さて、その内情は…
「この前アルバイト12人が一斉に辞めた。人件費や経費削減で少ない人数で回しているので、忙しいときは滅茶苦茶忙しいが、暇な時は出勤しなくてもよくなった。前は手取りで20万円はあったので、このホールのバイトだけで食べていけたが、シフトが減り、今は12万円ぐらい。これまでの不平不満が一気に爆発した」
現場アルバイトの一揆が勃発しているようだが、では上はどうなのか?
「4人のエリア長が全員辞めた。今、エリア長をしているのは以前は店長だったがもちろん、エリア長の器ではない。人材がいないからエリア長になっただけ。エリア長もそうだが、現職の店長も『彼が?』と疑うような社員がなっている。せいぜい副主任がギリギリ。教えて教育すれば育つ人もいるが、そのレベルではない」と手厳しい。
どうも人が育っていない様子が伝わってくる。
人を育てるために、優秀な人事部長を外部から引き抜いた。当初は部長が社員研修を行っていたが、いつしか、経費削減から研修も行わなくなった。
どうやら、社員が育たない原因は会社のトップにあるようだ。
「以前は社長に苦言を進言して、部下の盾になって部長がいましたが、その人がいなくなって今のNo.2は社長のイエスマン。社長の言いなり。現場の意見が通らなくなったので、現場も本部もどんどん人が辞めるようになった。社長は多少の現場経験もあるので、『現場至上主義』と口でいっていますが、イメージだけでいうので誰も付いてきません」
店長も長い人で2年半。辞めるか辞めさせられるかで長続きしない。副店長を一般社員から公募することもあった。手を挙げてやる気があれば副店長になれたが、能力が伴っていないので、怒られて辞める、というパターンを繰り返している。
これまで伸びた原因は、立地のいい場所を押さえてきたことにあった。
パチンコは特に立地産業ともいわれるように、立地の良し悪しが成否の鍵を握る。
人を育てるために、社内研修制度を整えながら経費削減のために、それすら取りやめてしまう。人を育てるよりも機械に投資する方を選んだ結果が今だ。
人が育たない企業が続くわけもないのだが、パチンコ業界は機械で売り上げが左右されるので、それに気づかないオーナーが少なくない。

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