「パチンコが衰退して行く理由は、規則でがんじがらめだからです。それでも昔の技術者は規則の裏をついてきた。ハッカー連中と同じような発想で、壁をぶち破ることが快感だった。でも、ますます規則が厳しくなり、クリエイターもお手上げ状態で、ゲーム業界に人材が流出しているからです」(開発関係者)
パチンコ初のカラー液晶が搭載されたのが1991年に発売された平和の麻雀物語である。27年間も液晶で当たり判別をする仕組みが続けば、そりゃ、お客さんだけでなく、作り手の開発陣も飽きるというものだ。
そこでメーカーとしては、パチンコでもない、スロットでもない第三の遊技機を開発しなければならない。それが、玉で遊ぶスロット=パロットだった。7社から8機種がリリースされたが市場の評判はイマイチで、2つあった組合も霧散した。
各メーカーが取り込みたいと考えているのが、スマホゲームのガチャファンだ。
日本のスマホゲームファンは課金額でも群を抜いていることが分かる。
アメリカの調査会社EEDARが発表したスマホ向けゲームに関する統計データで、ユーザー1人あたりの国別平均課金額で日本が1位、ということが分かった。
資料的には少し古いが、2015年のスマホゲーム市場規模は、アメリカとカナダを合わせた北米が54.1億ドル、日本が51.6億ドル、中国が50.1億ドル、韓国が13.7億ドルとなっている。一方、プレイヤー人口では、北米は1億3650万人、日本が4580万人、中国が3億1480万人、韓国が1930万人。日本のスマホゲームの市場規模が、プレイヤー人口のわりに大きいことが分かる。
重要なポイントはここだ。
スマホゲームに対する1カ月での平均課金額では、日本が24.06ドル、北米が6.61ドル、中国が2.88ドル、韓国が12.83ドルという結果となった。
「結婚もしない独身男性で1カ月に10万円ガチャにつぎ込む人はざらにいます。1カ月30万円課金する人も数%います。第三の遊技機で面白いものを開発すれば、スマホゲームファンがホールで粘ってくれる。これからは射幸性ではなく、面白い第三の遊技機でスマホゲームファンを取り込みたい」(同)
この第三の遊技機がパチンコ業界の運命を握ることになるだろうが、同じような考えを持っているメーカーは1社ではない。それなら1社で特許を独占するのではなく、特許を皆で使うようにして第三の遊技機を広める必要がある。
そう、正村ゲージの生みの親である正村竹一が「みんなで仲良く使うがええがや」と言って特許を取らずに、正村ゲージでパチンコの面白さを各メーカーが広めたように。
今こそ、正村竹一の精神がパチンコ業界には必要だ。

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