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ホールのメーカー買収を考える

ホールが機械代を下げるためにメーカーを買収するのではないか、というエントリーに対して2人のメーカー関係者からコメントが寄せられている。

商売として成り立っているかはともかく、ホールがメーカーを買収したケースは実際にある。最近では徳島市でミリオンを経営するノヴィルがパチンコメーカーの大和製作所とパチスロメーカーのバルテックをグループの傘下に収めている。

まずは、機械作りの現状をハンドルネーム「メイン基板」さんが次のように解説する。

「メーカーがどんなゲーム性の機械を販売しても楽しいと思える訳無いよね。当たりは引けない、球も増えない設定で営業してるんだから…プレイヤーは全部クソ台と評価し、稼動も続かないと。だから、メーカーは事故待ちと言われる機械を作った。プレイヤーのためにはホールが抜くつもりだとしても、プレイヤーの運で差玉が取れるスペックにするしかないから。それすら叶わない状態になり、無理ゲーと呼ばれる機械になった。もはや勝負以前の問題。何故なら、当たりを引けずに投資が尽きてしまうのだから。勝負のために玉を借りる→当たりを引く→玉を増やす→止めるか続けるか悩む→結局玉がなくなる→立ち回り反省する→また勝負する。遊ぶためのプロセスが分かっていない。分かってもプレイヤーに提供出来ないホール。絶望するね」

では、実際に機械を作るにはどのぐらいのコストがかかるのかをハンドルネーム「ピー」さんが説明する。

「リスク面として開発製造業は直ぐ商売になるわけでない。モノというのは100台より1万台というように大量生産しないとコストは下がらない。20億かけて機械開発しコストを下げるために1万台製造(15万円/台あたり原価ベース)したとしよう。これだけですでに35億円だ。それで開発焼却費を含む原価ベースは1台35万円だ。ここに利益を得るには1台40万円となってしまう。
 仮にもっと製造コストを下げるため5万台製造計画して1台あたり13万円(65億円)としたとしても開発費と量産費用で85億の投資がかかる。また、それが使えない機械なら目も当てられない。結果的に売れなければ何十億の不良在庫を抱えることになる。また、もっといいモノもっといいモノと製品開発を当然しなければいけない。3機種4機種ダメな台が続けばとんでもない赤字を抱えることになる。この累積赤字を10万台売れるようなヒット機種が出るまで継続する覚悟があるならメーカー事業に参入するのもいいのではないでしょうか。この製造業というもののリスクが理解できないままメーカーに参入し何年も大赤字を累積させてるとこが現状でもたくさんある」

メーカーになるには開発リスク、不良在庫リスクを覚悟するとこが重要ということのようだ。

メイン基板さんは実際のホール規模に当てはめて、いかに難しいかを指摘する。

「中小メーカーとの買収ならあり得そうだけど、大手メーカーにはメリットが無いと思うんですよねぇ。例えば、ダイナムの店舗数は451台。ホール1店舗当たりの平均台数が418.7台。ザッと掛け算して総台数18〜19万台。さすが業界最大手ホールの購買力。とはいえ、この数字はパチンコ・パチスロの合計数。両方作ってるメーカーは限られてる。それに、ホールのメリットも本当にあるのかなぁ。特定のメーカーを買収したとして、そのメーカーの機械だけで営業するの?色々とホールにも課題が出てきそうな…」

今回のホールがメーカーを買収するという話は、M&Aなどで今よりもホール規模が1000店舗以上に拡大した時のことを想定しているが、機械代は下げるにはやはり液晶を使わないことが一番効果が高そうである。



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