パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

6号機と1回交換

認定申請も一段落した頃、オーナーが幹部にこう話した。

「波の荒い機械をいつまでも置いていてもしかたない。なるべく早目に新基準機を導入して、調整方法を勉強した方がいい。出玉性能が落ちて面白くない機械でも、勝てばお客さんは打ってくれる。ウチは他店で稼働が付かない機械でも、稼働を上げてきた実績がある。規則が改正されてもウチにはアドバンテージがあるので恐れることはない」

いつまでも旧基準機に頼るのではなく、競合店よりもいち早く新基準機を導入して、使い方を研究しようという前向きな姿勢である。

新基準機で懸念されているのはパチンコよりもスロットだ。各メーカーともスロットは特に爆裂、連チャン性をウリにしてきた歴史がある。だが、6号機では爆裂連チャンなど期待できない。

「当社は爆裂機ばかりをセールスして来たので、それ以外の機械は売る自信がありません。ただ、技術からの話ですと、ウチは他社にできないことができるので、ま、期待してください」(スロットメーカー営業)と期待感を持たせる。

この営業マンとホールの幹部が6号機の営業方法について話した。

「連チャンしないスロットはお客さんからは指示されない。ベタピン営業はできないので設定を入れるしかない」(ホール幹部)

「スロットユーザーは高設定を打ちたい。5,6を積極的に使って、1回交換にするのも目新しい」(メーカー営業)

6号機は1回交換にすることで逆に復活するのではないか、という話になってきた。確かに1回交換なら高設定も躊躇なく入れることができる。

ここで問題になるのは1回交換の場合の交換枚数だが、設定を躊躇なくいれるためにも等価というわけにはいかない。

別のスロット関係者は1回交換についてこう指摘する。

「1回交換の考えは非常にいい。ただ、3号機以前の119%出せていた時代のスロットなら1回交換はできたでしょうが、試験が厳しくなって5号機では設定6でも実際は106%で、今度の6号機は103%。1回の出玉もマックス300枚だが、実際は225枚ぐらいにまで落ちる。実際の配当枚数は差し引きで180~190枚。4000円を切る。5000~6000円で1回交換ならまだしも、6号機の性能で1回交換はない。7~8枚交換にでもしようものなら、高設定でもお客さんが負ける。ということは、一回交換なので店の売り上げは相当上がる。換金差益でも店が儲かる。それはお客さんをすぐに飛ばすことを意味する」

本当に6号機になると営業方法を変えても使えないのか?


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中高年に支えられるパチンコから若者が興味を惹くパチンコへ

500台クラスのホールが3月末で閉店することになった。社員は薄々閉店することには気づいていたが、正式に伝えられたのは年が明けてからだった。

パチンコとスロットの設置比率は65:35だが、スロットはすでに壊滅状態。パチンコ客の7~8割が1パチ客。1パチコーナーは、土日は8割、平日は5割稼働といった状態だ。客数で200人ほどは残っている。年齢層はほぼシルバー層だ。

閉店するにあたり、今残っている200人をどうチェーン店へ誘導するかが課題となった。

そこで直接、客にヒアリングすることにした。閉店とは言わず、「建物が老朽化していて耐震工事をしなければいけない。その時一時店を休むことになる。その場合、どうしますか?」と質問してみた。

そこで返ってきた答えはほとんどが「パチンコを止める」だった。他店へ行くというより、パチンコそのものを止めるという意見が多いことに驚かされた。全くの予想外の意見だった。

「みんな、他の店が嫌だからここに来ている。昔はここも客が一杯で打ちたい台も選べなかった。今は客も少ないので自分のペースで打てる。客が少ないのでタバコを吸う客も少ない。だから気分よく打てる。だから、ここが閉店したらパチンコは止める」(常連客A)

「混んでいる1パチの店には行きたくない。ここは周りに人がいないから開放感がある。この雰囲気が好き」(常連客B)

金槌で頭を叩かれるほどの衝撃だった。そういえば、常連客同士が部外者を受け入れない雰囲気を醸し出していた。

客層はほぼシルバー世代なので車で他店へ移動するような人はいない。閉店することが決まって改めて気づいたのは、客層の高齢化だった。閉店しなくてもいずれ今残っているこの顧客が来られなくなれば、閉店するしかない状況だ。

幸い、チェーン店でスロットが強い店は4割が若者なので、まだ将来性はあるが、シルバー層で支えられている店はXデーを座して待つしかない。

「昔、パチンコは簡単に儲かった。その頃は機械代も20万円前後で40玉交換だった。遊技人口は多く、機械代も安く、交換差益でも儲かった。それが等価交換になってから業界がおかしくなって行った。一部の人しか勝てなくなった。昔は広く浅く取っていたが、今は広く深く取るようになった。40玉交換に戻らなくては行けなかったが、パチンコの新基準機の出玉ではこの先40玉交換にも戻れない」(ホール関係者)

後の後悔先に立たずだが、業界人の共通した認識だろう。

コインチェックのネム580億円流出事件では、20~30代の若者がスマホで簡単に儲けられるとばかりに、手を出していたことも明るみになった。パチンコよりも一獲千金の夢が見られるからだ。

コインチェックを創業した社長もまだ20代。若者をパチンコに振り向かせるにはおじさんの頭では適わない時代になっている。

かつてエースプロが大学生による大学生がパチンコ店へ行きたくなる「パチンコ未来コンテスト」を実施したことがあるが、こうした企画から実機を作ることも現状を打破することにもつながる。

風営法が「がんじがらめで、できない」と諦めたらその時点でパチンコの未来は開けない。




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チラシは店長の精神的保険だった

5年ほど前、日報では物語営業チラシの具体例をシリーズで紹介した。一ひねりも二ひねりもあり、毎回、思わず読み込んでしまう内容だった。チラシの実例を挙げ、それに対する集客人数も検証していた。マーケティングを研究して、ここまで効果があるチラシなら異論はない。

ところが、筆者のところへ届く新聞チラシは、依然として新機種を載せただけで、どこのホールなのか分からないチラシが大多数を占める。月に2~3回もチラシを打っていたらアイデアも枯渇する? イベントも打てないので新機種導入の事実だけ? というより考えるのも面倒になってくるのだろう。

チラシの効果が疑問視されて久しいが中国地方の中堅ホールが、昨年4月から13店舗全店のチラシを廃止すると共に、ピーワールドの掲載も取りやめた。

「現場はマイナス効果を怖がって手を付けられませんでしたが、営業部主導で行いました。うちは店内のお客様との関係を大切にしているので、稼働には一切影響していません。チラシとは店長の精神的な保険に過ぎませんでした」(同ホール関係者)とキッパリ。

同社では新聞購読層とホールの客層に疑問を感じていたこともあった。毎日来てくれる固定客比率も高いので、店内告知で新台入れ替えも十分伝わる、という自信もあった。

「チラシを入れなくても新台入れ替えの日は確実に来ていただいています。逆に稼働がアップしたぐらいでコンサル会社から表彰されたぐらいです」(同)

稼働にも影響ない。それ以上に効果が出たのが大幅なコストダウンの方だ。

1回のチラシ代が30~40万円。月平均では200万円ほどのチラシ代がかかっていた。1店舗で年間2400万円。13店舗あれば、会社全体では3億1200万円のチラシ代を削減したことになる。

ピーワールドを止めたのも似たような理由がある。これも店長の精神的な保険で、ピーワールドを見て来るのは開店プロぐらいだろう。ただし、会社のホームページから外部のホールサイトへ飛ばす仕掛けは残している。

チラシを見て来る客がゼロではないとしても、費用対効果から見ると無駄な紙くずを量産していることになる。

では、中小企業が成功するチラシを作るためには、どうすればいいか?

中小企業はチラシ制作をマーケティング担当者にまかせている。そのマーケティング担当者は印刷業者にまかせている。これが売れないチラシを作ってしまう一番多いパターンである。

結論としてチラシを作るには、企業が自らの責任でマーケティングをもとにして企画を練り、チラシの内容を決定してから印刷会社に発注する。それ以外に成功する方法はない。



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メーカーの支援要請を一蹴したホール企業

コンサルの仕事は会社の特徴によっても違ってくるが、戦略コンサルティング日記というサイトで、コンサルの役割についてコンサル仲間に聞いたところ、以下のような答えが返ってきている。

「企業の最終目標は利益を出すこと。コンサル活動も全て最終的な利益貢献につなげなければならない」

「経営者を支えること」

「企業活動を正しい方向に導くこと」

「コンサルティング業は“情報弱者ビジネス”。情報や知識を知らず、経験も保有していない会社に、蓄積した知識やノウハウを売る仕事」

「コンサルタントの役割は、①経営者・担当者に気づきを与える、②経営者・担当者に意思決定の判断軸を与える、③経営者・担当者にドライブをかける の3つに集約される」

パチンコ業界でも上記のようなことが当然求められるが、やはり利益貢献につながることがコンサルには求められている。

ところが、コンサル契約を結びながらも、業績が回復する兆しも見えず、店舗を売りたがっている法人が10社以上、30社未満、100店舗は下らない、という。

「他府県にまたがってチェーン展開している法人は、本店所在地以外の県外をまず、売却したい考えです。同じ商圏に2店舗ある場合は、1店舗だけに店長を置いて、兼務させる。店長のいない店舗は普段は主任に任せて、店長の人件費を削っている法人も出てきました」(業界事情通)

コンサルの手を借りても手の打ちようがない、という現実に直面している。

これに対してコンサル側の言い分はこうだ。

「こういう時代ですから、ウチを使っていなかったら、もっと落ちています。目標は現状維持で頑張りましょう」

いずれにしても売りに出る店舗はこれからどんどん出てくるが、これを奇貨とする法人も当然いる。出店意欲のあるホールはどんどん物件を買っていくだろうし、M&Aで規模を拡大していく法人も存在している。

それ以上にチャンスと捉えているのは都内の法人だろう。山の手線沿線内の物件なら積極的に「買い」だ。駅前の一等地ホールの優良物件も出てくる。ホールでやれれば、ホールだろうし、ホールがだめなら都内なのでどんな方向にも転用できる。さしずめ、今ならホテルだろう。

地方のホール物件は買いたたかれるが、都内の優良物件なら、相場よりも高い金額を提示してでもその物件は手に入れたいものだ。

そういう積極的な法人にはパチンコメーカーからの支援話も来るが「メーカーには興味がない」と一蹴された。それほどメーカーは儲からない業種に成り下がっている証だ。

ホールが淘汰されれば、機械メーカー、設備機器メーカーにもすべてしわ寄せが行く。

大企業の内部留保を吐き出させて内需拡大のためにデノミ論も浮上している。紙幣を刷りかえることで様々な経済的波及効果も生まれる。業界の設備機器メーカーにもその恩恵がもたらされる?



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元店長の新市場を作るための提言 ⑦

今から20年前に、20店舗以上展開していたホールチェーンは今も健在で、営業成績も素晴らしい。

このチェーンがセブン機や一発機、3回権利物全盛の時代に行っていた手法がある。それは、総設置台数の2割を羽根モノにすること。これは全店で行っていた。現在は羽根モノ自体が絶滅危惧種なので、実行されていない。

売り上げや粗利が上がるセブン機を入れた方が、店舗の成績が上がるのに、なぜ羽根モノを2割も入れるのか?

それは、客層の“中和”だった。殺伐とした店舗イメージを避けるためだった。

20年以上前といえば、大半のホールは、煙モクモク。CR機と現金セブン機が混在していた。ホールの客層が変わり出した時でもあった。

当時、表回りのスタッフは、羽根モノコーナーは「明らかに客層が違った」と話していた。

25年前、1000台のホールがグランドオープンした。チェーン店の旗艦店に、チューリップ台を250台設置した。土日のチューリップ台の稼働は8割を超えた。

年配者や女性も多く、雰囲気は非常に和やかだった。

両チェーンで特筆すべきは、女性客の比率で、競合店の1.5倍と言うデータが残っていた。それだけ、店舗の雰囲気は、客層への影響が大きいということである。

現在進行形の話がある。1000台規模を含めて複数店舗で、総台数の3割以上を禁煙化にして、成功を収めているチェーンがある。競合店の禁煙客をごっそり取り込んでいる。

禁煙コーナーが20~30台規模では中途半端、ということだ。この程度では、禁煙客は好きな台が選べないのは明白だ。

バラエティーコーナーが誕生した時は10台くらいだったが、規模が大きくなった方が効果が上がったのと同じことだ。

この手法が未来永劫通用するわけではないが、やる時は思い切り大胆にやらないと効果が薄い。

全面禁煙とは、ホールが新しい時代に向けて歩き出す第一歩に過ぎない。しかし、第一歩としては大きな一歩だ。

ある有力ホールの方針は、業界全体で禁煙化するなら大賛成。そのチェーンは、戦略的に禁煙化席数を決めていて、ホールにおける禁煙席の希少価値を最大に利用している。

簡単に言うと、禁煙化したら競合店から何人の顧客移動が見込めるか、までを計算している。

つまり、全面禁煙する前に、部分的に禁煙化する手法があると言うこと。それを大胆にやる。

また、そのホールの戦略の一つに、こんな手法を取ったことがある。

それは、禁煙化したコーナーの割数を上げたのであった。

禁煙化に失敗しているホールは、禁煙化しただけで、しかも規模が中途半端なことだ。最初は、割を上げて、お客様を固定化することが重要である。

ホールのイメージ戦略は、合わせ技で時間をかけて行う。

新規客獲得は、
①イメージを変える
②環境を変えて、実行に移す
③それをどうアピールするか

今やらずに誰がやる! お前がやらずに誰がやる!

つづく

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