「決められたコトは守る」というのは子供のころから教えられてきたことだが、この業界のメーカーは、そんな最低限のことすらできない。
抱合せ販売などを巡り、ホールとメーカーが交わした団体合意の風化も早かった。
大人の団体同士の取り決めがいつの間にか反故にされている。メーカーも売れ始めると急に態度が変わる。
機械は水物。いつまでも売れ続けることはないので、売れる時にできるだけ売れるように販売方法を変える。
弱小メーカーの時は買って下さい、とホールに頭を下げたのに、売れ始めると売ってやるからウチの条件を飲め、と豹変する。
日工組と日電協が作成した「営業担当者のための独占禁止法コンプライアンスマニュアル」の第二版が刷り上ったのはことし1月だった。

冊子の中には独禁法違反になる恐れのある販売方法について解説している。
ホールとメーカーが販売方法でトラブルになるケーススタディーが載っている。
たとえば、これ。

今問題になってフィールズのモンスターハンターの販売方法がまさにこのケースに当たる。
ホールが20台希望していても、40台以上でないとトップ導入できない等の苦情が寄せられたため、全日遊連はロデオとフィールズに対して要望書を提出したようだ。
「かわいそうなのはフィールズの営業マン。彼らは会社からの指示に従っているだけ」と同情する声も聞こえてくるが、評判はおしなべてよくない。
コンプライアンスマニュアルは何のために作っているのだろう。
マニュアルに記載されている独禁法違反の恐れがある販売方法を実施しているにも関わらず、営業マンは疑問を抱かないのだろうか?
疑問に思ったら会社の法務部や組合に問い合わせてくださいと、はじめの言葉に記されている。
「面と向かって大声でメーカー批判はできない。機械を売ってもらえなくなると商売ができなくなる。業界内にいるといいたいこともいえない。批判と取られれば粛清される。これじゃ、北朝鮮と一緒」というホール側の本音も漏れてくる。
ユニクロはより品質のいいものをより安く販売することで急成長した。
売り上げが上がれば、ホールは高くても買う。このため業界のメーカーにはユニクロのような思考回路がない。
これも業界の特殊性の一面である、と諦めたら一生この業界は変わらない。

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