「どういうことだ?」と説明を求めた。
二人はお互い24歳同士の男女社員だった。会社には内緒で付き合っていた。
仕事が終わって、夜ドライブへ出かけ、そのままラブホテルで一夜を過ごした。事件はそのラブホテルで起こった。
二人は早番なのでラブホテルを5時過ぎにチェックアウトすべく、エレベーターで下に向かおうとしたところへ、東南アジア人風の外国人カップルが乗り込んできた。
小さいエレベーターなので4人も乗れば、ぎゅうぎゅうになるほどのせまっ苦しさがあった。
その時だった。
外国人の女の方が片言の日本語で、「サワッタ」と騒ぎ始めた。男性従業員にすれば身に覚えのないこと。
そのまま、エレベーターはフロントに到着した。
女の方は「サワッタ、サワッタ」とここでも騒いでいる。
「触ってはいない!」
押し問答が続いた。
フロントが収拾がつかないと思ったのか、110番した。間もなく警察が駆け付けて事情聴取が始まった。
まずはエレベーター内の監視カメラをチェックした。
4人の後ろ姿が映っていた。男性従業員は腕を組んでいたが、その画像からは触ったかどうかは確認できなかった。
警察が来ても、
「サワッタ」
「触っていない」
の押し問答が続いた。
事態を収拾することなく、時間だけが経過した。
外国人カップルが示談を持ちかけてきた。
金額は3万円だった。
警察は民事には不介入だ。
警察官が口を開いた。
「ビデオを見る限りやっていないようだけど、被害者から親告があったら、やっていない証明をしなければならない。痴漢は親告罪なので、親告されたら逮捕することになる」
警察が駆け付けて4時間が経過した。男性従業員は早番に間に合わないと観念して店長のケータイに連絡した。
男性従業員にすれば、冤罪であり、やってもいないのに3万円は払いたくない。
それを含めて店長に相談した。
店長もこんな事例は初めてのことで、対処の方法が分からず、第三者に意見を求めた。
「3万円払って示談に応じた方がいい。ただし、やってはいない、と。示談に応じなければ後々会社を休むことにもなり、裁判となれば時間とカネもかかる」
3万円払って無罪放免となったのは午後1時だった。
このラブホテルと外国人カップルはグルになっている可能性が高い。早朝5時にエレベーターに乗り合わせることも不自然だ。
翌日が勤務なら、とりあえずラブホテルは利用しないこと。
あなたが店長ならこの場合、どういう指示を下しましたか?

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