今回は「ここまでいう?」と思わず首を捻りたくなった。
雨の日、たいていのホールが無料傘の貸し出しサービスを行っている。貸し出しといっても返ってこないことを想定して、仕入れ価格50~60円の安いビニール傘を使っている。
ホールでは物珍しくもない光景だが、ある所轄でこの傘の貸し出しサービスに対して指導が入った。
指導されたホールは、傘は無料サービスしているので、貸し出した傘の管理をいちいちやっているわけではなかった。
所轄が噛み付いたのはまさにここだった。
総付け景品以外に無料配布していると見做されたのであった。
貸し出しなら所轄も指導することはなかったのだが、貸し出しなら貸し出しの証明として、貸し出した人の会員証の番号を控えるとか、名前を書いてもらうとか、傘の貸し出し台帳を作って、返って来た傘の数もチェックしろ、というのが所轄の言い分だった。
無料配布といわれれば、ホール側も返す言葉がない。
ここは反論することなく、所轄の指導に従うしかない。
さすがにこの程度で指示処分はなかったが、きっちり始末書は書かされた模様だ。
警察自体、多忙を極めているので、本来はこの程度のことで手を煩わせたくないはずだが、通報があれば動かざるを得ない。
これ、このホールが特異なわけではない。
傘の貸し出しサービスで、顧客台帳を付けて傘を管理しているホールを探し出す方が難しい。
風営法では著しく射幸心をそそる恐れのある遊技機を設置してはならないことになっている。
すべては、ここに帰結する解釈となる。
無料でモノを配ることが規制されているのも「著しく射幸心をそそる恐れ」に係ってくる。かつては、オシボリを配ることすら禁止する地域もあったが、無料配布の商品がエスカレートするのを抑制するために、総付け景品の上限が200円と決められることになった。
ただ、今回の傘サービスで始末書を書かされるのは無理がある。
では、実際、台帳を付けているホールはあるのか?
「うちではそういう管理はやっていません。お客様が忘れていった傘で、1週間しても取りにこられなかったものは拾得物としています。その中から、透明のビニール傘は貸し出し用の傘として再利用しています」(店長)
「うちでも傘の管理はやっていません。うちでは一般のお客様と会員様と差別化するために傘を使い分けています。一般のお客様には仕入れ値が格安のもの。会員様にはコンビで販売している500円クラスのもを提供しています。会員様に貸し出したものはたいてい返ってきます」(営業部課長)
傘1本サービスしただけでも1本の記事が書けるのがパチンコ業界ともいえる。

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