パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

保身のために店長の稟議を一切上げないエリア長

ホール内にウォーターサーバーを設置するホールが増えている。タイプはミネラルウォーターのタンク型とアルカリイオン水製造機内蔵の2つがある。

前者はその場で、紙コップで飲むのに対して、後者はペットボトルに汲んで持ち帰る。

話は後者のアルカリイオン水タイプだ。

最近は、名前を水素水に変更して販売している。アルカリイオン水に水素を入れたものが水素水なのだが、水素は体内で増える活性酸素を抑える効果がある。活性酸素が増えると老化が進むので体にはよくない。

水素水を飲むということは、病気予防にもなる。加えて、水素水で炊いたご飯が美味しくなるという効果もある。

水素水サーバーを設置するホールは、今来ているお客さんの健康のために導入しているのだが、健康をキーワードに地域住民のコミュニティーステーションになれば、という願いも込められている。

全国的に稼働が低下しているが、そうなる前にお客さんをつなぎ止めておくために、総付け景品の日には、水汲み用のボトルを配る。

この水作戦を成功させるためには、水素水の効用を社員が理解、ミネラルウォーターよりもおいしいことを社員自身が体験するが必要になる。

水素水のことを理解すると、お客さんとの接点が増えてコミュニケーションのきっかけになる。

社員が水素水のことを理解したホールでは、800台規模のホールで1日150人の利用がある。

一般的な規模のスーパーでも100人、大型スーパーでも最大で200人というのだから、かなりの利用客数といえる。

効果は分かるがネックは値段だ。本体価格は300万円。

全国大手が試験的にこの水素水サーバーを導入した。1年間テスト導入した結果、1日の利用者も150人と効果的な数字も上がった。

店長はテスト結果を踏まえて「導入したい」とエリア長に稟議を上げた。エリア長は新たに就任したばかりだった。

「エリア長決裁は100万円以下だ。100万円以下にならないか」とメーカーに対して無理難題を吹っかけてきた。300万円もするものが100万円以下になるはずもない。

店長は少しでも条件に近づけるために、1年のレンタル契約をリース会社に無理をお願いして5年にした。

結局、エリア長の返事はNOだった。

「私は保身のために決裁は通さない。会社命令で経費削減は大命題なのに、集客効果があっても会社方針に逆らってまでGOサインは出さない」とエリア長は最初から聴く耳は持っていなかった。

前向きな経費もあるが、サラリーマンだと保身に走りがちになってしまう、というケーススタディだった。



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業界天気「雨」を回復させるには何が必要か

業界天気図なるものがある。



これは業界全体の拡大・縮小の状況を晴れ、曇り、雨の3種類で表すもの。

晴れで勢いのある業界では事業拡大や新規事業が活発化する一方で、雨マークがついた業界は縮小傾向を示す。

車でもエコカーは晴れだが、国内向けの自動車は曇り、と一概に自動車産業が伸びるわけではない。

話題の4K,8Kテレビですら曇りで、パソコン、タブレット、スマホも軒並み曇りだが、格安スマホやクラウドサービス、ビッグデータ関連は晴れ、と明暗が別れる。

一番多いのは曇りだが、では、どんな業種が雨かといえばこんな具合だ。

電子力発電施設、ペイテレビ、紙・パルプ、外食(居酒屋、回転寿司など)、電力・ガス業界だ。

では、わがパチンコ業界はどうか? どうかと聞かれなくても業界人なら誰でも察しがつく。

答えは、ホールは雨、メーカーも雨。

「雨を回復するにはイノベーションが必要です。パチンコ業界も手打ち式から、電動式→役物→フィーバとイノベーションを起こしながら拡大したように、イノベーションは絶対必要です」(シンクタンク関係者)

メーカー関係者に言わせれば「そんなことは言われなくても分かってるわい」。

「貸し玉料金は1円から2円、3円、4円とスムーズに上がりました。その時代は射幸性の問題もなかったからです。射幸性を落とされる前に、1パチを始めた時点でもっとアピールすべきでした」(同)

ホールは4倍遊べることをアピールして、休眠ユーザーを掘り起こすために、ポスティングしながらあいさつに回ったホール企業もあった。その甲斐あってか遊技人口は前年よりも上向いたこともあった。

そんなことよりも本題はここからだ。

「カジノがオープンしたらいよいよ換金問題に手を突っ込む時が来るかも知れません。特にカジノの業績が思ったほど上がらなかった時は、パチンコで換金できることが問題視されます。パチンコ業界はグレーと言われる3店方式をシロにする努力を怠ってきました。反面教師としてサラ金業界の二の舞を踏まないことです」(同)

サラ金業界と言えばグレーゾーン金利問題だ。

この業界は、利息制限法の上限を超える高利のグレーゾーン金利を取っていたが社会問題に。2006年1月、最高裁は「灰色金利は認めない。利息制限法を超えて、請求した利息分について返還をしなければならない」との判決を下し、過払い利息の返還が相次ぐことになる。その結果、業界最大手の武富士は倒産に追い込まれた。

3店方式を巡っては3月9日、衆院内閣委員会で自民党・杉田水脈議員が、「カジノはチップを賭けてそれを現金に換える。パチンコは出た玉を3店方式で外に出て現金に換える。この3店方式は目くらましのようなもの。(警察庁の)レクでは外に出てからは関知しない、という答弁が返ってきたが、3店方式を規制する必要があるのではないか」と警察庁の姿勢を追及した。

警察庁生活安全局の山下局長は「客がパチンコ営業者以外の第三者に売るのは承知しているが、ただちに風営法違反ではない。第三者の買取を規制した場合、一般的なものの売買まで際限なく規制が広がりかねないと考えられる。実質的に同一であると認められたものは厳正な取り締まりをする」と応酬した。

かつては、換金が行われていることを一切認めよとしなかった警察庁からすれば、一歩前進である。

風営法の枠から外してパチンコ業法を作るのが一番すっきりする。業法を制定するにはまだまだ軒数が多い?



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その⑫ その機種配列は正しいか?

稼働数による加点減点評価を全台一斉に実施する前に、アイドルタイムを設けて試運転を行う。

まず中心になる機種を選定する。

この選定は比較的簡単だ。

①稼働数の優秀な機種を選び出す。

②次は、粗利の優秀な機種。

③売上が優秀な機種。

④将来、出来るだけ長く設置可能と思われる機種。

⑤あと半年もつか不安な機種(笑)。

この①から⑤の項目に合う機種を対象に試運転として調整を行う。

この試運転を念頭に、まず同時進行する作業がある。

はたして、ホール内における配置はこれでよいのか?

多くのホール様を視察や評価をしていると、疑問に思う機種配置が散見される。

実は、これは非常にデリケートな問題だ。

分かりやすくホールを人間に例えると、体臭や口臭をハッキリ伝えるのと同じくらいデリケートだ。

毎日毎日過ごすホールなので、それは居心地がいい方が良い。

自分の管理するホールが1番良いと思っているから、他人から何かを指摘されると、癇に障る。

また、分かっていることを指摘されるケースも癇に障る原因だろう。
配置換え作業はすごく大変だから、分かっていてもやらないこともある。

だから、私が意見を差し上げる際は、先方様の癇に障ることがないように気を使う。

皆様のホール内の設置状況はどうだろうか?

ホールの状況により、稼働数が高い機種をまとめた方が良いケースや稼働数が低い機種を散らした方が良いケースなど、これは人間の性格と同じで千差万別だ。

つづく



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パチンコ業界は笹船? 業界よもやま話

「日報に書いていることは、否定はしないが、絵空事ばかり。ただ無理なことでも誰かが理想は掲げ続けなければならない」と話すのはホール業界幹部。

日報ではこれまで本来の遊技に戻るために40玉交換やら、1回交換などを提唱してきた。ところが、そんなユーザーはとっくにパチンコから足を洗い、残っているユーザーにはその志向はないために、ホールにも受け入れられない。実際にはヘソが7個返しの40玉交換仕様の遊技機をメーカーが作らなければならないが、ホールは売り上げ重視でヘソは7個よりも5個、5個よりも3個を求めてきた。

理想としては分かっていても、笛吹けども踊らず。

日報批判の次は業界誌批判になった。

「業界誌を儲けさせたのはわれわれホール。ホールがコストも考えずに機械や設備をバンバン入れたから業者は儲かり、業界誌に広告を出してきた。でも、今やホールの買い控えが続いているので業者も相当苦しいので広告も出せない。大本営発表のような記事ばかりだから業界誌は面白くない」

業界誌の宿命である。広告で雑誌が成り立っている以上、広告とのバーターで提灯記事が付く。ちなみに、日報はホールに役立つ情報として提供している。

話は業界の将来に及んだ。

「10年前は組合内も喧喧囂囂だったが、今は穏やかで業界をどうかしようということがない。どうしてだか分かる? 泥船ではなく笹船状態だから。川に流されたらすぐに転覆する。だから、自分のホールのことが手一杯で、遊技人口を増やして業界の規模を膨らませるなんてことは誰も考えていない。今は潰れるところは潰れて業界から退場していただくのが一番と考えている」

カジノという黒船の来襲により、パチンコは徹底的に射幸性を規制され、かつてのパチンコの栄華は夢のまた夢。半ば諦めにも取れる。

その一方でこんな話も。

「20店舗ぐらいの法人で、これから100店舗を目指すところが全国で10社ぐらいはあるんじゃないかな。M&Aや居ぬきで増やせる環境にもある。店舗数は減少しているが、お客さんも減っているのではなく、遊べる店が減っている。だからパチンコをやりたくてもやれないだけで、パチンコをしたい人の潜在能力はある。だから、体力があるところは店を増やす。それとこれから中古機が足らなくなる。チェーン店で20店舗ぐらいでは中古の手当てができないから、100店舗を目指す」

業界を拡大させるなんて考えている業界人はいない。限られたパイを勝ち残った者達で分け合う、という図式なのだろうか?

「ベース40で液晶非搭載。価格は25万円を提案したところ、一部のホール以外は一様に反応が悪い。それに賛同してくれるホールに寄り添うように方向転換しなければなりません」(パチンコメーカー関係者)

高コスト体質が抜けきっていないホールは買わないが、低コスト体質のホールならそんな機械でも十分やっていける。

まだまだパチンコ業界のことを考えている業界人はいるぞ。



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その⑪ 1台1台に成績を評価する点数を付ける

システム上の話をする。これを1週間単位で評価をして行く。

評価の中心に見るのは稼働だ。売り上げや粗利ではない。

稼働を評価の中心に据えることが重要だ。

他には、粗利や売り上げの評価点もあるが、ここでは、例を稼働として取り上げる。

時代やそのホールの状況により、評価点の加減数は変わってくる。

昔ならば、稼働が10%上がれば1点加算した。理由は10%の稼働アップは容易だったからだ。

しかし現状は、旧台の稼働を数%上げることも難しく、10%アップなんて不可能に近い。

システム上、毎日、稼働数を入力するが、システムがない場合は、手作業で行うしかない。
やりかたは各自考えられると思う。

今ならば、稼働数が1%上がれば1点加算するのが良いだろう。

6000発の稼働しかなければ、その時点を0点に設定。6060発になれば1点だ。

最初は1週間単位で見るが、状況により毎日見るようにする。

単位を毎日で見るということは、曜日毎に比較するように評価の基準を変更して行く。

その間、特定日があれば、その日を曜日毎評価の対象から外して評価する。
例えば、競合店の店休日や祝日、盆休み、正月休みを特定日とする。

ホールの成績を評価するにあたり、最優先するのは稼働数であることを頭に叩き込んで欲しい。

売上も粗利も得られるのは、稼働数があって初めて上がる数値であるからだ。

昨今、粗利を最優先に求める時代は繁盛店だけで十分だ。
稼働数が少ないホールは、粗利を求める前に、稼働数を第一に求める営業に変えることが、遊技機を使い倒すことにつながる。

繁盛店は、下手を打たない限りは、運営は簡単だ。閑古鳥店の運営の方が遥かに運営は難しくなっている。

まだ勘違いしているホール様の中に、繁盛店にS級の店長を据え、閑古鳥店にはA級やB級の店長を置いているケースがある。

S級店長が複数いるチェーン店は、立て直しが非常に上手い。稼働数の低い店舗の立て直し職人が存在する。

オーナーは、自社に立て直し職人がいるのかいないのか、それを把握することが第一歩だ。


つづく


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