実は等価交換が禁止になって、一番喜ぶのは現場の店長かもしれない。等価交換で躍進したチェーン店の店長はこう声を潜める。
「等価を続けるのはもう無理。会社の粗利指示がきつすぎる。これ以上閉めたら本当にお客さんが離れる危険水域に来ている。店長同士で話し合っているけど、みんなの意見は等価を捨てるで一致している」
パチンコにおカネが使えるお客さんがどんどん減っている一方で、会社運営するための粗利金額はお客が減ろうと変わらない。ここで粗利確保のために現場の店長は、お客が飛ぶことが分かっているので、泣く泣く釘を閉めている、というのが現状だ。
月30万円以上使っていた自営業のパチンコマニアは、現在は5~6万円までに抑えている。抑えている、というよりパチンコへ行く気が起こらないようだ。
「パチンコとは他人が打ち込んだ分を取るのがパチンコだと思っている。それでいつも行っている4円等価の店のお客ががた減り。台に座っていない。これで誰から取るの? 打つ気が起こらないね。1円コーナーにお客はたくさんいるが、1円はは勝っても知れているので、はなっから打つ気にならない。それでパチンコへ行く気が起こらなくなった。何より勝てなくなったことが一番大きな理由」
このヘビーユーザーはおカネが続かなくなって止めたわけではない。勝てそうな環境でなくなったことが足を遠のかせた。
「これまではお客さんとの駆け引きが醍醐味だった。今の粗利指示では店長の裁量権もないのに等しい。これではモチベーションも上がらない」(チェーン店長)
客が一番敏感なことは1000円スタートだろう。現状、等価で12~13回しか回らなくなっている。
「30個交換で18~20回回せたらお客さんも戻ってくるはず。早く手を打たないと手遅れになる」(チェーン店長)
裏を返せば、競合店は回わせばチェーン店の客を奪える、ということだ。
この店長は親しい常連客に声をかけてみた。大きな農家のお父さんで最近来店回数が減っているためだ。
「おカネはあるけど、回らないので来なくなった。パチンコはストレス解消のためにやっているので、これではイライラするだけ。ガツン、と回してくれたらいいのに、どうして回らなくなったの?」
またしてもおカネがあってもパチンコから足が遠のいた客の登場である。常連客ほど回転数にはシビアに反応する。
客を付けて粗利を取るのが本来の営業だったはずなのに、客が減っているところで粗利を取れば、どうなるかは、小学生でも分かる。

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