パチンコ日報

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閉店するパーラー宮西の回顧録

東京都府中市にある「パーラー宮西」が12日にひっそりと閉店する。





同店の運営は、競走馬さくら軍団のオーナー、さくらコマース。グループ企業には、焼肉のたれ「ジャン」で全国的に有名なモランボンがある。

同社は、焼肉のたれ以外に様々な製品を出していて、各種鍋スープの素や、餃子などの皮も出荷しており、スーパーにおける餃子の皮シェアNo.1とも言われる。

セブンアンドアイホールディングスで売られているセブンブランドの餃子の皮などは、モランボンが製造しているばかりではなく、生協のプライベートブランドの製造も引き受けている。

関連会社の警備会社STSは、丁寧な警備で地元では有名で各地で警備を行なっている。最近では、シェアサイクル事業に参入して市内には22カ所にシェアサイクルを配置していて高い稼働率となっている。





ホール企業の中では多角化に成功している部類だろう。

「パーラー宮西」は25年前、スーパーの忠実屋が入居していたビルをさくらコマースが引き継ぎ、地下と1階がホール、上層階にはボーリング場やセガのゲームセンターを入れていた。さくらコマース本社やモランボン本社もこのビルにあった。

ビルが老朽化して立て直す時期に来ているところへ、前々から買取の話が来ていた。さくらコマース本社ビルだけでなく、周辺の土地や立体駐車場など含む15筆を、長谷工コーポレーションが開発することとなった。





跡地の土地利用構想によると、集合住宅、店舗、保育所が入る予定。つまり、保育所があるという以上は、風俗営業店は入らない。ということは、「パーラー宮西」も入らない。

オープン当初の「パーラー宮西」は、約1000台の遊技機が設置された。当時としては、全国的に見ても最大級であった。

景品交換場は、1階と地下にそれぞれあり、コンビニを彷彿とさせる大規模の景品スペースは、テレビでも紹介をされていた。実際に、モランボンの製品はもちろん、乳製品やハムなど数多く取り揃えてあった。

面白いのは、最初からしばらくは、チューリップ台が100台以上あり、羽根モノなど電役機と合わせて250台以上はあったと言うことだ。特にチューリップ台は大人気で、連日老若男女問わず稼働があった。

毎日、抽選解放に大勢が並んでいた。

当時、特に人気だった景品はタバコで、数の制限がなく、しかも交換玉数は、他店よりも有利だった。セブンスター1箱200円の時、さくらコマースのパチンコ店では50個。他のホールでは65個から80個の時代だったから、タバコは人気景品だった。

さくらコマースグループの基本方針として、一般景品は等価交換だった。今では当たり前の一般景品等価交換だが、当時はそうでもなかった。

グランドオープンから全国から視察が絶えないホールであった。平均稼働は7割あり、土日は9割以上の稼働を誇った。

近くには東京競馬場があり、多摩川競艇への無料バスが府中から出ていた関係から、ギャンブル客も多数来店した。

競走馬さくら軍団が全盛の頃は、競走馬グッズの専門店が同じビル内にあり、「パーラー宮西」は賑やかで、地域一番店に相応しい出玉があった。

ジャグラーがまだ出てない時代から北電子との関係は深く、サーカスを多数入れていたことを思い出す。サーカスだけで40台。やがてサーカスが消え、初代ジャグラーが40台設置されると連日満席に。ジャグラーブームの火付け役になったといえよう。

4号機時代、MAX機時代を経て「パーラー宮西」は衰退していく。

最初は40玉、8枚交換だったが、徐々に等価交換へ。一物三価は一物一価となり、それにつれて稼働は落ちて行った。数年前から、4パチの稼働は1割を切り、ほぼ低貸専門店化していった。

稼働が落ちた理由は、グループの「スパークル」と言うホールが新設されたり、競合店の旧金馬車府中店が力をつけてきたからだ。余談だが、キコーナに買収された金馬車の1番店は、新宿店ではなく府中店だった。

その金馬車が、一時期経営難になった時があった。2階にあったスロットコーナーのジャグラー全台がある日、消えてなくなり、代わりにベニヤ板が張られていた。借金のカタに取られたのだ。

「パーラー宮西」と「金馬車府中店」は永遠のライバルと思われたが、先に金馬車が買収され、「パーラー宮西」は閉店。

こうして話題の大型繁盛店を定点観測をしていると、繁盛店だからと言って永遠に続くわけではないと痛感する。

「パーラー宮西」が2月12日をもって閉店すると、張り紙が貼られたのは2月1日のことだった。そのわずか12日後には閉店だ。何とも慌ただしい。

この経過の中で、「パーラー宮西」の古い固定客から、こんな声が漏れてくる。

「あの爺さんや婆さん、年金支給日になるとパーラー宮西に遊びに来ていたが、今月の支給日に来てもパーラー宮西は無いんだよな~」

つまり、閉店日をあと少し伸ばして欲しいと言うことだ。

会社には閉鎖のスケジュールがあるかも知れないが、長年支持をしてくれた年金受給者ファンの事まで考える余裕やスケジュールがなかったのか?

最後に言いたいのは、閉店するにしても、そこまで考えてくれたらファンとして嬉しいと思うと言う事だ。

「パーラー宮西」、四半世紀、お疲れ様でした。



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デフレに勝者なし、低玉営業は?

「今、パチンコ業界は立ち上がれないほどの荒波にもまれている。1パチを始めると将来どうなるか、と想像力がなかった。今や4円復活の青写真を描ける業界人もいない。民主化運動の流れは誰にも止められないように、1円への流れは誰も止めることができない。こういう時は人の流れに乗るしかない。流れに逆らうことは労力と時間の無駄」と話すのは経済学者。

4パチが揮わなくなって久しい。今や新台として4円コーナーへ導入する数週間だけ稼働した後、1パチへと移動していく。これでは一握りの稼働貢献機種以外は、40万円以上する機械代を回収もできずに、安い中古しか導入できないホールへと流れて行く。

業界の流れは完全に1円に移行しているにも関わらず、パチンコ産業が巨大すぎて、メーカーが1円市場に合わすことができなくなっているのが現状で、市場ニーズと機械代のギャップが高すぎる。

4円の新台を打ってくれる層は限られているにも関わらず、それでもホールは、稼働があるうちに回収モードに入るから、4円客がどんどん消えて行っている。

「デフレに勝者なし」。これは流通業界の教訓である。スーパーが値下げ競争を始めると、最初は賑わうが、ライバル店がさらに値下げ攻勢をかけてきて、客はそちらに流れる。こうした客は「バーゲンハンター」と呼ばれ、固定客になることもなく、安売り店を探し回って歩き、その客は店に利益貢献もしてくれない。低価格追求だけでは商売は長続きしない。

これをパチンコに置き換えると、1円で稼働が取れなくなったホールは、さらに50銭パチンコ、20銭パチンコと貸し玉料金を落とす。こうなるとゲームセンター以下の売り上げで、人件費どころか光熱費も出ない営業に陥ってしまう。

また、イベントだけを狙う開店プロともダブる。

低玉貸し営業の流れを止めることができないのなら、メーカーはそれに見合った価格の新台を販売しなければ、業界は共倒れになってしまう。メーカーはホールが新台を買ってくれるから、ホールは客が新台を打ってくれるから買うわけだ。

そのサイクルの中ですでに4円の新台を打ってくれる客は極端に少なくなり、ホールも新台を買う台数がどんどん減っている。

メーカーもいつまでも強気な商売ができる状態ではないことは、とっくに気づいている。しかし、液晶一辺倒だったために、機械づくりを根本から変えることは急にはできないが、液晶を使わない安い機械を出すメーカーも出てきていることが一筋の希望の光だ。

「お客さんの負担をまず少なくすることが、客離れの歯止めをかけることになります。デフレの流れは、抗うのではなく、合わせる考えでなければ業界は縮小するだけです。まだ、1000万人のファンがいるうちなら間に合う」(同)と警鐘を鳴らす。

4パチ等価で儲かった時代はとっくに終焉を迎えているのに、等価仕様の機械づくりも機械代と併せて見直さなければならない。

最後にメーカーさんへ機械づくりのヒントを一つ。

「パチンコでゲーセンのコイン落としのような機械が出たら面白い」という意見があった。


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元店長の新市場を作るための提言 ⑤

ドン・キホーテでは店内で「ドンチキパ」というタイトルで、オリジナルラジオ番組が流れている。チキパこと9人組アイドルCheeky Paradeがパーソナリティーを務めている。

コンビニでもファミリーマートやローソン等がトークや話題曲を流すオリジナルの情報番組を提供している。

このアイデアを頂いて、全国のホール内で流すオリジナルラジオ番組を業界が制作する、というのはどうか。

パーソナリティーはパチンコの版権になる有名人を起用する。そのパーソナリティーのファンならば、ホールに番組を聴きに来る可能性は大きい。

例えば、AKBグループは、すでにパチンコやスロットになっているのだから、メンバーをパーソナリティーに迎えるのも面白いと思う。

番組は、月に2回更新する。

1日と15日。

パチンコをやりながら、パチンコ番組を聴く。パチンコの素晴らしさを伝えたり、メーカー担当者の開発苦労話を流したり。普段パチンコをやらない人でも聴いてみたい番組やゲストを揃える。

告知は、店外ポスターとかでしっかりやる。予算があれば他の媒体を使う。

制作費はメーカーやホールで賄う。ホールが番組を買ってもよいだろう。

さて本題。

初心者をホールにお迎えお招きするには、ホールがちゃんと環境を整えて初めて、効果が上がるというもの。

だから、パチンコ健康化戦略は長期的展望が必要だ。

脱税や送金問題、うるさい、煙たい、ギャンブル依存等の悪いイメージは、短期では変えられない。パチンコのイメージのチェンジにはそれだけの労力と時間と金がかかる。

今やらねば誰がやる! お前がやらずに誰がやる!

この言葉を、私から業界人に捧げたい。

今やらねば、そのツケが近い将来やってくる。業界人の誰かがやらなければ誰もやらない。

初心者向けパチンコを基準化するなんてどうだろうか。

例えば、呼称は「初パチ」。

スペックは50分の1、ST5

分かりやすいスペックにする。

現実の初心者は、4円から始めるのではなく、1円から始めるケースがある。
これでは、いつまで経っても4円なんか打ってくれない。

4円から入門して頂くにはどうするか? こういった環境整備をしないと、いつまで経っても現状を打破できない。

もう1回書こう!

今やらねば誰がやる! お前がやらずに誰がやる!

つづく



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管理遊技機の先に見えてくるフリー遊技機とは

2018年は旧基準機を販売して、新基準機の開発は後回しにされている感があるが、実際のところパチンコメーカーはどう考えているのか?

あるメーカーの企画のトップがインタビューに答えてくれた。

「当社は2月1日になったら真っ先に新基準機を持ち込みます。もちろん設定付きです。キラーコンテンツの台には設定はいらない、と思いますが、それ以外の機種では設定差を付けることで様々な可能性が見えています。新規則だからこそ設定によって新しいメリットを見出すチャレンジをメーカーとしてどんどん行なっていきます。当社のチャレンジは数年後に登場するであろう管理遊技機への布石でもあります。そして、その先にはもっとユーザー、ホール、メーカーの3者がwin-winの関係になれる自由度の高いことも考えています」

新基準機では出玉性能が3分の2に抑制され、さらなる客離れが進むとばかりに、ホール企業の中には売却やM&Aによってホール経営から撤退するケースも散見される。それがさらに加速するのが今年であるが、この企画者の頭の中にはマイナス思考は見当たらない。

なぜなら、業界で一番パチンコを打っている自負から来る“パチンコ愛”があるからだ。パチンコを開発するために生まれてきた申し子ともいえる。

管理遊技機についてはこう持論を展開する。

「作る側=メーカーのメリット、入れる側=ホール様のメリットが見えてくるところからが開発のスタートだと思います。管理遊技機になれば騒音問題が解消されるといいますが、それぐらいではホール様にメリットを感じていただけません。ホール様が思わず試したくなるすごいメリットが必要だと思います。そこで、4円から1円の貸玉料をユーザーが自由に選べるようにできる、レートを変更できるようなものを考えています。まずは1円で良さそうな台を探して、『これだ!』と思ったら4円に貸玉料を変更して勝負する。これがフリー遊技機です。そうすることで、ユーザーも含めた3者がwin-winの『3W』が完成するということです」

4パチユーザーでもあるこの企画者は4円ユーザーが「冷遇されている」という。4円コーナーは新台ばかりで、打ちたい台がすぐに1円に回る。1円は台が選びたい放題だが、4円は『新台よりも、コアな台を打ちたい』というその選択肢の幅があまりにも狭い。

今やパチンコ全体の約半分が低貸コーナーという状態である。そのうちの何%かでもフリー遊技機(管理遊技機)にして、1台で貸玉料が自由に選べるようになればホールのメリットも大きい。新台は4円コーナー、稼働が取れなくなったら1円コーナーという流れも断ち切れる。

機械作りについてもユーザーをワクワクさせる秘策を温めている。ここまで喋って大丈夫なのかと思う内容だ。

「最先端の液晶技術とアナログの融合です。大当りか否かの最後の最後はアナログで見せる。お客さんが一番ハラハラドキドキする部分を玉で見せる。それがパチンコ本来の醍醐味です。今の台はスタートチャッカーに入った時点で結果がすべて決まっている出来レースばかり。その最後の部分だけでもアナログにしてしまえば、ユーザーは嫌でも玉の行方に一喜一憂する。スマホなんか見ている暇ありませんよ(笑)。ホール様は、アナログ役物はドツキを警戒しますが、敢えてやってもらう。魂で叩きたくなる。これこそが、ユーザーの技術介入です」

面白い機械作りは新規ユーザーを掘り起こすためにも欠かすことはできないが、それ以前に、業界人が家族、親戚、友人をパチンコに誘える環境を整えることが先決だ。新規ユーザーはどんなにパチンコの面白さを伝えても、1人でホールに入るというハードルは非常に高い。実際にやっている人が誘わないことには増えない。

メーカー視点で考える理想の環境とはこうだ。

「メーカーが20万円以上の機械を作るのは年間1機種とすることです。20万円以下なら何機種でも構いませんが、液晶機はキラーコンテンツの1機種のみにする。こうすれば作りこみも必須になりますし、ホール様が余分な買い物をすることもなくなるでしょう。それと、一番重要なことは注文から納品まで半年間あけるようにする。これぐらいの期間があれば我々メーカーにとっては部材リスクがなくなりますので、これを全メーカーがやれば一気に業界は変わります。ホール様の機械代負担が少なくなればユーザーがもっと楽しめるようになりますから」

こうして一連の話を聞いていると、パチンコ業界の未来は悲観することばかりではない。こんな考えのメーカーが台頭して来ればワクワクするパチンコ機も期待できる。

そして、業界の未来にも希望が持てる。





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サラ金業界とパチンコ業界に就職した兄弟の物語

男2人兄弟。共に大学を卒業すると兄はサラ金大手の武富士へ、弟はパチンコ業界の全国チェーンへそれぞれ入社した。

2人は頑張ってそれぞれの業界で店長になった。共に店長時代の年収は兄が1100万円、弟は700万円だった。

弟は兄から事あるごとにバカにされた。

「消費者金融は頑張れば、頑張っただけ給料が貰える業界だ。取り立てはブラックだったが、高卒の女性社員でも2~3年目で年収は400万円は貰える。パチンコ業界はそんなに貰えるか?」(兄)

実際に店長の年収でも大きな差になっていた。

「パチンコ業界は負けた人で成り立っている。借金が膨らんで自己破産する人もいたが、パチンコ業界が大きくなったのは、オレらの業界がパチンコ客におカネを貸していたからだ。そういう意味ではオレらの業界の方が上だ」(兄)

弟の業界を見下していた兄だったが、ご存知の通り武富士は過払い金請求問題で2010年に会社更生を申請して受理された。これがきっかけで会社を退職した。

「業界一のウチの会社が潰れるとは誰も思っていなかった。消費者金融業界自体が、28%のグレー金利ゾーンを廃止に追い込まれるぐらいで、過去に遡って過払い金を払えなんて、最高裁判決が出るとは思ってもいなかった。会社が潰れたのは、すべては2兆円ともいわれた過払い金のせい」(兄)

見下していた弟の業界は生き残っているが、サラ金大手は全てがメガバンクの傘下に入った。

一方の弟も2年ほど前、エリア長を最後に退職している。

「3店方式に不安はあります。サラ金の過払い金のようにいつ最高裁判決が出るか分かりません。ウチは全国展開していたから、各都道府県の状況は把握しています。東京は金を使っているので、逃げられるかもしれませんが、逃げられないような危険を孕んでいる県が多すぎます。3店方式のトリガーを引いたのがカジノだと思います」(弟)

一昨年11月18日、民進党(当時)の緒方林太郎議員の「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する質問主意書」に対して、政府は「風営法の規制の範囲内ならパチンコは賭博罪にはあたらない」と画期的な判断を下した。

「だからといって楽観視しているのが一番怖い。それがまさに兄の会社ですよ。まさか過去に遡って過払い金を返すように命令が出るとは思ってもいなかったわけです。パチンコ業界だっていつ、何がどうなるかは分からない」(弟)

賭博であるカジノは特別法で認められることになるが、カジノと同じように換金ができる3店方式の存在を問題視する動きが出てきた時に、風営法を遵守していないケースが厳しく取り締まられることになる。


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