「業界が等価に舵を切って、もう何年も経つ。機械も含めてもはや40個に戻ることはない。今、残っているのは、等価に慣れたお客さんだけだ。ホールからの要望で甘い機械を出したにも関わらず、結局、ホールは粗利を取りに走る。ホールの本音は売り上げの上がるMAX機を求めている」
パチンコユーザーが減少する理由は、まさにホール側にある、といわんばかりだ。要は、メーカーは色々なスペックの機械を発売しても、行き着くところは売り上げが上がる機械=荒い機械で、売り上げの上がらない甘デジも、釘を閉めて使うために、甘デジ本来の使い方をしていない、ということだ。
6月に開催された全日遊連の通常総会で阿部新理事長体制に替わり、2014年度の事業計画ではイの一番にファンの回復と拡大を掲げている。
さらに、阿部理事長は就任後の7月に行われた初の記者会見では、ファン拡大に向け、一歩踏み込んで次のように述べている。
「日工組、日遊協とともに、遊技機の在り方を考えたい。遊べる機械をメーカーは作っても売れない。ホールはメーカーが作らない、と相手を非難するような状況がつづいている。メーカーはホールが求めたものを作る、ホールはメーカーに作ってもらったものを適正に使うことが大事だ」
阿部理事長のいわんとするところは、メーカー関係者の本音をなぞるもので、機械を使う側のホールにファン減少の原因があることを認めるようなものだ。
ホールが遊べる機械を要求してメーカーに作ってもらった以上、ホールは1台でも導入しなければファン増加の糸口にはならないことを示唆している。
遊べる機械が必要なことは誰だって分かっているのだが、メーカーも売れる機械を作りたい。
それが過熱することになりそうなのが、金牙狼の出現だった。他メーカーも金牙狼の立体的に動くギミックには度肝を抜かれ「やられた!」と地団太を踏んだ。
「今のお客さんは派手な機械でなければ飛びつかない。ベルバラは超一級のコンテンツだったが筐体にもおカネをかけなければ、売れない現実がそこにある。エヴァがガンダムも巨大なフィギアを付けるだけでは一気に時代遅れになった。これからは、金牙狼以上に客に向かって立体的に動く巨大ギミック開発になっていく」(大手メーカー関係者)
この動きのあるギミック競争も本来のパチンコの楽しさとは違う方向性に進んでいっているようで仕方ない。
当たらないロングリーチを補佐するための演出にしか思えない。
「メーカーは遊びで機械を出しているのではない。機械代が高いと文句をいうまえに、機械を活かすために熱心に研究しているホールだけが、生き残っていく。釘調整が下手過ぎる。新台を入れるばかりで、遊ばせる駆け引きができるホールが少なすぎる」(同)
遊べる機械と売れる機械にはギャップがありすぎる。そういえば、京楽はAKBをリリースした時に甘く使うようにホール側に要請していた。

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