これは店舗を管理する立場にある者が、小遣い稼ぎに知り合いなどに高設定台を教えて勝った金額を折半する、という手口。
ただ、この方法だと毎回高設定台に座る顔が同じなので、怪しまれるので頻繁に使えない。小遣いもあまり増えない。
そこで考え出されたのが仲間を増やすことだった。
店長が同類項の店長に声を掛け、設定漏洩店舗を増やし、ウチコも人数を増やしていった。
1人が1回5万円勝ったとしたら、それを折半して店長の取り分は2万5000円。これを月10回繰り返せば25万円が懐に入る計算になる。
設定漏洩できる店舗仲間を増やせば、増やすほど、小遣いも増える仕組みになっている。
「設定は主任クラスに打ちかえさせている店も多いので、主任が疑われることが多いが、店長自らが打ち変えているとそりゃやりたい放題。本来、下の従業員が不正をしないか管理監督する立場の店長が不正を働くのは言語道断。設定漏洩できない環境作りをすれば、こんなこともすぐに解決できる」と話すのはセキュリティーアドバイザー。
主任時代に設定を任されていた人のホールでは、高設定台に座ったお客の顔を監視カメラの映像越にデジカメに記録していた店長もいた。
同じ顔ぶれが座っているようなら設定が漏れている証拠である。それを主任の目の前で行った。主任も疑われるよりもそういうやり方がある方が逆に安心して働けた。
ところが今回は店舗管理者である店長自らの設定漏洩である。
「抜き打ちでの外部監査が必要です。設定表と実際の設定があっているかどうかをチェックする。設定2と設定表には記入して、実際は6を入れて打たせているケースなども出てきます。外部監査を抜き打ちでやることで抑止力が生まれます。ホールはそういう内部不正ができない仕組みを作ることで不良社員も生まれなくなる」(同)
最初は小額だった不正が、見つからないことでだんだん額も組織も大きくなる。
やがては発覚するものだ。

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