お客の利便性を求めて導入した設備をわざわざ外す理由として考えられるのは、4円の稼働が落ちた原因を玉積みしていない視覚効果に求めたのだろう。
マルハン町田店もグランドオープンからわずか1カ月で、4円の各台計数機を外して玉積みに戻している。
「見せ玉のために各台計数機を外す店舗が増えていますが、元に戻したいというホールはもっといます。4円が強かった店ですらも外したがっています」と話すのは設備業者の社長。
実際に工事を担当しているのでホールの苦悩ぶりが分かるようだ。
「各台計数機を導入してからは、玉箱運びがない、ということで時給を50~100円下げていたホールもあります。外したらまた時給を上げることになる。求人難で各台計数機で玉箱運びがない、というのが求人募集のポイントだったんですがね。戻すにしても色々面倒です」
健全化推進機構の立ち入り検査項目に一般入賞口の釘の検査や試打によるベース検査が加わったことは、エコパチ(封入式)へ移行するための序章ともいわれている。
警察としては一切釘調整ができないようにするためにも、封入式は望ましい。
完全に封入式に移行すると、玉は外には一切出て来ない。つまり、出玉感を玉積みで演出することは不可能となる。
今でも各台計数機を外して、玉積みに戻しているホールが増えているということは、封入式になると、完全に玉積みができないために、ユーザー離れが加速するのは想像に難くない。
「封入式になると逆に見せ箱の需要が生まれると思います。空箱ですが玉箱を積んで出玉感を視覚で訴える必要も出てきます。LEDで光る玉箱なんかいいでしょうね」
封入式対応の見せ箱。
警察からは「射幸心を著しくそそる」とすぐにアウトになってしまいそうなアイデアではある。
では、ユーザーは出玉感の視覚効果がないから4、円の各台計数機では打たないのだろうか?
「歩くとき邪魔で、人が出しているのを見ると腹が立つ。従業員を呼ばなくてもいいので、各台計数機の方がいい。視覚効果はランプの色で出ているかどうか分かるので問題ない。4円の各台計数機コーナーは出玉感がないから、打たないのではなく、回らないことに原因がある」とは5月16日に各台計数機を外して店舗の常連客。
玉積みであろうが、各台計数機であろうが、稼働が下がる主原因は回らないことにある。
「ストレスがないぐらい回っている時は、お客も多いが、回らなくなるとみんな粘ることなく帰る」(常連客)
答えは視覚効果ではなく、回るか回らないかだ。

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