パチンコ日報

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管理遊技機の先に見えてくるフリー遊技機とは

2018年は旧基準機を販売して、新基準機の開発は後回しにされている感があるが、実際のところパチンコメーカーはどう考えているのか?

あるメーカーの企画のトップがインタビューに答えてくれた。

「当社は2月1日になったら真っ先に新基準機を持ち込みます。もちろん設定付きです。キラーコンテンツの台には設定はいらない、と思いますが、それ以外の機種では設定差を付けることで様々な可能性が見えています。新規則だからこそ設定によって新しいメリットを見出すチャレンジをメーカーとしてどんどん行なっていきます。当社のチャレンジは数年後に登場するであろう管理遊技機への布石でもあります。そして、その先にはもっとユーザー、ホール、メーカーの3者がwin-winの関係になれる自由度の高いことも考えています」

新基準機では出玉性能が3分の2に抑制され、さらなる客離れが進むとばかりに、ホール企業の中には売却やM&Aによってホール経営から撤退するケースも散見される。それがさらに加速するのが今年であるが、この企画者の頭の中にはマイナス思考は見当たらない。

なぜなら、業界で一番パチンコを打っている自負から来る“パチンコ愛”があるからだ。パチンコを開発するために生まれてきた申し子ともいえる。

管理遊技機についてはこう持論を展開する。

「作る側=メーカーのメリット、入れる側=ホール様のメリットが見えてくるところからが開発のスタートだと思います。管理遊技機になれば騒音問題が解消されるといいますが、それぐらいではホール様にメリットを感じていただけません。ホール様が思わず試したくなるすごいメリットが必要だと思います。そこで、4円から1円の貸玉料をユーザーが自由に選べるようにできる、レートを変更できるようなものを考えています。まずは1円で良さそうな台を探して、『これだ!』と思ったら4円に貸玉料を変更して勝負する。これがフリー遊技機です。そうすることで、ユーザーも含めた3者がwin-winの『3W』が完成するということです」

4パチユーザーでもあるこの企画者は4円ユーザーが「冷遇されている」という。4円コーナーは新台ばかりで、打ちたい台がすぐに1円に回る。1円は台が選びたい放題だが、4円は『新台よりも、コアな台を打ちたい』というその選択肢の幅があまりにも狭い。

今やパチンコ全体の約半分が低貸コーナーという状態である。そのうちの何%かでもフリー遊技機(管理遊技機)にして、1台で貸玉料が自由に選べるようになればホールのメリットも大きい。新台は4円コーナー、稼働が取れなくなったら1円コーナーという流れも断ち切れる。

機械作りについてもユーザーをワクワクさせる秘策を温めている。ここまで喋って大丈夫なのかと思う内容だ。

「最先端の液晶技術とアナログの融合です。大当りか否かの最後の最後はアナログで見せる。お客さんが一番ハラハラドキドキする部分を玉で見せる。それがパチンコ本来の醍醐味です。今の台はスタートチャッカーに入った時点で結果がすべて決まっている出来レースばかり。その最後の部分だけでもアナログにしてしまえば、ユーザーは嫌でも玉の行方に一喜一憂する。スマホなんか見ている暇ありませんよ(笑)。ホール様は、アナログ役物はドツキを警戒しますが、敢えてやってもらう。魂で叩きたくなる。これこそが、ユーザーの技術介入です」

面白い機械作りは新規ユーザーを掘り起こすためにも欠かすことはできないが、それ以前に、業界人が家族、親戚、友人をパチンコに誘える環境を整えることが先決だ。新規ユーザーはどんなにパチンコの面白さを伝えても、1人でホールに入るというハードルは非常に高い。実際にやっている人が誘わないことには増えない。

メーカー視点で考える理想の環境とはこうだ。

「メーカーが20万円以上の機械を作るのは年間1機種とすることです。20万円以下なら何機種でも構いませんが、液晶機はキラーコンテンツの1機種のみにする。こうすれば作りこみも必須になりますし、ホール様が余分な買い物をすることもなくなるでしょう。それと、一番重要なことは注文から納品まで半年間あけるようにする。これぐらいの期間があれば我々メーカーにとっては部材リスクがなくなりますので、これを全メーカーがやれば一気に業界は変わります。ホール様の機械代負担が少なくなればユーザーがもっと楽しめるようになりますから」

こうして一連の話を聞いていると、パチンコ業界の未来は悲観することばかりではない。こんな考えのメーカーが台頭して来ればワクワクするパチンコ機も期待できる。

そして、業界の未来にも希望が持てる。





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