パチンコ日報

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メーカーに挑戦して欲しい困難なモノづくり

時計の針を過去に戻すことはできないが、人間は過去の失敗を反省して、同じ過ちを繰り返さないことはできる。

業界が大衆娯楽とかけ離れだしたのは確変が認められたCR機からだが、決定的にしたのが4号機時代からだ。合法的賭博機とも揶揄された4号機は裏モノを必要としないほどの連チャン性能を発揮した。時には100万円分も勝てるとなれば、サラ金で借金してまでサラリーマンや主婦までが追っかけた。それがサラ金の総量規制にもつながった。

保通協試験を合格したとはいえ、警察庁としては合法賭博機をいつまでも市場で稼働させるわけにはいかず、4号機は強制撤去されることになる。4号機時代、ホールだけでなく、専業が出現するぐらいお客も儲かった。

4号機撤去によってその稼ぎ頭を薄なうことに恐怖を感じたホールの中には、4号機時代の終わりと共に、撤退したところもある。

この時、ホールは4号機ショックから抜け出すために、高射幸性のパチンコのMAX機に注力すると共に、等価交換営業に舵を切り始めた。4号機撤去によって失った利益を確保するには、パチンコも等価営業が手っ取り早かった。

パチンコの等価で大手が成功すると、競合店は対抗策上、等価に走らざるを得なかった。

そこに一物一価の指導が入ると、好調だったスロットの交換率に合わせて、パチンコは等価ではなかったホールまでがスロットの等価に合わせた。

元々、パチンコの等価は釘調整も難しく、遊ばせるゲージを作れる優秀な釘担当者もそうそういない。

パチンコ営業の基本は、玉を出しても交換差益があるので、最大160%まで出しても赤字にはならなかった。ところが、等価営業は100%以下の出率で集客しなければならず、そんな営業方法が長続きするものではないことは分かる。

最大の“被害者”はハネモノだろう。ハネモノは鳴かせてなんぼ、拾ってなんぼ、Vに入ってなんぼ、という機械特性がある。これが、等価交換によってものの見事に潰されてしまった。

鳴かない、寄らない等価釘ではそりゃ、打ってもらえない。鳴かせて、寄らせて、Vは運次第、という基本ができていないのだからハネモノ好きでも打たなくなる。

100%以下の出率にユーザーが疲弊するのに時間はかからなかった。年々減少する遊技人口がそれを現した。

客のおカネが続かないことに気づいたホールの一部が、4円の4倍遊べることを謳い1パチ営業をスタートさせる。各地で成功事例が出ると、瞬く間に全国に広まる。4円ではおカネが続かないユーザーが、水は高いところから低いところへ流れるが如く、1円にどんどんシフトしてきた。

4円は閑古鳥が鳴き、1円は賑わった。

すると、4円が揮わないことで、ホールの売り上げ、粗利はどんどん下がる。4円の時ほど儲からなくなったので、ホールもコストのかかる機械代を削減するようになる。すると、メーカーは新台が売れなくなり、上場メーカーの中には赤字決算を連発するところもで出てくる始末。

ホールの営業が1パチ主体となり、新台を買わなくなった。1パチは中古で回すことが当たり前だからだ。2005年は年間約400万台は売れていた新台が、2017年度は133万台まで減少している。このまま店舗数が減れば、100万台を切るのも時間の問題だろう。

メーカーが機械代を上げるのは、「ホールが新台を買わなくなったからだ」と責任を転嫁する。

そんな責任のなすりあいよりも、メーカーはやらなければならないことがある。

ドラマ下町ロケットで佃社長が社員にこんな熱弁を揮った。

「技術者として、時代の先を行かなきゃ、いずれ時代に取り残される。だから、その前に俺たちも変わらなきゃいけないんだよ。これは無謀な挑戦かもしれない。でも、この挑戦があるから、未来は救われる。夢は形にできる」

パチンコ業界だってメーカーが挑戦をしなくなったら終わりだ。

たとえば、ハネモノは等価によってホールに持ち味を殺されてしまったわけだが、高価交換でも、ホールが触ろうとも、ブンブン鳴かせることができて、玉を拾うハネモノを開発するだけでも、ハネモノファンが戻ってくる。

メーカーには困難と言われるモノづくりに挑戦して欲しい。



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