2025年の大阪万博が決定したことを踏まえ、その1年前の2024年には大阪IRが開業している運びのようだ。
ま、日報でも日本でのIR第1号は大阪と言い続けているので、橋下氏が断言したことにさほどの驚きはないが、確定を裏付ける行動が鉄道各社の動きだ。
大阪万博だけなら開催期間が半年なので、鉄道の延伸計画もなかなか前に進まないところだが、大阪メトロは12月20日、地下鉄中央線を延伸して万博会場となる夢洲に高さ約55階建ての高層駅ビルを2024年度中に開業する構想を発表した。大阪を一望できる展望台をはじめ、商業施設、ホテル、アーティストやスタートアップ企業が利用できるオフィススペースなどを展開する。総工費は1000億円にのぼる見込みだ。
IR誘致が条件としているが確定がなければこんな計画も進まないというもの。
JR西日本も中期経営計画2022で、JRゆめ咲線の桜島〜夢洲間の延伸整備を取り上げており、計画実現の可能性は高い。京阪も中之島線を大阪メトロ中央線九条駅まで延伸して相互乗り入れする計画もある。
人が集まる場所ができれば鉄道が集まってくる、という図式だ。
そもそも大阪カジノ構想を最初にぶち上げたのは橋下氏本人だった。
2008年、橋下氏が大阪府知事に183万2857票を獲得し当選した翌年の2009年に遡る。大阪府庁舎を大阪市住之江区の大阪ワールドトレーディングセンタービルディング(WTC)への移転を後押しにするために、WTC周辺エリアの活性化策として、カジノによる国際集客特区の創設や迎賓館施設の整備などを検討することを発表している。
この時は誰もが「壮大な戯言」と捉えた。
時は流れ、事態が大きく動き出したのは2013年1月9日。松井大阪府知事は定例記者会見で、夢洲に大阪市と共同でカジノを含む統合型リゾートの誘致を検討する考えを明らかにした。
日本維新の会の会長代行として、安倍首相と考えが近い橋下市長(当時)は、11日に大阪市内のホテルで安倍首相と会談して、カジノが早期法案化される提案書を手渡している。
会談の後、橋本市長は「思いっきり強く求めました。カジノっていうのは雇用も生まれるし、間違いなく経済は活性化する。国際的な観光地になる。安倍首相ならできると思う」と語っている。
一方の安倍首相もカジノ構想について、熱心にメモを取り「日本が東京1つのエンジンで進んでいくのは厳しい時代。2つめのエンジンをしっかり再生して欲しい」とまんざらでもないような返事をしている。つまり、もう一つのエンジンの役割を果たしのが大阪IRということである。
その後2014年5月に安倍首相は手本とするシンガポールのIRを視察し、「IRは成長戦略の目玉になる」とお墨付きを与え、カジノ解禁に向けて大きく前進したのは周知の通りだ。
橋下氏がカジノを言い続けていなかったら実現していなかった、ということか?

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