番組がエンディングに近づいた時だった。歌手の円ひろしが、橋本市長が提唱するカジノ構想について「大阪の収入を得るためには、使うことを少なくして積極的に収入を得ることを考えなければならないとこれから絶対ダメになる」と振ると、橋本市長はこう答えた。
「製造業が海外に移転して行っている。日本に止めることも重要だが、海外移転の力はすごい力が働いている」と前置きした後、さらにこう続けた。
「こういう状況でカジノが日本に来ると起死回生の雇用の場が生まれる。
カジノでガバっと使ってもらってそこから税金として回収すればいい」と持論を展開した。
ここで異を唱えたのが作家の若一光司だ。
「カジノをやる前に社会に灰色の部分がある。それがパチンコ。私は3店方式は違法だと思う。この辺の整備は前提としてどのように考えているのか」と問い質した。
すかさず、橋下市長は「全部やらなければならないと思う。しっかりルール化してその前提にカジノがある。ただ、今の大阪ではできない。全部縛られているので国の形を変えて独立させてもらえるならやる自信はある」と答えたところで番組は終了となった。
時間にすれば3分ほど。
短時間のやり取りだったが、若一が3店方式は違法で整備しなければならないと指摘したことに「全部やらなければならない」と答えたものだから、業界人も気が気ではない。
関西電力の大株主である大阪市として、関電に原発の中止を求めるほど行動力がある政治家だけに、一挙手一投足が注目されている。
警察の見解ではただちには違法とはいえない3店方式に、果たして橋本市長が、手を突っ込んでくるのか?
「大阪市内のホールの換金をなくせば、カジノとの整合性もつく。維新の会が議席を持っているので、条例で決めてしまえば可能。そんなことも考えているのではないか」との憶測が飛ぶ一方で、こんな声も聞こえてくる。
「3店方式も不透明なところがある。認める代わりにもっとガラス張りにして脱税できない監査システムを考えている」
「カジノがダメなら、パチンコからしっかり税金を取る。Sスキームをやって儲かっているところから、安定的、恒久的に税金を取りたい。これが政治家の本音。売り上げは誤魔化しが効くので、いっそ台数に税金をかける」
一言の発言が様々な波紋を呼ぶ。
世間から注目されるとんでもない発言をして、その反応を見ながら修正し落としどころを探るのが橋下流。
今回の件も業界が過剰反応すると、本気になる可能性がある。

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