まず、一件目は都内で700台規模のホールでの出来事。
不正を働いていたのはアルバイトの女性スタッフだった。手口は客として来店していた彼氏が座った台のガラスを開けて、スタートを指で広げる、という手口だった。しかも気づかれない程度に広げるという巧妙さだった。
犯行に及ぶ時は、両サイドに客がいない時を見計らって行う確信犯だった。
しかし、すぐにばれてしまった。
パチンコ台は防犯カメラと連動しており、台を開けるとカメラが瞬時のその台をクローズアップする仕組みになっている。ゴト対策でかなり昔から装備されている。
ホールは器物損壊で警察に突きだそうかと思ったが止めた。
アルバイトを教育する際に、こうした防犯カメラの仕組みを教えることも社内不正を未然に防ぐことにつながる、というもの。
フィーバーが登場する以前に京楽が「UFO」という名機を発売した。この機種なら指で釘を広げることは打ち止めに有効だが、セブン機でスタートを広げたぐらいでは、あまり意味はない。
二件目も都内のホールでの事例だ。
このホールではスロットだった。
ホールが気づくまでしばらく時間を要した。
店長が設定を打ち替えた台へ朝一で20代の若い男が座わるようになった。勝率が上がり毎回のように同じ人間が勝てば、ホール側も怪しむ。そこで組織的に不正を行う場合は、打ち手を変えてホールに気づかれないようにするのだが、そこは組織的犯行ではなかった。
このホールでは、朝の開店準備中に店長が設定を打ち替えていた。
設定を打ち替えるということは、前日出ていれば、マイナス設定。逆に出ていなければプラス設定、というぐらいは従業員でも想像が付く。
設定を漏えいしていたのは女性スタッフで、相手はやはりスタッフの彼氏だった。設定を打ち替えた台番号をLINEで送った。彼氏は前日出ていなかった台番を確保していた。
スタッフと勝率の高い客が一緒にいるところを同僚に目撃されたことが、設定漏えい発覚のきっかけとなった。
設定を打ち替える時間帯は、従業員が出勤する前に変えた。
次は不正ではないが、やはり女性スタッフとお客の色恋沙汰。
その女性スタッフは誰が見てもカワイイ子だった。客が恋心を抱き、プレゼントを渡した。
「お客さんからプレゼントを無理矢理渡された」と店長に報告した。
店長は後日、プレゼントを渡した客に対して「こういうことをされては困ります」と注意を促した。
「どういうこと? 手紙や金品を渡したらいけないというルールがあるの?」
男の言い分は店内ならともかく「店外で渡していてプライベートのことなのだから関係ないだろう。それに無理矢理渡してもいない」。
男は証拠を持っていた。
胸ポケットにiPhoneを入れ、動画を撮影していた。その内容を見ると男の言っていることが正しかった。
従業員のいうことを鵜のみにして、お客に不快な思いをさせたことに店長は反省した。
店外=就業時間外のことまでは、口を挟めない。にしても、男女関係はパチンコ不正にもつながる可能性を秘めている。

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