今回の提案寄稿の反響に驚きを隠せません。
コメントやメールは全て拝読させて頂き参考にしています。この場をお借りして心より感謝をお伝えしたいと思いまして、この寄稿を書いています。
昨年の事です。
震災直後ですが、全国のホール店長さんを中心に150通のメールを頂戴しました。大半がホール関係者で、しかも現場を預かる方々でした。
震災直後の業界の対応や在り方に悩む業界人がこんなにいるのかとメールを拝読して痛感しました。
この時の話を最初に書きたいと思います。
その理由は、現在のパチンコ日報はお客様の立場の読者が増加したと思うからです。
昨年から今年にかけて、パチンコ業界は多くの逆風を浴びています。
この逆風は、実はパチンコ業界自らが起こしているのです。これは業界人なら誰でも認識をしているでしょう。その裏で心を痛めていた業界人が何人もいました。
昨年の節電問題をはじめとする震災関連の対応の悪さによるバッシング。
石原都知事が先頭に立ち、業界の節電について言及したことは、多くの業界人に影を落としました。
また、震災直後に営業していたホールの対応のまずさが、致命的だったとの指摘も聞こえます。
私は震災直後に、首都圏で懸念された大停電の危機に面したとき、
「パチンコ店は休業をするべきだ」とブログで公言をしました。
その反対に「こんな時こそパチンコ店は営業をするべき」だとブログに書いた業界人もいて、私の意見にも反論される方々が現れました。
しかし、私の意見は正しいものだという事は、昨年の世論を見れば分かります。
そんな当時、私の意見に賛成して頂いた業界人が大勢いました。
その業界人の皆さんは「ホール業界人の立場」と「震災直後の業界の在り方・所属企業の在り方」の狭間でジレンマに陥っていました。
大停電の危機直前の時、人間として節電に協力をしたい気持ちと、会社人として責任を果たせねばならない気持ち…この間で大きく心が揺れ動いた業界人は日本中に大勢いたのです。
つまり、世間から叩かれた業界人の中には、震災直後の業界の姿勢に疑問を持っていた人が何人もいたのです。
ですからパチンコ日報をご高覧のお客様の皆様には、そういった業界人の気持ちもお汲み取り頂き、その存在もお分かり頂ければ幸いです。
今回、そういった業界人から、震災1周年に何かをしたいと声が上がりました。
3月11日は「東日本大震災1周年追悼式」が都内で開催されます。
自然災害による追悼式を政府が主催するのは初めてです。
当然当日はTV中継もされると思います。
そんな行事があるのですから、パチンコ業界人として当日何かしたいと思うのは当然の流れでもあります。
パチンコ日報の寄稿にはこう書きました。
(前略)
これは強制する性格のモノではございませんから、各店舗・ホール企業・業界人個々の判断で賛同頂けたら幸いです。
3月11日午後2時46分から、ホール内で30秒間~1分間の黙祷を捧げては如何でしょうか。
具体的な方法は、各ホール・事業所にお任せしますが、例えばこんな方法があります。
(中略)
この提案には、色々な意味があります。
上記の方法やアナウンスをするホールは、それだけの覚悟が必要になります。その提案は一部のホール関係者に拡がりましたが、上層部の反応は様々。賛成派もいれば反対派もいます。
だから、皆様の周辺の状況に合わせて実施(中止でも何か代案を考える)して下さい。
(以下略)
エントリー中にも書きましたが、寄稿する前には反対意見も聞きました。
その上でパチンコ日報に寄稿をしました。
反対内容を少し紹介します。
*頂戴したメールにはこんなご意見も。
「大手スーパーや百貨店、公営ギャンブル、コンビニ、牛丼屋、ラーメン屋で営業時間中に黙祷をするところがあるのか?ないだろ。それなのにホールが黙祷を捧げることをお客促すのは可笑しい」(ホール経営幹部)
「ホールはサービス業なんだから営業時間中は通常営業しているのがお客さんへの第一のサービス」(ホール関係者)
「営業中に営業を中断するのは無理。ましてや休業するのも無理」(ホール関係者)
そしてホール5団体が当日ネオン消灯を決定した直後には、こんなご意見もでました。
「組合が決めた事以外やる必要があるのか?ネオン消灯が一番合理的で実施し易い」(ホール店長)
頂戴した反対意見や賛成意見ですが、私は全く否定も肯定もしていません。
反対意見も正しいと思っています。
私の提案はエントリー中に具体的な方法は、各ホール・事業所にお任せしますが、例えばこんな方法があります、と書いたように、一例に過ぎません。具体的な方法はお任せすると書きました。
また、当日休業については私は一言も書いていません。
実際に当日営業を中止する異業種は皆無だと思いますし、現実的に休業はないと思っています。
上記の方法やアナウンスをするホールは、それだけの覚悟が必要になります。とも書きました。
この覚悟の意味は、大半の方はお分かりだと思います。
私が例として書いた、14時46分に黙祷をする事は、実際にはとても難問だと認識をしています。
パチンコ日報へ寄稿する前には、ホール関係者と喧々諤々やりましたので、充分承知しています。
ただ、この時刻に、従業員もお客様も一つになって黙祷できればそれが理想だね、という認識では一致していました。
犠牲者の魂をお慰めする気持ちは誰でも同じはずです。
ただその気持ちには個人差があるでしょう。だから、やりたい人が(やりたいホールが)自分の方法でやればいいのです。
ホール店長の中には、何かの形でやりたい人もいますが、諸事情で無理なケースもあります。
だから、私の提言をきっかけとして、3月11日14時46分について考える機会にして頂きたいと思っています。
また、こんな声を頂戴しました。
「元店長の寄稿を読み、私の気持ちを当日店頭に張り紙をしようと思いました。寄稿を読まなければそれもしなかったでしょう」(ホール店長)
震災がきっかけで、パチンコ業界が国民や政治家からも批判され、多数の業界人が、業界の存在する意味や自分の仕事に誇りをもてるか考えたと思います。
あの当時を振り返ってみたらどうでしょうか?
震災直後、首都圏大停電が起きる可能性が高いと言われていた時、「パチンコ店は営業すべき」だと言えますか?
ネオンを煌々と点けて営業していたあの時を思い出してみて下さい。今はあの時の事を恥ずかしいと思うでしょう。
ピーワールドで不適切な表現をした大手店長は、今は反省していると思います。
業界もあの震災から大きく変わって、人間も大きく成長をしたと思います。
それでいいのです。
あれだけバッシングを受けた業界ですから、他の業界がやらなくても何かを当日したいと思う業界人がいて当たり前です。
ホール5団体決定のネオン消灯もその気持ちの現れです。
この時に、自分の出来る事をやれば良い。
ここで様々な検討をされているホールの事をちょっと紹介します。
*従業員から、震災1周年にあたってメッセージを書いてもらい(強制ではない)、店頭に掲示してみたい。
*14時46分に、店内テレビの前に黙祷出来る雰囲気を作りたい。
こんなコメントもありました。
*業界が何億寄付しても、その溝はまったくもって埋まってない。今は寄付の金額よりも、被災者の気持ちや日本人の気持ちを理解するのがいいと思う。我がホールでは方法は違うやり方で黙祷をやりたい。
*当社に合う方法を検討して黙祷をしますよ。
*具体策は検討途中ですが、弊社では下記の要領で実施する方向です。大規模店舗があるので営業時間中には困難だと判断。
代案として開店前10時から1分間黙とう時間とする。張り紙やホムペに何の告知をして、国民に意思表示をする。14時46分から5分間BGMを中止する。内容は変更する可能性はありますが、この方向で今後も検討します。
*目的をはき違うことのないよう、実施に向け熟慮したいと思います。現実的には、中堅チェーン勤務副本部長さまのご意見が、店舗もお客様も無理なく事を運べるかと…。
もしも、やれなくても仕方ないと思います。
今迄やった事がない事を検討するのですから、それは大変だと思います。だから、やれるかどうかを考える事が鎮魂にもなるでしょう。
過去から現在に渡り、多くの非難を頂戴する業界だからこそ、他の業界とは違い、常に考える事が必要だと思います。
最後に私の本音のごく一部を書きます。
前回のエントリーに、本来なら、震災直後からホール業界・ホール組合から、ドル箱積みの規制論がでるべきです。と書きました。
ドル箱の積み方について規制もできない組合が、ネオンを消灯する事で、震災で亡くなった人たちへ哀悼の意を表すとともに、被災地の一日も早い復興を祈念するため、との趣旨らしいが、そこまで思うならば、当日休業は無理でも、ドル箱タワー建設規制をお願いしたい。
この規制が出来ないで、何がネオン消灯だ!
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