機械が売れないということは、そのままメーカーの業績に反映する。赤字に転落したメーカーもいくつかあるが、黒字でも経常利益は前年対比で67%減と大幅に利益を落としている。
どこのメーカーも機械が売れずに困っているわけだが、その反動は営業マンに降りかかってくる。
「成績を上げられない営業マンに対するパワハラは相当なものがありますよ。上場していてもブラック企業のようなもの」(メーカー営業のAさん)
Aさんの会社は完全に売れるキラーコンテンツを持ってはいるものの、人気だったコンテンツが揮わなくなっている。訪朝するイメージがよくないのではないか、と分析したりする。
グランドオープンの立ち合いでは、各メーカーの営業マンが顔を揃える。そこで出てくる話題は「どこのホールも機械を買わなくなったね」と同じ話の繰り返しだ。
新台が売れない時代、営業マンの役割が原点回帰にある。それは、コンサルトとしての営業マンの存在価値だ。昔の営業マンは各ホールから仕入れた多彩な情報を持っていたものだ。
「地方のホールほど繁盛店のノウハウも知らないので、そういう情報を渇望しています。稼働を上げることができるコンサルを紹介するだけでも重宝がられます。とにかく、誰も知らない営業マン独自のネタをホールさんは知りたがっています」(Aさん)
営業マンの立場でホールを観察していると、稼働が上がらない原因も見えてくるようだ。
「押したり、引いたりの駆け引きがうまい店長、そういうことができる職人気質の店長がいなくなりましたね。昔は営業本部長に立てついてでもやるような気骨のある店長がいました。今の店長は上司には意見はいうが、そこまで。歯向かったりはしません。新卒採用でサラリーマン店長が増えた、ということでしょう」
ホールの財務状況はそれぞれ違うが、どこも必要以上に利益を抜きすぎることが現在の稼働状況を生んでいる。経営者は経営者でそこまで抜かないと会社が持たない、という事情があるだろう。
店長は玉を出して稼働を上げたい。稼働が上がれば自ずと利益も付いてくる。各種セミナーにも出席して参考になることもある。それを実践して行けば地域一番店になれるかも知れない。経営者は毎月の資金繰りに追われ、必要以上に利益を取れと指示を出す。
新基準機はパチンコもスロットも爆裂するような機械が出てくることは考えにくい。穏やかな波の機械で満足させるにはゲーム性が求められる。
必要以上に利益を取らなければいけないホールは、新基準機時代まで持たないかも知れない。それを察知したホールは売れるうちに店舗を売却してホール業界から去った。

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