従ってパチンコとスロットのブームの波が交互になることはあっても、業界人の誰もがパチンコよりもスロットの方の将来性を期待していた。
パチンコメーカーもこぞってスロット開発するようになったのが、その証である。
将来を嘱望されていたスロットにも陰りが見え始めていたが、その止めを刺されたのがART問題だ。下限試験をクリアできないということは事実上、高純増機は作れなくなったことに等しい。
もっとも高純増機の開発ばかりに血道を挙げるメーカー姿勢に警察庁も業を煮やしていた。
450台規模のホールがあった。
それまで、パチンコの方がスロットよりも設置比率は高かったが、今回の改装でスロットを増台してパチンコが210台に対してスロットは240台となった。
設置比率まで逆転したものの、結果は思ったほどスロットにお客さんが付かず、増台はものの見事に失敗した。
「スロット島をどうにかしなければ、いけないが、パチンコに戻すにも島工事が必要になる。その工事代の負担も大きいが、パチンコに戻しても、パチンコで稼働が上がる保証もない。どうしていいか分からない」(同ホール関係者)と途方に暮れる。
こうした状況を見るにつけ、パチンコでもスロットでもない第三の遊技機の出現が求められる。
ここでヒントになるのが、日報でも再三再四取り上げているスマートボールのような遊技機だ。
スマートボールが廃れた一番の理由は、横置きでスペースを取ること。それが嫌われてスマートボールからパチンコへ鞍替えする店もあった。
スマートボールは横置きでスペースは取るものの、パチンコのように補給装置がいらない分、今回のホールのように、PS工事を必要としないのがメリットだ。
スマートボールと書くと昔のスマートボールをそのままイメージする読者がいるが、それをメーカーが現代版に作り直せばいいだけだ。
パチンコが1分間で400円の消費を認められているのなら、スマートボールは手打ちで、1玉10円で1分間に40玉までしか発射できないように規制すればいい。
1玉に価値を持たせながらも、じっくり遊べるような機械に仕上がれば新たな遊技機市場を掘り起こすことができるかも知れない。

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