こんな時間に始めるのは全店の営業が終ってから、という単純な理由だが、社員大会は4時過ぎまで行われた。第三者はその後家に帰って寝ればいいが、社員は10時からの営業に間に合わせなければいけない。
このタフネス振りがベラジオの原動力なのかも知れない。
同社の2013年度上半期決起集会が開催されたのは3月30日午前1時。上半期というタイトルが示すように、決起集会は3月と9月の年2回開かれている。優秀店舗賞の表彰などが行われるが、1年間モチベーションを持ち続けるのは大変なので、半期ごとに行われている。

同社は現在17店舗のチェーン店を運営している。店舗数が少なくて社員数も少ない時代は飲食店のパーティールームを貸し切って開かれていたが、店舗数の増加と共に、社員も膨れ上がり、会場をホテルの宴会会場に移すしかなかった。
そこで白羽の矢が立ったのが同社の本社からほど近いホテル大阪ベイタワー。
最初は深夜1時からの宴会なので、断られるのではないかと恐る恐る申し込んだ。
ところが、反応は逆だった。
24時間眠らないシティーホテル。深夜のアイドルタイムに宴会場が稼働することは大歓迎だった。
実際、400人を越えるとホテルの宴会場でなければ収容しきれない。

決起集会はこの日のために作成されたビデオ映像からスタートする。
ベラジオのこれまでの挑戦は、非常識への挑戦の連続だった。お客さんとのコミュニケーションをさらに深めるために企画されたフレンドツアーなどは、業界常識では考えられない。
新しい可能性を求めて、創造と破壊を繰り返しながら突き進んできた。
その成長の証ともいえるのが昨年、ぱちんこ情熱リーグの決勝大会に3店舗が残り、本店が見事日本一に輝いたことだ。
17店舗はまだ中堅どころだが、一躍ベラジオの名前が全国に知られることになった。
そんなベラジオだが、厳しい環境の変化に直面し、外部要因に対応し切れなかった。
全店平均が3万稼働を切るところまで落ちてきた。
危機感が足りなかった。
昨年末には、布施店を無念の撤退をせざるを得ないところまで追い込まれた。
この撤退は終わりではなく、「必ず勝ち組になる」と決意を固める始まりのための撤退にした。
現状打破の一手として、昨年12月20日には3店舗同時グランドリニューアルオープンを敢行。3万5000稼働まで回復させる。
問題は必ず内部にある。外部要因は変えられないが内部要因は変えられる。
では、何を変えるのか?
価値で勝たなければ勝ち組にはなれない。
価値とは個人ブランドで、この向上こそが勝ち組への道である。
止まることなく、前進しなければならない。
それは己との戦いである。
17店舗で500億円の売り上げは未達に終った。
反省点は「関わりが足らなかった」こと。
これからはありえないぐらいに人と関わり、関心を持つこと。
心を使えば、心に汗が出る。体を使い、心を使い、心に汗をかくことが「鼓動」につながる。ネクストベラジオはこの「鼓動」がテーマだ。
次の3カ年計画では30店舗、880億円、社員834名を目指す。その中には首都圏進出も含まれている。

社員や店舗表彰で受賞者に林田キャップがかける言葉は、おめでとうではなく「ありがとう」だった。
社員に感謝するトップの姿勢がESの向上にもるながるのだろう。


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