大幅縮小に追い込まれた理由については、各所で触れられているが、90年代は40万人もいた浪人生が、少子化で大学全入時代を迎え、5万人まで減ったことが大きい。
それだけでなく、東大合格者の2013年度の実績では、代ゼミの369人に対して、駿台予備校は1257人、河合塾は1101人と大きく水を開けられていた。
本題とは全く関係のない話だが、90年代に代ゼミの寮で同室だった2人が、大学を卒業して、現在は2人ともパチンコ業界で働いているケースもある。ホールと販社、と業種は違えども今でも親交がある。
代ゼミの大幅縮小のニュースをわが身に置き換えて、将来の身を案じているパチンコメーカー関係者がいる。
その関係者の会社は規模の上では下位グループに属している。
大手予備校でもそこまで、縮小するのだから、弱小メーカーなんてひとたまりもなく倒産してしまう。
「パチンコメーカーは日工組という組合に加盟しているので、それだけでも価値があります。将来的には大手に吸収されるのかも知れませんが、合併後は看板が欲しいだけですから、われわれの身の保証はない。恐らく、リストラ対象になるでしょう」
代ゼミ縮小のニュースは、決して対岸の火事ではない、と切実に感じるようになった。もっとも、これはパチンコ業界に限った話ではなく、少子化は全業種に影響を及ぼす。
弱小メーカーの社長の機械作りの考え方は明確だ。
「うちの社長は大手が作らない奇抜な台を作らなければいけない、と常々いっています。しかも、安ければいいというものでもない。昔のお客さんの中にはハネモノの復活を希望する声もありますが、新規のお客さんはそういう機械は好まない。液晶を踏襲して、奇抜な機械を作らなければいけない」
パチンコも下位メーカとなる年間の販売台数も少ないが、それ以上にスロットメーカーは厳しい。大手は資本力、開発力、販売力にものをいわせるので、弱小との格差は広がるばかり。
3000台を見込んでも実績は300台。これでは開発費も出ない。人材は流出して、ますますいい機械は作れなくなる。
メーカーで働く人も決して安泰とはいえない。
それに危機感を持った弱小メーカーの関係者は、どう動くのか。続報が入り次第お伝えする。

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