3月13日、大阪・B社の原田メソッド研修の第4回目が開かれた。今回が最終回でこれまでの成果を発表する場となった。
今回の研修の目的の一つが自立型人間の養成で、仕事をしながら人格を成長させていくことにあった。
仕事をしながら他人を助け、教え、自他を愛することで人間力をアップ。その先にあるのが自立型人間の形成である。
自立型人間を育成する一環に原田メソッド朝礼があった。
この朝礼の目的は次の3つ。
・モチベーションの向上
・テンションの向上
・自尊感情の向上
ぱちんこ情熱リーグで日本一になる、という目標を設定し、この目標を忘れずに毎日朝礼に取り組む。
この目標設定を中途半端なものにすると、ずっと中途半端な目標に向かうことになるので、本気の目標を設定することが重要である。
朝礼で大きい声を出すことも必要だが、ここで注意点が。
「最近、声がでかいだけの居酒屋が多くなりすぎている。主役が店員になっている。声の大きさを勘違いしてはいけない。元気な声とドナリ上げる声は違う。お客様に支持されて、日本一になること。主役はあくまでもお客様」
これまでの研修で学んだことを踏まえ、朝礼の実地試験が行われた。審査するのは6人の講師。
1カ月前に指摘された問題箇所を修正している。
朝礼の内容は以下の通り。
1 理念の唱和
2 きのうのよかったこと発表
3 B社体操
4 達成目標発表
5 行動宣言の発表
20分かけていた朝礼も発表者を絞ることで10分あまりに短縮した。

講師の寸評はこうだ。
「一つ一つの行動のクオリティーは上がった。今度は完成度のアップを目指して欲しい。動く、止まる。ストップアンドアクションを徹底するとキビキビした集団になれる。ネクタイの結び方を統一し、靴磨きを徹底すれば満点」
「前回と比べ、ネクタイが緩んでいる人がいなくなった。ドナリ声にならないように気をつけているのが分かる。接客用語の『申し訳ございません』はもう少し静かに」
「やる気、元気がみなぎる朝礼になったことは事実。経営理念の唱和で活字を追っかけている。もっと表情を作った方がいい」
「このレベルで朝礼をやっているところはそうそうない。満点。スマイルがよくなった。傾聴する表情、礼がよくなった」
「今朝、実際現場で行っている朝礼を拝見したが、普段から実践しているのがえらい。心底頑張っている姿を子供が見たらカッコいい、と思える」
「本店が変わったことがお客様に伝わる。てっぺんの朝礼よりはるかに上をいっている。お客様への思いが行動や発言から見て取れる」
審査員の評価も概ね好評で、得点は92点満点で87.4点だった。前回が82点だったので成長の後が伺える。
原田メソッドの実践ツールの中に奉仕活動がある。家や職場でそれを実践していくことで変化が起こる、というもの。
原田メソッドを取り入れた証券会社でのケースだ。
この証券会社は売り上げ至上主義で数字こそが人格で、売り上げが低い社員は人間以下、とみなされるような社風だった。リストラもすごい会社で同僚が首になれば、自分がリストラにあわなくて済んだ、と喜ぶような殺伐とした社内だった。
こんな会社だから社員はノルマ達成のために、始発で出社し、終電で帰るというような毎日を送っていた。
収益が黒字になり、社内ムードがよくなるのに、3年かかったが、社風を変える要因ととして喜ばれたのが奉仕活動だった。
ある社員は家の玄関のくつを揃えることにした。それまで玄関は足の踏み場もないほど乱れていた。
お父さんは家を出る時に毎日くつを揃えた。すると帰ってきてもくつが乱れなくなってきた。くつを揃えている父親の姿を見て子供が真似るようになった。
くつを揃えるという些細なことが家族の絆となり、家族がお父さんの支援者になった。奉仕によって絆が出来上がった。社員一人一人の変化が仕事にも表れた。
では、B社の社員はどんな奉仕活動をしたのか?
「家で部屋掃除をすることを目標にしたが、すぐに片付けられるようになった。事務所も清掃して帰るようにした。次の日に気持ちよく仕事ができるようになった」
「妻が妊娠しているので、毎日家事をするようにした。洗濯や食器洗いを手伝っている。職場では外にも目を向けるようにして、自転車整理や落ち葉拾いを行っている」
行動計画では、個人の成果が組織の成果につながることが求められる。
原田メソッドを導入したエステサロンのケース。
同社には40人のエスティシャンが在籍している。指名が多い人は給料も高い。
40人中4人が指名がずば抜けていた。その人たちの成果が上がる項目にはびっしりと書き込みがあった。それを全員で共有し、その人たちの真似をすることで指名料が増える。4人のパフォーマンスが組織に広がり、全体の売り上げが上がった。
ではB社では朝礼以外にどのような変化が個人に起こったのか?
「1日の気づきや反省点を問題意識として持つようになったので、問題解決能力が上がった」
「新しいサービスとして、アフターサービスやアフターフォローをするようになった。5分後に声をかけ、それがコミュニケーションツールになっている」
「相手のことを思いやるようになった。今までにないぐらい感謝の言葉をもらうようになった」
「日誌、ルーティーンチェック表を書くことで、タイムスケジュール管理ができるようになりダラダラ残業がなくなった。当たり前のことを当たり前と思わないようにする」
「できないことをできないで終わらせないで、遣り通すようになった。途中で投げ出し逃げていたが、逃げない気持ちを持つようになった」
「自己規律を目標に掲げ、妥協せずにやりきるようになった。自分自身に強くなれた」
確実に変化して来ていることが伺われる。人は行動が変わることによってこれまで壁と思われていたことを乗り越えることができる。壁を乗り越えることで新たな成果が生まれる。
朝礼と実践ツールでアプローチすることで理想の職場が近づいてくる。
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