨をしている選手は見かけない。それこそ、入れ墨をしていようものなら、批判の嵐を受けそうだ。
芸能人では安室奈美恵が腕に子供の名前を彫っているが、批判されることはなかった。
今や入れ墨はタトゥーと呼ばれ、入れ墨を入れることに抵抗感がないことは、事実だが、一昔前は入れ墨を入れるのはヤクザぐらいだった。
日本全国を探せば、ホールスタッフでも入れ墨を入れている者はいそうだが、本当に入れ墨社員が現れた。
昨年秋に正社員となったA君は半そでの夏服になった時に、腕から入れ墨が覗くようになった。
お客さんからも怖がられ苦情が出るようになった。
A君は腕と背中一面に昇り龍の入れ墨を入れていることが分かった。店側はA君に長袖を着用するようにいったが、「暑いから」という理由で長袖を着用することを拒否した。
本人に入れ墨が悪いことをしている、という意識がまるでなかった。自信を持って入れ墨を入れたことを否定されたことを理解できなかった。
A君にすれば、眉毛に入れ墨をしている人と同じ感覚だった。
ホールの就業規則には、入れ墨禁止の項目はなかった。
ホールとしては退職してもらいたいが、就業規則にはその項目がないので、簡単に解雇できないと悩んでいる。
「まずは、ルール作りが必要になります。その規則を作ったうえでなければ、解雇はできません。まずは、ルールを作って告知すること。その上で、見えないようにしてください、と手順を踏むことが必要になります」(社労士)
入れ墨をしているだけでは、解雇理由にならないのが、最近の流れのようだが、これは、「解雇できる」と断言する行政書士もいる。
「たとえ、就業規則に入れ墨が禁止と書かれていなくても、これは解雇事由になります。お客さんに不快感と恐怖心を与えた、という理由が成り立ちます。ただし、解雇する場合は予告通知することが必要になります」
予告通知とは解雇する場合は、1カ月前に通知しなければならない。即日、解雇する場合は、1カ月分の給料を支払うことが義務付けられている。1カ月前なら1カ月分の給料は支払わなくてもいい。
「相手が不当解雇で訴えてきたら、こっちは、お客さんに恐怖心を与えたために、実際にお客さんが逃げた、ということで逆に損害賠償請求することも可能です」(行政書士)
面接の時に、入れ墨の有無をチェックしているホールもある。
「最近は、特に女の子がワンポイントで入れているケースが増えています。隠れる場所であれば、採用しますが、隠れない場合は不採用にします」(ホール課長)
いずれにしても、社内規定で刺青禁止等の項目を入れてないホールは、至急に加えたほうがいいようだ。

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