この数字はスロットでかつて1機種で売れた販売ランキングだ。1位は言わずと知れたサミーの北斗の拳、2位は同じくサミーの北斗の拳SE、3位は大都の押忍番長だ。
4号機時代の栄華を表す数字だが、あの頃はメーカーだけでなくホールも儲かった夢のような時代だった。合法賭博機と揶揄されたようにこれは異常な数字だった。
2017年度のスロットの販売台数は以下の通り。
1位「押忍!番長3」【大都技研】(7万2000台)
2位「北斗の拳 新伝説創造」【サミー】(4万5000台)
3位「アイムジャグラーEX-AE」【北電子】(4万台)
4位「アナザーゴッドポセイドン」【エレコ】(2万7000台)
5位「スーパーミラクルジャグラー」【北電子】(2万5000台)
6位「モンスターハンター~狂竜戦線~」【エンターライズ】(2万台)
7位「花の慶次~天を穿つ戦槍~」【EXCITE】(2万台)
8位「牙狼 守りし者」【サミー】(1万9000台)
9位「バイオハザード リベレーションズ」【エンターライズ】(1万8000台)
10位「アイムジャグラーEX-Anniversary Edition」【北電子】(1万5000台)
もはや1機種で10万台売れるヒット機種はない。
遊技人口の減少はホールの投資マインドだけでなく、体力を低下させ販売台数にもろ影響が出ている。
「4号機時代は夢があった。残業代ももらえずに残業した。ヒット作を出すのが喜びだったので、残業代なんか関係なかった。でも、今は1機種で何十万台も売れる時代ではないのでやる気も起こらない。だから、サービス残業もしない。現場は1万台でも売れたらいいという考え方があるので、ヒット作も出ない」(メーカー関係者)
貧すれば鈍する。現場の士気が低下していることを如実に表すような話である。パチンコ・スロットの未経験者でも思わず飛びつきたくなるような革新的で面白い機械が出てこない限り、市場をV字回復することはできない。
「IRカジノがオープンする5年後はもっと厳しくなります。カジノはトバク、パチンコは遊び、とはっきり棲み分けされてパチンコで大勝ちすることはなくなります。警察の天下り先もそんなに美味しい給料を払えなくなるでしょうから、業界を守ってくれません。メーカーはカジノへシフトしていきます。カジノが儲かることが分かれば、規制緩和して名ばかりのIRになり、国内には20カ所以上のカジノが誕生するでしょうね。東京、大阪は2カ所ずつカジノがある。メーカーはその20カ所へ採用してもらうカジノマシンを開発することになる」(同)
遊びだけのパチンコになった時は、射幸性を求める客層と遊びを求める層に完全に入れ替わっていればいいのだが。

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