先日もコミュニティーメンバーの一人が亡くなられたばかりだ。
高齢者に支えられているホールならどこもが抱える問題でもある。そのホールの店長はコミュニティーメンバーが、せめて年金支給日だけは元気な姿を見せるために義務感で来ている、という話を聞いて地元新聞のお悔やみ欄を毎日、チェックするようになった。
また、別のホールの話だが、これも茨城県の話し。そのホールには老夫婦が仲良く通っていた。
ほとんど毎日のように来ていたのに、ピタリと来なくなった。名前も住所も分かっている。もしや、と胸騒ぎがした。
ある日、常連客の口伝えで、おじいちゃんの方が脳梗塞で倒れたことが分かった。幸いに命に別状はないことだけは分かった。
ある日、おばあちゃんが店に来て店長にこうお願いした。
「パチンコ台を売ってくれないかね?」
さすがに、パチンコ台を売ることはできない。
「おじいさんがどうしてもパチンコを打ちたいというもんで」
理由を聞くと、パチンコ店は副流煙を吸うことになる。脳梗塞を患ったばかりでパチンコ店へ行くことにドクターストップがかかっていることが分かった。おばあちゃんはパチンコを打ちたい、というおじいちゃんの願いを叶えるために店長に直談判に来た次第だった。
そういう事情を聴いた以上、店長としてもこの常連客の願いを叶えてあげたくなった。
個人用にパチンコ台を販売している会社からパチンコ台を還元機付で購入して、夫婦の家へ設置に行った。費用は夫婦から頂いている。
おじいちゃんがストレスなくじっくり遊べるように、店長が釘調整をした。傾斜も4分5厘にした。
しばらくするとおばあちゃんから連絡が入った。
おじいちゃんがその台に飽きてしまった、というのだ。
そんなこともあって、これまでに6~7台の“新台入替”を店長が引き受けた。使い終わった台はおじいちゃんの家の居間に立てかけられている。
店長は思った。
パチンコ店が完全禁煙ならおじいちゃんは、ホールで思う存分自分の好きな台を打つことができる。
タバコを吸う人は本来健康だからタバコを吸うわけで、それなら、喫煙室でタバコを吸ってもらう。1日も早いパチンコホールの全面禁煙化に賛成するようになった。

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