「大阪にカジノができたら大阪のパチンコホールは壊滅状態になる。大阪には誘致しないで欲しい」と大阪のホール関係者が野党にそんな陳情を行っているようだ。
野党に陳情したところで阻止できるはずもないが、ホール関係者の危機感はこんな理由だった。
「パチンコ業界から見ると、1パチ客がカジノへ行くとは思いませんが、カジノは1パチ客も根こそぎ持っていこうとしています。ラスベガスでは1セントから賭けられるペニースロットの登場で大ブームになった。1セントで入門させ、上のレートへ行かせる戦略もある。日本では6000円の入場料がネックとなるので、1パチ客はカジノへは行かない、と踏んでいましたが、6000円の入場料がアドバンテージになってくる。ペニースロットでは6000円分のペイ率を上げたらどうなりますか? ホールよりも還元率がいいとなれば、交通費を払ってでも行きますよ」
6000円の入場料がアドバンテージになる、という考えは筆者でさえも持っていなかった。1パチ、5スロ客を呼び込むには低レートのスロットのペイ率を高める。
コストコは年間4000円の高額な会費が必要だが、それでも大勢の人が利用するのは、4000円分が商品価格に反映されて、メリットがあるから高い会費を払ってでも会員になる。これと同じような発想である。
入場料の6000円は還元する戦略でやられると、確かに大阪のホールには多大な影響が出るかも知れない。だからといって野党に陳情しても力はない。
ところが、ところが、6000円の入場料をペイ率を上げて還元することはできない。入場料は国へ納められ一般財源として使われる。
それだけではなく、スロットマシンやルーレットやテーブル1台ずつにゲーミング税が課せられる。例えばマカオではVIP用のテーブルなら年間400万円、一般用なら200万円といった具合だ。
さらに国と自治体に収める納付金は粗利の30%に決定している。カジノ業者に対する租税公課の中身はこれから具体化して行くが、なんやかやと税金で持って行かれる。
カジノではゲーム機1台ずつにゲーミング税が掛けられるとなれば、同じく換金ができるパチンコも遊技機1台ずつに税金を掛けろ、とカジノ業界から声が挙がってこなければいいのだが。

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