パチンコ日報

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中高年に支えられるパチンコから若者が興味を惹くパチンコへ

500台クラスのホールが3月末で閉店することになった。社員は薄々閉店することには気づいていたが、正式に伝えられたのは年が明けてからだった。

パチンコとスロットの設置比率は65:35だが、スロットはすでに壊滅状態。パチンコ客の7~8割が1パチ客。1パチコーナーは、土日は8割、平日は5割稼働といった状態だ。客数で200人ほどは残っている。年齢層はほぼシルバー層だ。

閉店するにあたり、今残っている200人をどうチェーン店へ誘導するかが課題となった。

そこで直接、客にヒアリングすることにした。閉店とは言わず、「建物が老朽化していて耐震工事をしなければいけない。その時一時店を休むことになる。その場合、どうしますか?」と質問してみた。

そこで返ってきた答えはほとんどが「パチンコを止める」だった。他店へ行くというより、パチンコそのものを止めるという意見が多いことに驚かされた。全くの予想外の意見だった。

「みんな、他の店が嫌だからここに来ている。昔はここも客が一杯で打ちたい台も選べなかった。今は客も少ないので自分のペースで打てる。客が少ないのでタバコを吸う客も少ない。だから気分よく打てる。だから、ここが閉店したらパチンコは止める」(常連客A)

「混んでいる1パチの店には行きたくない。ここは周りに人がいないから開放感がある。この雰囲気が好き」(常連客B)

金槌で頭を叩かれるほどの衝撃だった。そういえば、常連客同士が部外者を受け入れない雰囲気を醸し出していた。

客層はほぼシルバー世代なので車で他店へ移動するような人はいない。閉店することが決まって改めて気づいたのは、客層の高齢化だった。閉店しなくてもいずれ今残っているこの顧客が来られなくなれば、閉店するしかない状況だ。

幸い、チェーン店でスロットが強い店は4割が若者なので、まだ将来性はあるが、シルバー層で支えられている店はXデーを座して待つしかない。

「昔、パチンコは簡単に儲かった。その頃は機械代も20万円前後で40玉交換だった。遊技人口は多く、機械代も安く、交換差益でも儲かった。それが等価交換になってから業界がおかしくなって行った。一部の人しか勝てなくなった。昔は広く浅く取っていたが、今は広く深く取るようになった。40玉交換に戻らなくては行けなかったが、パチンコの新基準機の出玉ではこの先40玉交換にも戻れない」(ホール関係者)

後の後悔先に立たずだが、業界人の共通した認識だろう。

コインチェックのネム580億円流出事件では、20~30代の若者がスマホで簡単に儲けられるとばかりに、手を出していたことも明るみになった。パチンコよりも一獲千金の夢が見られるからだ。

コインチェックを創業した社長もまだ20代。若者をパチンコに振り向かせるにはおじさんの頭では適わない時代になっている。

かつてエースプロが大学生による大学生がパチンコ店へ行きたくなる「パチンコ未来コンテスト」を実施したことがあるが、こうした企画から実機を作ることも現状を打破することにもつながる。

風営法が「がんじがらめで、できない」と諦めたらその時点でパチンコの未来は開けない。




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