昔からのパチンコファンで、台湾やグァム、タイなど海外のパチンコ事情を探りに行ったこともある。
「台湾は怖かったな。換金所が日本の様子とはまるで違う。トイレの外に人が立っていて、その人に特殊景品を渡すとトイレの中に消えて行き、暫くすると手招きされ、トイレに入ると現金が置いてある。面食らったな」
アウトローな雰囲気をどういうわけか好んだ。
「日本のパチンコはルールが厳しくギスギスし過ぎ。その点、台湾は手放しで遊技できる。昔は日本も固定ハンドルをやっても咎められることはなかった。パチンコは息抜きをしに来ているのに、息抜きにならない。だから日本では新宿の裏スロに行く」
怪しげな中年のようにも思えるが、機械に対する意見には傾注する価値がある。
「パチンコの開発やっている奴らはバカか! ハズレのリーチで客がハラハラドキドキすると本当に思ってるのか? 煽るだけ煽って外れたら誰もやらん」
もっと分かりやすく例える。
「お化け屋敷の中に10回でも入ってみろ。10回も入ったらどこに何があるかが分かり、恐怖はなくなる。10回入ったお化け屋敷が今の液晶。昔の機械は液晶を使わなくてもハラハラドキドキした。チューリップにWで入った時はドキドキしたもんだ。それは偶然起きるから楽しい。今の液晶に偶然はない。スタートに入った時から当たりかハズレかは決まっている。それも分からない年寄りがボタンを連打する。液晶で騙せるのはボタンを一心不乱で叩く、年寄りぐらい」と手厳しい。
日報でも散々指摘しているのはそこだ。そもそも、液晶演出を頼るようになってパチンコがつまらない遊技になっていったのに、メーカーはそのことに気づいていたとしても、なかなか脱液晶ができない。
「10回も見たらハズレは分かる。それをダラダラと長いだけのリーチなんか見たくもない。カットボタンを付けて欲しいぐらいだ。それぐらいふざけたリーチが多い」
機械だけではない。次は遊技方法にも言及する。
「無制限営業になってパチンコが面白くなくなった。それは目標が持てないから。2000個、3000個終了するのに、3~4時間かかったが、打ち止めにすると達成感があった。金額の多寡ではない。仕事でも難しい仕事をやった後に飲むビールは格別に美味い。それは達成感があるから。今の開発陣は若いのでそんなことも知らない。もっとハラハラドキドキして達成感のある機械を作れといいたい」
中年オヤジの独り言の中に業界の方向性が示唆されている。

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