分かっているようで、当たり前になっているものの中に、パチンコのお客様は全員、ご自分の意思で、わざわざホールまで足を運んで頂いている事ですよね。
これはホール業界に取って、とても重要な事なのです。
最近の小売業は、売上を伸ばすために、宅配を始めました。
スーパーやコンビニが、店舗に来店されないお客様を取り込むために始めたのですが、これが時代のニーズに合い、爆発的に伸びています。
イトーヨーカドーの雪国の店舗から東京の店舗へ配属になった管理職に聞いたところ、こんな返事が。
「今の店舗(東京)のネットショッピング(宅配)より、前の店舗(東北の雪国)のネットショッピング(宅配)は、東京の15倍」
特に、雪国では、交通の便が悪いときには、宅配が非常に役に立ちます。
店舗に来場されないお客様を取り込むのには、こちらから出向く行為が必要です。
最近の自動車ディーラーも同じように、こちらから出向く戦略に転換したケースがあります。
今から約30年前の自動車営業の主流は「顧客管理」と「飛び込み営業」でした。
それが近年徐々に店舗へお客様を呼び込むスタイルに変わって行きました。
さて、ホール業と言えば、お客様に配達は出来ない職種です。当たり前ですね。
だから全国のホールは、来店されるお客様には、最大限の敬意をもっていなければなりません。
朝、目が覚めてから、来店される迄の間、お客様は自店舗の事を思い出して頂いているわけです。本当にありがたいことですよね。
特に、毎日のように足を運んでいただける、超固定客の場合は、最敬礼の気持ちが重要です。
小売業のように、店側から仕掛ける事が難しくなったホール業。イベント等の規制で、がんじがらめ。
そんな中、あるホールで効果が出た方法があります。その一部のヒントを書いてみたいと思います。
あるホールで劇的に4円甘デジの稼働を上げたのですが、このホールの店長は、固定客の顔を全員覚えました。
固定客が最初に、どの機種を打ち始めて、それがダメなら次は何を打つのか? ホールスタッフと連携して、固定客の動向を詳細に把握したのです。
その詳細の手法は、ここでは書きません。申し訳ありません。
ただ言える一言は、店長が毎日最低1時間、ホールを回るようにしたこと。
これは、私が現役の時にやっていた手法の一つです。
普段ホールを回らない店長だったら、ホールを毎日のように回ると、絶対に見えてくる事があります。
それと同じ手法を実施して成功したホールは、次に撤去する4円甘デジ候補を選別するときに、固定客にアンケートを取ったり、人気の4円甘デジを他の位置に移動するかどうかまでも、固定客に聞いてみたりするようになりました。
いま、皆様のホールを見て想像してください。
「4円甘デジの固定客」と「それ以外の4円パチンコの固定客」を比べた時、どんな比率になっていますか?
そして4円甘デジのお客様と、それ以外の4円のお客様の客層は?
このシリーズは4円甘デジで稼働を上げる方法を書かないと先に書いていますので、上記がちょっとしたヒントです。
手前味噌ですが、私の意見を半年から1年継続すれば、4円甘デジの稼働は絶対に上がります。
店長の皆様はヒントから、自分なりの手法を考えてみてください。
さて本題に移ります。
先日までの寄稿=その3.4の内容を思い出しながら下記をご高覧下さい。
私が「4円甘デジ」が「4円再生」に重要だと思った理由を具体的に述べたいと思います。
私の手元には約40名のパチンコ未経験者が、パチンコを初体験して、そしてその後、どうなったのか? そのデータがあります。
(1)私が会社員時代ですが、ある高級製品の販売を手がけていました。
その製品の性格上、顧客の多くは、「会社経営者や役員」「弁護士」「医師」「政治家やその家族」「芸能関係者」等、社会的に地位もあり収入も高い方々です。
(2)現在の仕事や個人的な友人の関係で、大手小売業の30歳40歳代の女性正社員の中には、未婚者など独り身の人が結構います。
正社員なので収入も安定している女性正社員。なのに独身なのは、中々出会いがない職業でもあるのです。超美人ならお客様にナンパされたりするようですが(笑)
彼女達は、通常土曜日や日曜祝日は休めません。必然的に出会いの場が限られてしまいます。
35歳前後から、そんな女性は結婚を諦めてしまうケースも多い。
彼女たちの多くは休日何をしているのでしょうか?
大半は、家でゲームをしていたり、ぼーっと雑用をこなして一日が終わります。
そんな人たちは私がデートに誘うと、結構な確率でOKになるもので、劇団四季の観劇に誘うとOK率が激的に上がります(大笑)
ミュージカルなんかに誘う男性が少ないのと、中々ミュージカルを観るきっかけがないからです。
そしてミュージカル観客の約8割が女性であるから、ミュージカル未経験の女性の多くは、一度は観たいと思っています。だからミュージカルデートに誘うと成功率が上がる(大笑)
(3)上記約40名には入っていませんが、外国人の希望でパチンコ店に連れて行ったケースは数えきれません。友人や家族の友達が日本に来るときに、案内を依頼される事が多いからです。
(1)~(3)のケースの人達に、パチンコ遊技を教えた事があり、その時の彼らの感想を私は全て把握しているので、その話が下記のようになります。
パチンコ未経験者の中には、パチンコ店の前を通る度に、興味が出る人が大勢います。
ホール内に入っても、見るだけで終わった人もいれば、500円だけ遊技して回らない事に驚いて、それ以降パチンコをやってない人などの様々なケースがあります。
女性で定職があり、独身のゲームが好きな人なら、パチンコも一度はやってみたいと思う人も随分います。
■ケース1
かつて私の顧客だったA氏は、会社経営が順調で、経営を長男にすべて任せました。
そして時間が経ち、長男は会社経営を軌道にのせられると判断したA氏は、普段は時間を持て余すようになりました。
最初はゴルフ三昧でしたが、毎日ゴルフに行く事も現実的ではなくなります。そして長年連れ添ってきた奥様が亡くなります。
これで決定的に時間を持て余すようになったA氏。
あるきっかけで「元店長君、パチンコって何がおもしろい?ちょっと教えてくれないか?」と声をかけられました。
A氏は預貯金は十分アリ、ギャンブルにのめり込むタイプではないので、パチンコをいろはのイからお教えしました。
■ケース2
上場スーパーで管理職になった、女性正社員B子さんは、34歳で独身です。昔、お付き合いしていた男性と一緒にパチンコをやったのは今から15年以上前。その回数はほんの数回。
そんなB子さんは、週2回の休日は平日です。
親しい友達とは、時々会いますが、結婚していて子育てが大変な時期。だから、だんだん友達と会う機会も減少してきました。
休日は一歩も家から出ないで、ゲーム三昧だそうです。ゲーム以外に趣味はありますが、毎日気軽にできる趣味でもない。
同じ境遇の同僚は社内に相当数いる。都内のある店舗には、30代独身女性が正社員だけで7名も。
ケース1、2の人にパチンコを指南しました。
上記以外にも、いろいろな立場の方々にパチンコを教えました。
ただ、教えるにあたり、依存症になる可能性が高いと思う人や、お金が無い人には教えませんでした。
そういう可能性のある人には、こちらから、パチンコの話は一度もしていません。全ては話の流れで、そうなったケースです。
私も始めの頃は、初心者だからと何も考えずに「1パチ」から入門させていました。
すると、手軽に遊べる1パチのファンになった人が多くいたのですが、ある事に気が付きました。
それは、最初に1パチから入門したパチンコ未経験者は、1人も4円のファンになっていなかったのです。
収入や貯金が十分にあるA氏も例外なく、1パチオンリーです。
A氏は「4パチも打って見たけれど、出ない時は金がすぐ消える。1円で十分楽しい」といいます。
A氏のように経済的に裕福な人に、最初から4円甘デジを教えると、その後1円のファンになる人の割合は、今のところ5%。
これが分かってから、パチンコ未経験者をホールへ連れて行く時は、「1円」か「4円」かの希望を聞き、「1円」と「4円」の違いの説明をするようにしました。
こうして、4円甘デジから入門した人は、90%以上の割合で4円パチンコのファンになりました。
1円パチンコから入門した初心者は、100%といっていいほど4円で遊技はしませんでした。
今回のケースは、サンプル数は少ないのと、経済的には恵まれた人の例ですが、この傾向は見逃せないものです。
つづく

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