パチンコ日報

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チラシは店長の精神的保険だった

5年ほど前、日報では物語営業チラシの具体例をシリーズで紹介した。一ひねりも二ひねりもあり、毎回、思わず読み込んでしまう内容だった。チラシの実例を挙げ、それに対する集客人数も検証していた。マーケティングを研究して、ここまで効果があるチラシなら異論はない。

ところが、筆者のところへ届く新聞チラシは、依然として新機種を載せただけで、どこのホールなのか分からないチラシが大多数を占める。月に2~3回もチラシを打っていたらアイデアも枯渇する? イベントも打てないので新機種導入の事実だけ? というより考えるのも面倒になってくるのだろう。

チラシの効果が疑問視されて久しいが中国地方の中堅ホールが、昨年4月から13店舗全店のチラシを廃止すると共に、ピーワールドの掲載も取りやめた。

「現場はマイナス効果を怖がって手を付けられませんでしたが、営業部主導で行いました。うちは店内のお客様との関係を大切にしているので、稼働には一切影響していません。チラシとは店長の精神的な保険に過ぎませんでした」(同ホール関係者)とキッパリ。

同社では新聞購読層とホールの客層に疑問を感じていたこともあった。毎日来てくれる固定客比率も高いので、店内告知で新台入れ替えも十分伝わる、という自信もあった。

「チラシを入れなくても新台入れ替えの日は確実に来ていただいています。逆に稼働がアップしたぐらいでコンサル会社から表彰されたぐらいです」(同)

稼働にも影響ない。それ以上に効果が出たのが大幅なコストダウンの方だ。

1回のチラシ代が30~40万円。月平均では200万円ほどのチラシ代がかかっていた。1店舗で年間2400万円。13店舗あれば、会社全体では3億1200万円のチラシ代を削減したことになる。

ピーワールドを止めたのも似たような理由がある。これも店長の精神的な保険で、ピーワールドを見て来るのは開店プロぐらいだろう。ただし、会社のホームページから外部のホールサイトへ飛ばす仕掛けは残している。

チラシを見て来る客がゼロではないとしても、費用対効果から見ると無駄な紙くずを量産していることになる。

では、中小企業が成功するチラシを作るためには、どうすればいいか?

中小企業はチラシ制作をマーケティング担当者にまかせている。そのマーケティング担当者は印刷業者にまかせている。これが売れないチラシを作ってしまう一番多いパターンである。

結論としてチラシを作るには、企業が自らの責任でマーケティングをもとにして企画を練り、チラシの内容を決定してから印刷会社に発注する。それ以外に成功する方法はない。



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