Aさんのいうお得感やワクワク感とはこうだ。
「ラッキーナンバー制の時代、昔はタイムサービスがあって、夕方6時から7時まではオールラッキーで交換しなくてもよかった。だからその時間帯を狙ってパチンコホールへ向かったものだ」
さらに、核心を突く。
「昔の新台入れ替えは、必ず出してくれたが、今は新台入れ替え時から回収モードになっている。期待感、ワクワク感がまるでなくなったのが今のパチンコだ。パチンコをするということはおカネが増えない確率がどんどん高まっている」
Aさんはパチンコを楽しむというよりも、ギャンブル志向の方が強い。だから今でもかろうじてパチンコには踏みとどまっている。
「5000円使うのなら、4円のMAXしか打たない。一発逆転を狙いたいので、1/200のミドルは打たない。もちろん、1円なんか興味もない。5000円が3万円になる機械が好き」
そんなAさんが最近、競馬に舵を切っている。ギャンブル志向の高いAさんらしい、といえばAさんらしい。
Aさんの馬券の買い方は3連単専門だ。例えば、競馬で1万円使うとすれば、100通りの3連単を買うことができる。
パチンコで1万円なくなるのもあっという間だが、1万円あれば最終レースまで楽しむことができる。
「競馬は100円がすごい金額になる夢があるが、パチンコには今や夢もない。競馬は何よりもネットやケータイでできるので、わざわざパチンコ店まで行かなくてもできる」
そういう理由もあって、Aさんの同僚はパチンコから競馬へシフトして行っている、という。4円のMAXを打ってくれていたユーザーは、実は競馬に流れている者も少なくない、という可能性がある。ただ、競馬だけが好調かといえばそうでもない。確実に競馬人口も減り続けている。
かつて、公営ギャンブルはパチンコの敵ではなかった。日本全国どこへ行ってもパチンコ店はある。その手軽さからパチンコユーザーは増えたわけだが、その手軽さをネットゲームに奪われてしまった。
それよりもAさんが前述したお得感が失われたことは、業界としても一考しなければならないところだ。

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