悩んだ結果、地元の役所で開かれている無料弁護士相談へ駆け込んだ。
相談を受けた役所がホールの本社へ連絡してきたことから、今回の一件が明るみになった。
女性スタッフにアプローチしていたのは、33歳の独身店長だった。
会社が店長を呼び出して、事情を聞いた。
「本当に好きなので、真剣に付き合いたい、と思っている」
店長にはパワハラの意識もセクハラの意識もなかった。店長には恋愛とセクハラの境目も分からなかった。もっとも会社も社員に対してハラスメント教育は一切やったことがなかった。
セクハラは「かわいいね」といっても、相手が嫌がれば全部セクハラになってしまう。今回のように相手が店長に好意を持っていなければ、セクハラになってしまう。
会社が出した解決策は、店長の異動だった。
女性スタッフは契約社員なので遠くへ転勤させることもできないからだ。
今回の一件で、会社は12人の管理職を集めて、外部講師にハラスメント研修を行った。
この時、スーパーマーケットの事例が出た。
1店舗で60名の従業員が働いていた。
この事例も恋愛問題だった。
30代の店長は独身、相手は50代×1のパートタイマーだった。年の差カップルが仲良くなって、付き合っていた。お互い独身なので問題はないが、スーパーといえばパートタイマーのおばちゃんたちが多い。
2人は職場でも付き合っているのを感じさせるほどの雰囲気を醸し出していた。
「贔屓している! 対応が全然違う」と言い出したグループが出てきた。
パートでもリーダー格のおばちゃんが、50代×1おばちゃんに対してパワハラを働くようになった。
職場の雰囲気がギスギスするようになった。
パワハラは役職者が部下にするだけでなく、アルバイトスタッフの中でもアルバイトリーダーがアルバイトに対してパワハラを行っているケースがある、ということだ。
その一方で働く側にも権利意識が高まっているので、個人でも加入できるユニオンがあるので、不当労働があればすぐに駆け込んだりする。
介護休暇も一定の要件を満たしていれば、会社は拒否することができない。「代わりの人がいないから」と断るとパワハラで訴えられたりする。
相手が嫌がればすべてがハラスメントとなる。
まずはハラスメントを社内規定で明文化して、罰則規定を設け、社員教育することからスタートしなければ、ハラスメントはなくならない。

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