地方のホールは帰省客で賑わう時期だが、「いつもなら、駐車場が満杯になるのに、帰省客が少なかったのか、県外ナンバーの車が少なかった。ここ数年は盆営業という感覚がなくなってきた。盆営業を閉めたら、後が来なくなるので通常営業にした。もはや弱小ホールは盆営業したら終わってしまう」とため息交じりに話すのは島根県のホールの店長。
地方の厳しさが盆営業からも浮き彫りになる一方で、関東のホールの店長の鼻息は荒い。16日の土曜日は「4円だけで3万6000稼働あった。絶好調な盆営業でした」(店長)
このチェーン店は盆営業が好調なわけではない。フィーバーブームで業界に参入してからその好調さを維持している、といった方が近い。
大手ホールには発売前の機械のデータ取りをする研究室がある、といわれているが、このホールでは大手よりも随分早い時期からデータ取りを行っていた。
「研究室で、ベース、スタート、TYを決めてから本番に臨むので新台を入れても失敗が少なかった。チェーン店はその指示通りに調整するわけですが、釘も社内試験があるので、相当スキルがなければ触らせてもらえない。データ管理もきっちり行っているので、機械が吹かなくて、取り過ぎた時は大目玉を食らう」
業界に参入して30年以上が経つこのホールは、創業以来お客さんを裏切らない営業を脈々と続けている。土地も自社物件なので余分に取る必要がない、というところも強味だ。
地元でも人気の繁盛店に長らく勤めていると、店長曰く「どうしたら、稼働が下がるのか想像がつかない。倒産するぐらいまで稼働を落とすにはどうすればいいのか教えて欲しいぐらい」。
このチェーン店は徹底したデータ管理を行っている、といったように、適正利益以外は取らない。
簡単に説明すると、10億円の売り上げで1億円の利益があった場合、20億円の売り上げになったからといって2億円の利益を取ることはしない、ということだ。
売り上げが倍になったからといって、コストが倍になったわけでもないので、適正利益しか取らない。こんな営業方針を愚直なまでに続けている。
地元客のホール選びの選択肢は、いわずもがな。ホールとお客さんの信頼関係が出来上がっている。
不振にあえぐホールは、取り過ぎるあまりに客を逃しているのが分かっていながら、その負の連鎖から逃れることができない。

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