経営者が逮捕されても起訴されて判決が出るまで営業は続けられていたが、今回のケースはちょっと違う。
2月16日、奈良県でホール経営者と店長が逮捕された。容疑は自家買いだった。
逮捕から2日後の18日、当該ホールへ電話してみると、ソフトバンクのケータイへ転送された。
「きょうはお店は営業していますか?」
「パチンコのほうですか?」
「そうです」
「パチンコの方は営業していません」
これだけ分かれば十分だった。
すでに営業はしていない。
「看板料だけ払っているホールが未だに残っていて、今回のホールもその一軒だった。なぜ、そうなっているかというと一時期景品業者を県下で統一する機運があったんですが、県外の大手が出店してきてその話も断ち切れてしまった。ホールの系列会社が換金所をやっているケースも少なくなかった。今回逮捕者が出たことで、きっちり3店方式が守られていないホールも重たい腰を上げざるを得なくなった。ここは単店だったがチェーン店だったら大変なことになっていた」(事情通)
今回は特殊景品の商品価値にも問題があった。昔懐かしい「ライターの石」を使っていたようだ。
この県では3店方式が100%守られていなかったために、昨年4月、警察の方から3店方式を遵守するように組合に通達があったようだ。
いわば“最後通告”があったにも関わらず、ホールは従うことなく営業を続けていた。弁解の余地もない。
北海道と同様に自家買いなのだが、北海道では行政処分が出るまでは店は営業を続けていたが、こちらは経営者が逮捕された翌日からは営業していないようだ。
厳密な3店方式が守られていないのはこの県が特殊な事情でもない。地方へ行けば厳然と残っているのも事実だ。
経営者逮捕を伝える毎日新聞には社長のコメントが「買い取りが悪いと思っていない」と掲載されている。
この短いコメントには、昔はこれでよかったのに、なぜ、今はダメなのか。ヨソもやっているのに、なぜ、うちだけが挙げられるの、という悔しさが感じられる。
昔は黙認されたことも時代の変化と共にダメになっているが、3店方式はパチンコ業界が遵守しなければならない1丁目1番地である。
それができないようであれば、業界から退場するしかない。

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