いずれにしても1個売っても35円の利益にしかならない。
ということは100円ショップは、来店客数と1人当たりの客単価が命である。
ダイソーのような大型店は種類がとにかく豊富で、あれも、これもとついつい必要でないものまで買ってしまうわけだが、これが個人商店だと店の規模も小さく、ついで買いもそんなに起こらない。
個人商店で小規模店(3000アイテム)ながら、この商売を始めて5年になるオーナーは、「日銭が入ってくる現金商売が魅力で100円ショップを始めた」とこの商売を始めた理由を語る。
以前はケータイショップを展開していたが「1台5~6万円もするケータイを500~600台仕入れて、現金が入るのは2カ月後。売り上げも大きかったが資金繰りも大変だった。今は1店舗分で仕入れ金額は100万円を超えることがないので、気が楽だ」と打ち明ける。
こじんまりした店で、お世辞にもお客さんの数は多くないが、それでも5年も続いている。ということは赤字を出さずにやってこれている、ということだろう。
仕入れ業者からは1円、2円単位の値上げの案内が来る。100円ショップを始めて、1円単位の重みが分かるようになった。
このオーナーは親戚が空調設備工事をやっていて、今でも手伝っていた。取引先は大半がパチンコ店だった。
「空調の仕事では1000円単位の端数は簡単に負けていたが、100均業界では1円単位までもらうになった」
100円ショップの魅力の一つが、店舗同士での価格競争がないこと。また、客もねぎることがないこと。ま、利益が薄いのだから当然といえば当然だ。
「値引きしなくてもいい商売は楽ですよ。値引きするから皆、しんどくなる」
パチンコとはまったく関係のないような話に思うかもしれないがここからが本題だ。
1円パチンコを通り越して、50銭パチンコもぼちぼち登場してきている。ここに目をつけているのがご当局である。
端玉が出た時に、端玉景品のお菓子などでお客さんに返しているホールが大半だが、50銭という通貨もなければ、50銭の景品もない。
ここに突っ込みをいれてくる可能性もある。
50銭通貨がないというのは、ご当局の言いがかり的側面もあるが、せめて端玉景品は玉1個分のあめ玉1個でも返さないと何をいわれるか分からないご時世になってきている。
1円パチンコが主流になりつつあるが、パチンコ経営にも100円ショップのように、1円単位の経営感覚が求められる。

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